「ネガティブの微笑み」

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  「吸血木」と「スイーツ・シスターズ」

  牛水里美嬢出演の日替わり短篇『吸血木』の稽古二回目！動きも演出もあらかた決まり、何度か流してやってみました。二回目とは思えぬ、なかなかに良い出来です。あれもこれもしっかりやってくれる牛水嬢。前回の「深海のカンパネルラ」でも思ったのですが、牛水里美は本当にプロの女優なのだな、と。こちらの意図をきちんと汲み取り、全力でそれに取りくんでくれる。稽古をしていて心地良いのです。相手役の和知くんも鶴町くんも、レスポンスが早いので、みるみる形になっていく。今回もまたメンバーに恵まれております。その後、全員揃っての稽古をいくつか行い、短篇ごとの抜き稽古。そして夜は同じく日替わり出演者の佐々木香与子嬢がきてくれました。今日は妹さんの富貴子嬢は来られなかったので、小玉さんに代役をお願いし、日替わり短篇『スイーツ・シスターズ』の初稽古。双子の佐々木姉妹ならではの書き下ろし短篇。これ、ジャンルは何になるのかな。ラブストーリーのようなホラーのようなコメディのような。個人的にはダークファンタジーという言葉がしっくりくる気がしますが、それを言ったら大抵の作品はまとめられてしまうので。香与子嬢も普段は主宰劇団の「東京ネジ」で演出をしている方なので、少ない言葉ですぐに理解し、動いてくれます。というわけで僅か２時間弱であらかた形がつきました。富貴子嬢の参加が今から楽しみです。間違いなくおんもしろいことになります。だって今の時点でおんもしろいので。この短篇も相手役は和知くん。和知くんには日替わり短篇の中でもなかなかヘヴィーな内容のものを任せています。どんな相手でもきちんと受けてくれるという安心感がある彼なのです。写真は牛水里美嬢。前回公演「深海のカンパネルラ」出演時のモノです。

  2012.07.04

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  日替わり短篇、始動。

  日替わり短篇出演者の稽古がぞくぞくと始まりました。牛水里美嬢の『吸血木』一昨年にmielに書き下ろした短篇の再演になります。今回唯一の再演だけど僕自身で演出するのは初めて。牛水嬢の愛らしい部分、危うい部分が一番表現出来そうなのでこれを選ばせていただきました。「毒入り妖精」の名を汚さぬ出来にしたいと思っています。（僕が呼んでるだけなんですが）共演者は和知くんと鶴町くん。葛木英嬢の『グレイス夫人の晩餐』前回の「組曲『空想』」の時に出て頂いたコメディ短篇「Q&A」とはうって変わって、ちょっぴりエロティック（？）な背徳感満載の作品に出て頂きます。共演者は今回最年少の櫻井圭登くん。そして本日はキリンバズウカの主宰、登米裕一くんが来てくれました。僕と同じく、一人プロデュースユニットを構える作・演出家仲間です。役者ではあまり出演しない彼ですが、お誘いしたところ、面白がって出演を快諾してくれました。しかし、あてて書いてる内に筆がのってしまい、えらい量の台詞になってしまいました。「日替わりゲストの台詞量じゃない」と出演者の苦笑を買った一本です。しかし本日稽古に来た登米くんに「台詞多くてごめんね」と謝ると「作家からのラブレターだと思って大事に読むよ」とのこと。素敵やん。素敵やん、とよねん。ちなみに作品のタイトルは『作家達の語らい』異色ながらもお気に入りの一本です。共演者は川田希嬢。がっつりと絡んでいただきます。

  2012.07.02

• じゅらいさんがやってきた。

  もう７月だって？やめろよ。知ってるだろう？　僕がつまらないジョークが嫌いだってことを、さ。…………７月。おいおい７月て！　Julyて！早！　早！　早！じゅらいさん、いらっしゃるのが早過ぎます！もっとお時間つぶしていらっしゃって！そんなわけで、駆け抜けるように６月が終わり、おそらくは今年最も演劇業がたてこんでいるこの月になってしまいました。脚本提供の「天使のダイアリー」、「桜の森の満開の下」、そしてホームである空想組曲の「組曲『回廊』」三本連続！ッて言うかほとんど三本同時上演！そして８月から稽古が開始される作・演出舞台の脚本もね。締め切りがあるというね。うぃんやぁぁぁぁぁぁー！となること確実な超絶な月に突入でございます。頑張りますよ。精魂尽き果てるまで。まずは「回廊」の稽古です。メイン短篇がざっくり形になり、明日からはいよいよ日替わり短篇オンパレードな毎日がはじまるのです。よくよく考えたら日替わり短篇の数って、メイン短篇とほぼ同じ、いや、それ以上あるんだよね。うむうむ。ならばペースとしては間違っていない。間違っていないが、えらいっこっちゃには違いがないのです。メインも日替わりもこっからです。こっから。暑い夏になりそうだ。

  2012.07.01

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  ファミレス・ジェノサイド。

  毎日稽古があっという間。一日三、四本やっても、メイン短篇だけで全部やるのに四日くらいかかりますからね。そこに日替わり短篇の稽古も入るわけですから、もう目まぐるしいくらい。さらには一回稽古をすると、他との兼ね合いで二日くらい間があいたりしますからね。みんな、隙間を縫って読み合わせしたり相談したりと僅かな時間も惜しんで稽古しております。お試しはしつつも、完成形に向けて普段より早めに多めに演出をつけております。先日「ファミレス・ジェノサイド」という短篇に殺陣がつき、役者さん達のやることと課題が一気に増えました。殺陣をつけてくれたのは梶武志さん。「遠ざかるネバーランド」からお世話になっている僕が最も信頼する殺陣師さん。作品のやりたいこと、見せたいことを本当に大事に考えながらも、いつも少しだけ高いハードルを用意してくれます。回廊稽古始まって以来の役者一同、汗だく。しかしまあ、こいつは面白くなりますぜ。間違いなく。写真は今回の女子最若手・民本しょうこちゃんと、男子最年少・櫻井圭登くん。組曲初参加。吸収力スポンジの二人。一人あたりカルピス40本分はあろうかという爽やかさ。この二人で組んでる短篇もありまして、かなり冒険的な内容になってます。冒険と言っても辿りつきますよ。雪山だろうが地底湖だろうが。

  2012.06.28

• 廻りはじめました。

  稽古が始まって早一週間。日替わり以外の短篇をとりあえずざーっくりあたった感じ。全貌が少しずつ見えて来た感じ。廻りはじめてきましたよ。ぐるぐるぐる。「進み早くない？」と武藤さんに言われたけど、そんなこともないのです。これから怒濤のように日替わり短篇出演者の稽古があったり、形になってきたものの順番を決めて、実際に通して、他の順番も試そう、みたいになって、うまくつなげるためのムーブメントやら下手したら短篇一本がまるまる増えたりして、「うぃんやああああぁぁぁー！！」ってなるくらいやること山の如しなのです。なので、具体的な動きは極力決めないようにしつつも、いつもより早い段階で演出は叫んでおります。怒鳴ってるんじゃありません。テンション上がって声が大きくなっているのです。昨日はじめてあたった川田×和知短篇も他出演者にとても好評だったし、武藤×鶴町もたった数時間でえらい面白くなったりしてます。そして本日新たに書いた櫻井×民本×中田短篇は短いながらもなかなか良い出来になりました。とまあ、楽しくやらせていただいてますが、さっき台本のデータを見てびっくり。１２０ページとかになってる。僕のページ数換算は２時間で８０ページ前後。と言うことは………３時間！？　ひええ。と、冷や汗かいたところで、10本の日替わり短篇とお蔵入りが決定した無数の没短篇が含まれていることを思い出したのでした。それらをさっぴくと60ページくらい。ふうう。まあ、それにしたって多いのだけど。しかも、構成後に決まる大ラスの大ラスはまだ書いていない。つまりこんだけ書いてるのに完成してない。どういうこっちゃ。ちなみに上演時間は1時間45分を目指しております。まあ、短篇は長篇以上にカットが難しいのと、日替わり短篇の内容がバラバラ過ぎるからまだなんとも言えないのですが。（でも目指してはいます）さくっと観に来てくださいませー。

  2012.06.24

• ハラドキフニュウ。

  稽古もがしがしと行っております。前回もそうだったんですが、短篇集の時は、配役を決めて台本を配りません。何度か読んでもらって、コレをやるならコレも。コッチをやるならソッチを。と言う風にバランスを考えながら決めていきます。現在九割といったところでしょうか。日替わり短篇出演者との組み合わせはまだ未定です。 「あたし、二本かぁ、楽勝ね」なんて思ってると日替わり短篇が三本くらい割り振られて、途端に大変になったりします。（実際大変になった方が前回いらっしゃいました） というわけで、先日あたりから配役の決まった短篇ごとに抜き稽古をはじめてます。 鶴町×小玉中田×狩野武藤×櫻井 狩野×民本 ……などなど。 ホラー・ラブストーリー・ファンタジー・コメディ……どれも質感が違うので、切り替えが大変。これを一つの芝居にまとめていく工程を考えると気が遠くなりそうですが、そこはまぁ楽しんでいこうかと。 最近の稽古ピックアップとしては武藤さんの愛らしさにグッときて、圭登くんのイノセントな芝居にキュンときて、狩野さんの集中力にウヌゥっとなった感じです。具体的なことを言いたくないときは擬音が一番！  というわけで、ご予約はコチラから！ハラハラドキドキキュンキュンさせてグオォーッとしてフニュウ～っとさせますから。 

  2012.06.21

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  顔合わせ二連発！

  空想組曲始動！こないだ「深海のカンパネルラ」が終わったばっかな気もしますが、間隔開けずにやれることに喜びを感じる今日このごろ。一昨日顔合わせ＆読み合わせしてきたのですが、いやはや良いキャストが揃いました。揃えました。褒めたくなった、自分を。読み合わせの時点で相当に笑わせていただきました。長篇はオモタメに偏りがちな空想組曲ですが、短篇集は好き放題書かせていただいてます。コメディたくさん。ホラー、サスペンス、ファンタジーなどなど。 もちろん変則短篇集と銘打ってる以上、ただ並べるだけではないのですが。そしてその構成が一番大変なのですが。  役者に不安はなし。こっからいかにその人達の魅力を輝かせられるかが勝負です。でも、面白いです。ほんと。どうぞ疑わずご予約くださいませ！こちらからチケット絶賛発売中！写真は左からほさか、櫻井圭登くん、小玉久仁子さん、民本しょうこちゃん。そして昨日は「桜の森の満開の下」の顔合わせでした。こちらは脚本を担当しております。主演の平野良くんはじめ、久々にご一緒の小林健一さん、澤田育子さんなど、キラキラした魅力溢れるキャストが揃っております。コチラも是非！

  2012.06.16

• まもなく稽古。

  さて、いよいよ「組曲『回廊』」の稽古開始まで秒読み段階。短篇の方はと言うと、まぁ、順調に増えております。「どぅおおりゃあ」みたいな勢いで突き進むものを書いた後には、「どよよょーん」とどこまでも暗いものを書いたりしてるので、特に気分転換は必要なく、書こうと思ったらいつまでも書いていられます。いわゆるライターズ・ハイ状態。本日仕上げた東京ネジの佐々木姉妹の日替わり短編は最初に考えていたコメディ作品から打って変わってサスペンス色が色濃く出たものになったし、花組芝居の堀越涼くんの作品、葛木英嬢の作品は完全に「どぅおおりゃあ」系。どれもこれも、読んでもらうのが今から楽しみです。どうもここ最近、依頼される内容もアクションファンタジーみたいなものから文学的なものまで、幅広くなってきてるので（なんでやねん、みたいな気もしますが）一度にたくさんの本を書くことが苦ではなくなってきました。しかし、幅広い依頼と言うのは、裏を返せば僕自身のカラーが定着していないとも言えるので、それが果たしてどこまで良いことなのかは分かりません。どんな内容の仕事にも「らしさ」がきちんと反映できていれば良いのですが。それと相反するように「その程度のキャリアで、カラーを打ち出す何て千年早い」と自分を戒める声も存在します。それしかできない、もしくはやっていないだけではないのか、と。だったら極端なくらいいろいろ挑戦していくくらいの方が良いかもしれない。そんなことをモヤモヤと考えている時期なのです。さて、もう一踏ん張りです。

  2012.06.11

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  日替わり出演スケジュールと、短篇集の心得。

  さてさて、日替わり短篇の出演日程です！ 19日：牛水里美ちゃん！20日：藤尾姦太郎くん！21日：有川マコトさん！22日：関戸博一さん！23日：登米裕一くん！24日：佐々木香与子さん・富貴子さん！26日：堀越涼くん！27日：清水那保ちゃん！28日：葛木英嬢！29日：石黒圭一郎くん！この人達にあてて書く。現在、とっても楽しく苦しんでおります。 手の内をあかしてしまうと、現在書き上がっている短篇は16本。多くはありません。おそらく本編で行われる短篇は10～12本くらい。そして日替わり短篇を含めるとおよそ22本。だったらあと６本じゃん、と思われるでしょう。それが多いか少ないか、僕が書くにあたって大変かどうかはおいといて前回の「組曲『空想』」ではお蔵入りになった短篇が７本くらいあります。内容の良し悪しより、構成的に組み込めなかったもの、役者さんに合わなかったもの、など理由はいろいろ。変則短篇集をうたっている以上、面白いものをただ並べるわけにはいかないし、これだけの役者さんを集めている以上、他の人でもできてしまうものを持っていって「あて書きです」と言い張るわけには参りません。当然、できあがった曲を全部詰め込んで「こいつはBEST盤だぜ」なんて顔で上演するわけにはいかんのです。まず数ありき。思いついたらどんなにくだらないと思っても書く。そして厳選。駄目だと思ったらどんなにもったいないと思っても捨てる。もしくは寝かす。そうやって残ったものを役者さん、スタッフさんの力を借りて徹底的に高める。それが短篇集をやる時のスタンスだったりします。 というわけで、他の執筆のお仕事も一段落したことですし、これから稽古開始までは一日最低２本。できれば４本くらいのペースでがしがし書きます。ふぁいと！ 

  2012.06.08

• 組曲『回廊』。

  情報公開第三弾！なんて言いつつ、空想組曲の本公演です。７月１９日から２９日まで、２年ぶりに変則短篇集を上演します。場所は同じく２年ぶりの下北沢OFOFFシアター。普段の劇場に比べると随分小さいのだけれど、演劇作りにものすごく丁寧に取り組めるとてもとても大好きな劇場なのです。 タイトルは組曲『回廊』 前回の「組曲『空想』」同様、これでもかと言わんばかりの「種類と数」、そして豪華ゲストを招いてのその日限りしか見られない「日替わり短篇」は今回も健在。それを前回とはまた違った変則具合でお届けしたいと思っています。 ではではキャストの発表です。 既に10年近いお付き合いとなる頼れるベテラン！　武藤晃子さん！２年前の初出演時からこれで四回連続参加！　川田希さん！こちらもすっかり常連。劇団「ホチキス」の愛すべき爆弾女優！　小玉久仁子さん!たまたま観に行った舞台で「うぉい！」となって「どうか！」と声をかけさせていただきました。今回空想組曲初参加の美少女女優！　民本しょうこさん！がっつりやるのは実に４年ぶり。「イノセントスフィア」の看板俳優！　狩野和馬さん！今回で三回目。抜群の安定感と頭抜けたセンスの持ち主！鶴町憲くん！味も技術もあって且つなんだその恰好良さと言う、今回初参加の天は三物系イケメン俳優！和知龍範くん！こちらも今回初参加。愛くるしさにもほどがある美少年俳優！　櫻井圭登くん！そしてやっぱりこの人。もはや空想組曲のメンバーなんじゃないかと噂がとびかう常連中の常連。ベテラン中のベテラン！　中田顕史郎さん！ 以上九名！！ ふぅ。びっくりマークが多いな。 でもまだまだ続きます。日替わり短篇出演者を忘れてはいけません。「黒色綺譚カナリア派」の毒入り妖精！　牛水里美ちゃん！「犬と串」よりの使者、爆走する若さと感性！　藤尾姦太郎くん！小劇場から大劇場までどこでも無敵！　有川マコトさん！劇団「スタジオライフ」から参加の貴公子！　関戸博一さん！大好きな劇団「東京ネジ」から双子姉妹揃っての参加！　佐々木香与子さん・富貴子さん！男らしい男も女らしい女もこの人にかかれば。「花組芝居」より参加！　堀越涼くん！脚本提供？　いえいえ今回は役者で参加です。「キリンバズウカ」の売れっ子作家！　登米裕一くん！演出参加？　いえいえ今回も女優で参加です。売れっ子演出家にして脚本家！　葛木英嬢！「遠ざかるネバーランド」ではウエンディをやっていただきました。小さい身体に圧縮された高濃度エネルギー！　清水那保ちゃん！どこまでも信頼できる同年代の雄。劇団「ゲキバカ」より参加！　石黒圭一郎くん！ ああ、もう名前書いてるだけでワクワクしてきた。日替わり短篇は完全なあて書き。ええ、ええ。この人達出てくれるなら、そりゃもう何本でも書きますよ。 間もなく誰が何日の出演かも発表しますので、チェックの方よろしくお願いいたします。

  2012.06.03

• 天使のダイアリー、再び。

  情報公開第二弾！僕が脚本を書き、今年の３月に浜離宮朝日ホールで上演された冴木杏奈さん主演の音楽劇『天使のダイアリー』の再演が決定しました！7月の20日、21日の二日間、銀座博品館で行われます。その後、香川、愛知とまわる３都市公演。見逃された方は是非是非！杏奈さんの歌は耳ではなく心に響きます。しかしまぁ、７月はすごいな。『桜の森の満開の下』の初日が13日。空想組曲の短篇集『組曲「回廊」』が19日初日。そして『天使のダイアリー』が20日初日。初日、初日、初日。当然、千秋楽、千秋楽、千秋楽。全部観れるのだろうか。気がついたら僕なしで空想組曲の本番やってたりしないだろうか。天使のダイアリーは再演だし、特に加筆もないのだけど、他二本は現在絶賛執筆中。そして8月9月10月も、なにやらやらせていただくやもしれません。こちらも決まり次第ご報告いたします。どれもこれもどうぞよろしくお願いいたします。どれもこれも一切手は抜きませんので。

  2012.06.01

• 桜の森の満開の下。

  春に引き続き、夏も舞台が連投です。その情報公開第一弾！今年の７月に表参道スパイラルホールで上演される、る・ひまわりプロデュース公演で脚本を担当します！作品は「桜の森の満開の下」言わずと知れた坂口安吾の不朽の名作です。演出は、以前に726公演「坂口安吾・白痴」や、る・ひまわり版「遠ざかるネバーランド」の再演で組ませていただいた北澤秀人さん。キャストも主演の平野良さんはじめ、とっても豪華な役者さんが揃っています。日本随一のニヒリスト作家と思われる坂口安吾。この方の手強さは身に染みて味わっておりますが、再び挑んでみようかと。胸を借りるのではなく、追い抜くつもりで。どうぞご期待くださいませ。舞台の詳細はコチラ！  

  2012.05.24

• ５月半ばまでのあれこれ。

  脚本提供したmielの「ま○る」とか佐藤永典くん主演の「ロミオとハムレットのジュリエット」とか顕史郎さんやこいけけいこ嬢、奥田ワレタ嬢出演のリュカ「天使たち」とか伊勢さん演出の「WORKING!!」とかフミヤくん演出の「PRISMとか、まぁ、いろいろ観た五月でありました。そうはいっても今月は締め切り地獄だったので他はずぅっと仕事してましたが。やっぱり長篇台本の執筆は一度に３本が限界だなぁ。もう１、２本増やしていきたいのだけど、それよりはさっさと集中して一本書き上げた方が楽。合間にお茶もちょこちょこ。次回の組曲出演者を中心に、素敵なケーキとか素敵な焼き肉とか素敵な参鶏湯など食したりしました。サンシャイン水族館にも行きました。「深海のカンパネルラ」が終わったお礼参りも含めて。水族館としては種類も少なめだし、あんまり大きい魚はいないココだけど、子供の頃、一時期だけ保護されたジンベイザメの子供（赤ちゃん？）がいたことがあって、それが未だに記憶に残っています。子供とは言えかなり大きかった。年に数回水族館に通ってると、たまにそういうのあります。保護された珍しい魚とか、繁殖に成功した珍しい魚を一時期だけ展示したりとか。生きているゴブリンシャークが見れたのも衝撃だったな。あれはサンシャインじゃなかったけど。来月には７月公演の「組曲『回廊』」の稽古がはじまります。あんまり情報公開出来てなくてごめんなさい。だけどどうかご期待ください。空想組曲常連の皆様から、初参加の皆様、誰も彼もゾクゾクするほど良い役者です。２年前にやった「組曲『空想』」と同じく変則短篇集の形をとっていますが、もちろん内容は全て違います。短篇書くのってほんと楽しい。いくらでも出て来る。あとはこいつらをどうまとめるか。それを考えるのもまた楽しい。前回同様、日替わり短篇も行います。毎日違う豪華ゲストをお招きして、一日限りの短篇を披露する限定公演。書く量は倍になるけどこれもまた楽しい。大好きな役者さんに合わせて思う存分好き勝手に書かせてもらえるわけですから。はずれはございません。そんなもの作るつもりはございません。どの回でも満足させてみせますのでどうぞお楽しみに。７月は他にも二本の脚本提供が決まっています。どちらも大きな劇場でワクワク。そちらも近々このブログでお知らせしていきますね。どうぞよろしくでっす。

  2012.05.22

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  俳優市場、終了。

  ようやく気がついたのだけど、僕が書かない限りこのブログは更新されないらしい。まったくもって世界には不可解なことが多い。さて、こないだの日曜日。作・演出で関わっていた「俳優市場2012春」が無事に千秋楽を迎えました。初舞台、どころか初演技の役者の卵達と一緒になって作った「おちないリンゴ」ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。娘や息子でもおかしくない子達までおりましたが、稽古場ではきちんと役者として接したつもり。今後、彼彼女等がより厳しい現場にいき、悔しい、恥ずかしい、という感情ときちんと向き合えること。そして近い将来、また一緒に芝居をつくれる日が来ることを願います。心から。

  2012.05.09

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  終演後の役者紹介～古川悦史さん～

  カンパネルラの役者紹介をはじめたと持ったら俳優市場の初日やら千秋楽やらでまた更新出来ない日々が続いてしまった。そちらのキラキラした子達も紹介したいのだけど、まずはカンパである。何しろ終わってから２週間も経っているのだ。本日は古川悦史さん。空想組曲常連の中田顕史郎さんと同い年。以前から舞台はよく拝見させてもらっていて、その都度「温度は低いのにエネルギーが高い」と言う、不思議な質感の芝居にうっとりし、一度は自分の書いた台詞を言ってもらいたいと思っていた。しかし、そうは言っても顕史郎さんと古川さんである。比較的若い役者の多い空想組曲の現場に、演劇界20年選手を二人もお呼びしてよいものかどうか。５秒程悩んで電話をとった。今回の作品にはどうしてもこのお二人が必要だと思ったのだ。人づてに連絡をとり、渋谷の駅前で待ち合わせをし、近くのカフェにて全身全霊で口説かせていただいた。「銀河鉄道の車掌」と「死んでしまった友人の父」の二役を演じて頂きたい、と説明をすると、古川さんはとても興味を示してくださり、それから数日後に出演快諾のお返事をくれた。（後で知ったのだが、古川さんは谷村美月さんが主演をつとめた実写版「銀河鉄道の夜」で車掌さん役を演じたことがあったらしい）稽古場の古川さんは実に誠実な役者さんで、普段慣れていないはずのがっつりファンタジーな演技から、日常会話劇まで、本当に細かい演出にも丁寧に応えてくれた。ベテランの味、というのがこれほど似合う役者さんもそうそういないのではなかろうか。（ちなみに顕史郎さんは同年代の役者さんがいるのが嬉しいらしく、古川さんのシーンを見ている時は終始ご機嫌だった）打ち上げの席で「また君の作る舞台に出たい。なるべく早くね」と言ってくれた時は本当に嬉しかった。また是非一緒にやりたい。やらせていただきたい。心からそう思える素敵な役者さんでした。ちなみに５月末にNHKのドラマに出演されます。オウム真理教を扱った、なかなかに尖った内容らしく、なんと古川さんはあの人の役みたいです。よろしければこちらも是非ご覧になってくださいませ。写真は終盤の多田くんとの静かな会話のシーン。

  2012.05.07

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  終演後の役者紹介～渡邉とかげちゃん～

  本日ご紹介するのは人気劇団クロムモリブデンから客演してくれた『渡邉とかげ』ちゃん。ここ数回、公演ごとに出演いただいているクロムメンバー４人目の使者です。とかげちゃんの芝居を観て早数年、彼女の感情の爆発力にずっと魅かれておりまして。去年のクロムの公演を観に行った際、堪えきれずにその場で出演依頼をさせていただきました。愛くるしい、とは彼女のための言葉。飾り気も虚勢もなく、ありのままの剥き出しの感情を見せてくれる。そんな彼女には『くらげ』という役をあて書きさせてもらいました。「とかげちゃん」に「くらげちゃん」をやっていただくという個人的なオモシロはおいといて、本番中、誰かが本名を呼び間違えてしまうのでは、とひそかにヒヤヒヤしてました。くらげちゃん。お気に入りの登場人物です。感情が読めず、何を考えているか分からない。だけどどこまでもまっすぐな心。そんなくらげちゃんを僕の想像を軽く飛び越えて演じてくれたとかげちゃん。彼女のハートもとびっきり。間違いない。とかげちゃんが何よりも素晴らしいと思ったのは稽古場での居方。自分の役作りに決して妥協をせず、他のシーンの芝居からも常に吸収出来るものを探している。そして、作品に対して本当に愛を持ってくれていることが分かる。稽古場でこれほど心強い役者はいませんでした。賭けてもいい。今後、間違いなく客演殺到な女優さんです。それにつけてもクロムモリブデン。毎度思うことだけど本当に良い役者が揃っている劇団です。今まで出て頂いた方々全員、必ずまたやりたい。心からそう願うのです。

  2012.04.28

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  終演後の役者紹介～多田直人くん～

  本日は「深海のカンパネルラ」で主役の『ジョバンニ／りく』を演じてくれた、演劇集団キャラメルボックスの多田直人くんについて書こうかと。（ちなみに顔合わせの時に「僕は君のことを『直人くん』と呼ぶ」と宣言したのですが、稽古開始三日目にして気恥ずかしくなり、『直人くん』が『多田くん』に変わり、最終的には『ただっち』で落ち着きました）実は多田くんは、５年くらい前からずっと空想組曲に出て欲しいと思っていたのです。今回念願叶ってついに出演してくれることになりました。そんな長年の思いもあって、やってほしいと考えていたことを、これでもかと言わんばかりに全部やっていただきました。遊ぶ多田くん。戦う多田くん。悩む多田くん。残酷な多田くん。キラキラの多田くん。ボロボロの多田くん。多田くん多田くん多田くんでございました。ご覧になった方はお分かりかと思いますが、多田くんが演じたりくという役は体力的にも精神的にも相当しんどいです。走り回って動き回って感情ぐちゃぐちゃにされながらえっらい量の台詞を言わなければならない。水も飲まず、トイレも行かず、暗転なしの舞台で２時間10分出ずっぱり。はけたのはラスト間近の５秒くらい。つまり、どこのシーンの稽古をしていても必ず多田くんはいるわけです。ろくにオフもなければ休憩もない。でもまぁ、やっちゃうわけです。多田直人という役者は。どんどんアイデアを盛り込むし、挑戦的に様々なスタイルを試してくるしで目が離せない。無意識レベルで役を作り上げる天才肌の役者はたくさん見てきましたが、多田くんはきちんと有意識。見え方や表現を工夫できる器用さがあり、客観的な視点で舞台を作れる人。つまりは「ちゃんとうまい役者」なのです。稽古中にも書いたけど、彼に主役をお願いして本当に良かった。客席の最後列から本番を見ながら何度もそう思いました。ホームであるキャラメルボックスでも５月の「無伴奏ソナタ」、７月の「アルジャーノンに花束を」と、大変な主役が続くみたいです。今後ますます目が離せない役者なのです。ただっち。写真はラスト近く。相方の『カンパネルラ／けんじ』と一緒にプラネタリウムを見ているシーン。二人ともほんとキラキラしてました。

  2012.04.27

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  深海からの光。

  「深海のカンパネルラ」は友人の死を扱った作品でした。「友人の死」世の中に掃いて捨てるほどあるありふれたモチーフです。それを扱った映画は山のようにあり、小説や漫画を含めると、間違いなく星の数ほどあるでしょう。しかしながら、去年多くの死に直面し、改めて思ったのは、「ありふれた死など存在しない」ということです。それが友人や親、兄弟、恋人といった近しい人の死でなくても、そこに闇を見てしまう人間は必ずいる。嘆き、捕われ、何故自分がそんな状態になっているかも分からないまま沈んでいく。あるいは都合良く死者を語る。死者の物語を自分につながるものとして構築する。あるいは死者にあり得たかもしれない人生を生きようとする。端から見れば「なんでそこまで」とか「結構な時間が経つのだから」と言えることでも、その闇の深さは当人以外には決して分からない。そこからいつ抜け出せるかなんて当人ですら分からない。「銀河鉄道の夜」を扱った作品も数多くあり、同じ数だけの解釈も存在しますが、決して避けて通れないのは「カンパネルラは死んでいる」という事実です。「実は死んでいない」「全ては夢」という具合に解釈を捩じ曲げることを許されない。少なくとも僕はそう思いました。だから真っ向からこの事実と向き合う物語を描くことにしました。死と向き合う、というのは決して綺麗なことではないと思います。例えば葬式だって、残されたものが生きていくための行為です。全ては生きていくため。それが他人の死を消費することと同義でも、死者を冒涜することであっても仕方がない。日常は流れるのだから。生きている人間はそれを続けていかなければならないのだから。「深海のカンパネルラ」という作品を作るにあたり、執筆中も稽古中も、フカミリクというたった一人の男の子の出す結論をひたすらに考えていました。彼が生きていくためにはどうしたらいいのか。もしかしたら、生きていくことを放棄する方が幸せなのかもしれない。そんなことも考えました。しかし、今回集まってくれた役者さん、スタッフさん、そして宮沢賢治の作品に流れる精神と共に至ったのは、あの結論でした。あれが正しい選択だったのかどうか。彼のあの後の人生に光はあるのか。それは分かりません。僕たちもまだ生きている途中の人間ですから。けれど、作品を作った者として、彼が出した結論には希望があると信じています。ご覧頂いたお客様にも、その希望をほんの少しでも感じていただければ幸いです。

  2012.04.25

• 浮上しました。

  空想組曲VOL.8「深海のカンパネルラ」全公演終了しました！ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。…って、千秋楽から二日も経って書くことではないですね。まったくもって申し訳ありません。稽古の終わりの方から本番中は基本３時間睡眠なもので、芝居が終わった後は泥のように眠るのが常なのです。しかしながら空想組曲は僕の一人ユニットだと言うのに、本番中のブログもあげないとは何とも情けない。これを機会に宣言しとこう。次回からは必ず本番中もアップします。それはそうとしてカンパネルラです。終わってしまったー。いつもよりはちょっとだけ長い公演だったと言うのになんとも寂しい。劇場に行けば素敵な役者さん達、スタッフさん達、そしてお客様に会えるというのは、僕にとっては本当にもう、奇跡のような日々なのです。そこから一気に現実にかえってくる。何度味わっても寂しい。しかしながらファンタジーを通して現実を描こうとしている身からすれば、その寂しさを受け入れて次に進まにゃあいかんわけです。次は７月。のんびりしてはいられません。夏のお仕事も増えそうな気配だし、早々に台本を書き出さねば。しかしまぁ、寂しさを紛らわそうと言う訳ではありませんが、今日からしばらくの間、今回の作品についてや役者さんについて、稽古場でのあれこれなど、カンパネルラ話を長々と書く予定です。まさかブログで作品を補足しよう、などとは思っていませんが、思い入れのある作品なので（まぁ、思い入れのない作品なんてないけど）結構深いことまで語ってしまうやもしれません。作品の裏側なんて聞きたくない、という方はお気をつけくださいませ。基本は劇場で観ていただいたものが全て。ご覧いただき、お気に召したなら幸いです。今後とも空想組曲をよろしくお願いいたします。

  2012.04.24

• バッドおあハッピー。

  いよいよ小屋入りまで秒読み段階。あたりが出ていないシーンは一つもないけど、そう簡単に安定できる作品でもないので、集中力の維持が難しい所。うちにしてはちょっとロングランだしね。あと、今回は劇場に入ってからでないと確認出来ないことがいくつかあるので、そのへんがどうなるか、いろんなケースを想定しておくことも必要。さてさてどうなることか。「深海のカンパネルラ」面白いことは保証します。笑いに来た方は笑っていただきますし、ずしーんときたい方にはずしーんときていただきますが、どちらか片方のみをお好み、という方には向かないかもしれません。楽しいだけの人生もなければ、苦しいだけの人生もない。「渡る世間は鬼ばかり」で泉ピン子さんあたりが言いそうなことですが、僕はこれを一つの真実だと信じているので、空想組曲の作品もその考えに寄るのです。悪い所で終わればバッドエンド。良い所で終わればハッピーエンド。それだけの違いです。でも、バッドエンドだったとしても、それまで起きたハッピーなことはハッピーなままだし、今後ハッピーになれる可能性だってある。「泣いた赤鬼」だって、いつか青鬼と再会できるかもしれない。逆に「シンデレラ」は大変な結婚生活を送るかもしれない。何しろ相手は一目惚れの女を探すために国中巻き込んで大騒ぎするような足フェチ王子ですから。なんだか微妙に脱線してきましたね。まぁ、なんというか、当たり前の話ですが、良くも悪くも人生は続くということです。舞台上の役者達がどう苦しみ、どう生きるのか、劇場にてご覧頂ければと思います。

  2012.04.12

• ぐちゃぐちゃからのキラキラ。

  固定稽古場に入ってからは遠し通しでございます。昨日の通しでは音響も入り、みんなすごい集中力で、ラストシーンでは自然と拍手が起きましたね。こういう瞬間ってたまにある。今までの作品でも何度か体験している、すごいもの作れるかも、な瞬間。ダメ出しすることがたくさんあっても、キャスト全員がキラキラ輝いて見え、一緒に体験した時間を愛せるようなそんな瞬間。ラストシーンでは観ててちょっと泣いてしまった。以前は演出席で泣くなんてどうかと思って、鉛筆を腕に突き刺して必死に泣くの堪えるという、幻術にかかるのを防ぐ忍者みたいなことやってたけど、「作り手側の心が動いてないのに、観客の心を動かそうとするなんておこがましい」と考えるようになってからは、まぁ、いいじゃん泣いても。垂れ流しても。と開き直るようになりました。でも、こういう作品に限って、不安定要素が本当に多い。幕が開くその瞬間まで、果たして観客にどう見えるのか分からない。これって面白いの？　本当に？　きちんと伝えられてる？　そこに是、是、是、と繰り返し、自分を奮い立たせて作っていくのです。「深海のカンパネルラ」どぷどぷ、ぐちゃぐちゃ、だけどキラキラ。そんな作品になってきてます。是非是非ご来場くださいませ。それにしても、何度か通して改めて気づいたけど（遅い）本当に本当に多田直人くん、大変。彼はまぁ、がっつりと主人公・ジョバンニを演じてもらうわけなのです。でまぁ、何が大変かと言うと。まず、絶対トイレに行けません。そしてやることがほんとぅーに盛りだくさん。こういう作品やるのは726に書き下ろした『坂口安吾　白痴』の時以来。あれはあれでイジメか、というくらい主人公を追い詰めた作品でしたが、多分あのとき以上に追い詰め要素が満載。渦のど真ん中で、毎日真摯にぐちゃぐちゃになっていく多田くんを見て、この人にこの役をお願いして本当に良かった、そう思っているほさかなのです。さて、明日も稽古！

  2012.04.09

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  あっちゃんバースディ。

  今日は出演者のあっちゃんこと、篤海くんの誕生日！久々にオーソドックスなサプライズ、女優喧嘩を行いました。川田希嬢と牛水里美嬢が篤海くんの演技に対してダメ出し。その意見の相違から険悪ムードに……という展開でケーキ登場！二人の真ん中で、いつも絶えないあっちゃんの笑顔が凍りついてましたね。同じシーンにでている多田くんは終始ニヤニヤ。顕史郎さんは早々にその場を避難。他のみんなも笑いを堪えるのに必死そうでした。篤海くんは今回空想組曲初参加。「ごくせん」とか「タンブリング」などドラマや映画などでの活動が多く、舞台経験はまだ少ないのですが、相方の多田くんをはじめ、ベテラン役者陣からの的確なアドバイスと本人の頑張りで、ここ数日メキメキと上達しています。空想組曲版「銀河鉄道の夜」全体の流れが見えてきましたが、まだラストシーンの稽古はしてません。はたして最後はどういう光景が見えるのでしょう。台本や大枠のガイドラインを超えた、予想出来ないところに立っていてほしいなぁなどと考えながらドキワクしています。いよいよ小屋入り二週間前。こっからが大詰めです。写真は篤海くんと仕掛人の女優二人。良い笑顔です。

  2012.03.29

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  潜る、潜る。

  今日も深海のカンパネルラ稽古。明日も深海のカンパネルラ稽古です。日に日に確実に面白くなってきています。稽古してるんだから当たり前でしょ、と思われる方がいるかもしれませんが、当たり前じゃないんです。無駄な稽古は一日もないけど、うまくいかない稽古は何日もある。でもでも。ほんと面白くなってきてます。とにかく信頼出来る役者を集めまくったこの作品。レスポンスも早いし、提案されるアイデアも半端ない。我ながらほんとバランスが難しい作品だなぁと思うし、調整しなきゃいけない部分はまだまだ山のようにあるけれど、僕が焦らず、きちんと全体像を把握した上で舵取りができれば必ず面白くなります。脚本も最後まで書ききったことですし（もちろんまだまだ推敲いたしますが）、ようやく睡眠もとれるようになってきたので、ここからは演出家モードにガツッと切り替えてまいります。後悔はさせませぬ！　土日は席が埋まって来ておりますのでどうぞご予約はお早めに！このブログからもご予約できます。写真は演出助手ののぞむー。今回本当に本当に助けられてます。空想組曲で面白い作品を作るのに、もはや欠かせない存在です。

  2012.03.27

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  天使のダイアリー初日。

  本日は浜離宮ホールにて、脚本を担当した「天使のダイアリー」初日でした。「深海のカンパネルラ」と「俳優市場」の稽古と別件の執筆やら打ち合わせやらでスケジュール帳が黒く塗りつぶされていたので全然稽古に顔を出せず、どんな感じになったのかなぁとドキドキしながらの観劇。面白かったです。ええ、面白かったですよ。さすがは葛木英嬢。リーディング要素が強いのに演劇的、という厄介な台本なのに、ひじょーに分かり易く、それでいて余白もきちんと残してくれる演出を施してくださり、内容全部知ってるのに（そりゃそうだ）とても刺激的な体験となりました。そして、冴木杏奈さんの歌声。ほんとにもう、鳥肌。役の感情から、そのまま歌につながるところがもう絶品。僕の後ろの席が親子連れだったのですが、小学生くらいの男の子達が「うた、すげー」と言っていて、思わず頭を撫でてやりたくなりました。お芝居の方も、ほとんど初舞台とは思えない力強さで、川久保拓司さんの王子のような色気、井上尚子さんの可愛らしさと相まって、たった３人で見事に空間を埋めておりました。そして終演後の初日打ち上げの際、杏奈さんが昨日誕生日だった僕に「ハッピーバースデイ」を歌ってくださいました。もうね、泣くかと思った。だってだって世界中に多くのファンを持つ歌姫が、僕だけのために歌ってくださったのですよ？♪ハッピバースディ～……の後に僕の名前を呼んでくれたのですよ？もうちょっと頑張って生きていける。そう思った夜でした。その後、葛木嬢とプロデューサーさん達と軽く飲み。葛木嬢とはかれこれ10年くらいになる長い付き合いだけど、僕の本を彼女に演出してもらったのははじめて。「またやりたいね」なんて話をして盛り上がったのでした。すぐに叶えられるように、売れっ子の彼女に負けないように、がつがつと頑張っていきますよ。写真は楽屋前にて杏奈さんと！　ほんと舞台からおりてもオーラの消えない人なんです。

  2012.03.24

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  エンドレス・バースデイ。

  本日は稽古場で誕生日を祝っていただきました。演劇の稽古場では誕生日サプライズが当たり前になっているので、気を遣われるのが嫌な僕としては毎年この時期の上演や稽古はなんとなく避けてきたのですが、今回ぶち当たってしまいました。「さぁ、何がくるんだろう」と気になって稽古に集中できないのもアレなので、稽古場着くなり「今日僕誕生日なんだよねー」と宣言しました。THE・サプライズ潰し。というわけで、特にドッキリもなく休憩あけでみんながハッピーバースデイ歌ってくれてケーキ登場。「おめでとー！」「いくつになったの？」「抱負は？」ローソク吹き消し美味しくケーキをいただきました。みんなに感謝しつつも派手なイベントになってなくてホッとしました。しかし甘かった。２時間後の休憩あけ。再びハッピーバースデイ。「？」となっているとケーキ登場。「おめでとー！」「いくつになったの？」「抱負は？」デジャヴュにしてはリアル過ぎる既視感。とりあえずローソク吹き消し、ケーキを頂きます。これまた美味しい。まさか二度も祝って頂けるとは。ほんと感謝です。みんなありがとう。しかし、まだ甘かった。１時間後にまたハッピーバースデイ。現れるケーキ。「おめでとー！」「いくつになったの？」「抱負は？」……。…………。………………まさか。１時間後。ハッピーバースデイ。現れるケーキ。「おめでとー！」「いくつになったの？」「抱負は？」………………バカな。そして食事休憩。僕だけ食べに行きませんでした。何故ならお腹いっぱいだったからです。クリームで。スポンジで。数多の果実達で。まさか食事休憩中にまた買ってきたりしないよね？と心配しつつ、それはなかったようでホッ。気合いを入れ直して後半のシーンをあたっていきます。ところが。どこからか聞こえるハッピーバースデイ。………………阿呆な。今、稽古場には本日参加の役者は全員揃っているはず。すると本日はオフのはずの顕史郎さんが満面の笑みで登場。手にはケーキ。しかも二つ。「おめでとう、よう君。いくつになったの？ところで今年の抱負はなんだい？」悲鳴あげるかと思った。「終わらない世界」という言葉が脳裏をよぎった。そんなわけで、このところ栄養不足だった身体にしっかりがっつり糖分が満ち満ちた一日でした。あぁ、ほんと驚いた。稽古場サプライズのパターンは見尽くしたやり尽くしたと思っていた僕ですが、上には上があるものなんですね。今回の作品の方も、上限や限界など決めずにどこまでも攻めよう、挑もうと心に決めた一日でした。ほんと皆様ありがとうございます。素敵な誕生日でした。でも、当分糖分は結構でございます。という駄洒落にて本日のブログを閉めさせていただきます。

  2012.03.23

• 深海の女たち。

  稽古は少しずつですが進んできております。このくらいの時期は動きやらは全然固めず、関係性作りにこだわって進むのが常ですが、今回はややシーンを通しながら流れを見ている感じ。その順番なりバランスなりは考えていかねばなりません。完成度の高い芝居を打ち出してくれる役者さんが多いので、ついつい先に進みたくなってしまうんですけどね。焦らず、じっくり。今日などは小玉嬢と牛水嬢の爆発力のあるシーンを作りながら、本当に今回の女性陣は絶妙なバランスだと改めて思った。組曲には何度も出てくれている川田嬢、小玉嬢、牛水嬢。初参加のとかげちゃんと上田嬢。美しく、かわいらしく、面白く、毒がある。そして誰もが本当に真摯で挑戦的。男性役のイメージの強い銀河鉄道ではありますが、深海のカンパネルラでは女性もがっつり出ております。どんな役かはお楽しみに。役名聞いてもなんのこっちゃ分からないと思うんですけどね。

  2012.03.20

• カンパネルラ、着水。

  空想組曲「深海のカンパネルラ」稽古はじまっております。とっくにはじまっております。俳優市場の稽古もとっくにはじまっております。「天使のダイアリー」など来週初日です。うーん空き時間ないとブログの優先率が下がるなぁ。なんて言い訳。「深海のカンパネルラ」よくもまぁこれだけうまくてすてきなやくしゃさんがあつまってたもんでございます。ガチッとしたとこからフニャッとしたとこまで、五線譜を自在に行き来する、柔らかい音符みたいな多田直人くんを中心に、達者な役者さん、洗練された役者さん、化物みたいな役者さん、伸びしろどこまでもな役者さんが揃っています。なので、いつもに比べて様子見期間がございません。こんな感じ、と言ったら次の瞬間には予想を軽々と越えたもんが見れます。至福。至福だけど大変。なんたって銀河鉄道ですから。宮沢賢治ですから。今までの財産と引き出しでするするとできるようなもの作るわけにはいきません。ぐにゃぐにゃと迷ったり悩んだりしながら、役者さん達にアイデアをもらったりしながら、暗く深い底を覗き込もうとする毎日です。でも、あれですよ。間違いなく面白くなるのですよ。ご期待ください。応えますから。チケットも発売が開始され、初日と千秋楽などはお席が埋まりつつあります。ここ数年は、後半になればなるほどご覧頂けないお客様が出てしまい、心苦しい僕と空想組曲です。コチラから簡単に承れますので、ご予約はどうぞお早めに！

  2012.03.15

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  稽古、稽古、稽古がはじまる。からのラジオ。

  「深海のカンパネルラ」稽古開始まで秒読み！  とか言ってるうちに俳優市場の稽古も開始しました。本日キラキラした「ぼぅい」や「がぁる」達と顔合わせ。今回は初舞台の子達が半分以上。がんばりますよ。客席にきちんとキラキラを届けるために。 自己紹介をしてもらった後は、三日前に完本したばかりの短篇脚本「おちないリンゴ」を渡し、さぁ～っと読み合わせ。  なんとなーく全員の声を聞かせてもらい、イメージが膨らんだ。演出しがいのある作品になりそう。 その後は去年のお仕事の打ち上げに参加。 実際の伯爵邸を料理店に改装したスペイン料理の名店「小笠原伯爵邸」なんともモダン。なんとも豪華。なんとも美味な時間を堪能。今後のお仕事の話も少し。なんとも心躍る内容。まだ企画段階だけど実現させたいなぁ。 まぁ、まずはカンパネルラ。そして俳優市場。とか言ってるうちに天使のダイアリーの稽古も間もなく開始。…ってこっちは戦友・葛木英嬢演出なので割とおまかせなのだけど。先日、天使のダイアリー主演の冴木杏奈さんのラジオ番組「杏奈カフェ?」に葛木嬢とゲスト出演して参りました。 明日４日、お近くのコミュニティFMラジオ局でお聞き頂けますが、インターネットで聞いて頂いた方が音質が良いそうなので、杏奈さんの素敵過ぎる歌声を聞かれたい方はこちらの方が良いかも。↓ ↓◇エフエム世田谷（東京都世田谷区）　　　 日曜　12時～ http://scast.bitmedia.ne.jp/fm834simul/◇エフエム立川（東京都立川市）　　　　　　 日曜　19時～ http://www.simulradio.jp/asx/fm-tachikawa.asxなどなど。大坂、兵庫、広島などの局でも配信しております。天使のダイアリーの脚本の内容や、深海のカンパネルラについてもふれて話しております。 よければ是非。 写真は小笠原伯爵邸。この外観からしてクラクラくる素敵さ！伝わりますかね。

  2012.03.03

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  執筆と観劇と水浸し。

  「深海のカンパネルラ」稽古まで秒読みですね。チラシも出来上がりHPも更新され、あとは稽古していい作品を作るだけ。と言いたいところですがその前に執筆です。上半期に依頼されていた台本はあらかた完成し、朝も夜もカンパネルラな生活。楽しいシーンもきついシーンも書き過ぎては３歩ほどさがって修正する毎日。 やはり「銀河鉄道の夜」が強過ぎる。あの時代にこれを書いた宮沢賢治先生はやはりすごい。しかも、そのすごい宮沢賢治が最後まで完成させられなかった作品でもあるのです。ただモチーフにするだけでは済まされない。そこに流れる哲学と、優しさと厳しさに満ちた精神を少しでも理解した上で、自分にしか出せない答えを見つけなければならない。 ぶるぶる。だけど、ぞくぞく。そしてちょっとわくわく。  執筆と打ち合わせの合間合間で出演者の芝居を観に行ったりしてました。古川悦史さん出演のらくだ工務店「火葬」 小玉久仁子嬢出演のカムヰヤッセン「バックギャモン・プレイヤード」牛水里美嬢出演の温泉ドラゴン「VISION」 やはりと言うか当然と言うか、ほんとぉーに素敵な役者さん達だと言うことを再確認。自分のキャスティングを自画自賛したくなるほど。 この人達に。 一緒に世界を作ってくれるスタッフさん達に。 そして観にきてくれるお客様に。 絶対に損をさせてなるものか。水底に手が届くよう、力の限り潜ってまいります。  写真はカメラマンの守谷美峰さんに撮ってもらった主演のお二人。多田直人くんと篤海（菅野篤海改め）くん。この寒いのに水浸しになっていただきました。 

  2012.02.22

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  「深海のカンパネルラ」イラスト公開！

  毎日やることいっぱい。ちょっと現実逃避したくなるくらいいっぱい。でも全部好きで選んでやってることなので、逃げるなんて勿体ないことはしません。（だったら言うなとか言わないでください）やる。やります。全部やります。かかってこい。 来月からいよいよ稽古が始まる「深海のカンパネルラ」。間もなくチラシが出来上がります。いや、もうこれ相当に良いのですよ。 表面は、東京幻想さんの書き下ろしイラスト！幻想さんは現在「R２５」にて小説家・辻仁成さんとのコラボで連載をされている超売れっ子イラストレーターさん。 「遠ざかるネバーランド」「ドロシーの帰還」に引き続き素晴らしい絵を描いてくださいました。裏面は守谷美峰嬢が撮影してくれた主演二人のお写真！ 守谷嬢とはもう十年来の仲になる、僕が最も信頼するカメラマンさん。（小説「僕らの声の届かない場所」の表紙も彼女に撮っていただきました）二人の天才により出来上がったチラシたるやもう。皆様のお手元に渡るにはもうちょこっとだけ先になりますが、先に表面のイラストだけ「どーん」と公開しちゃいます。イラストに負けないよう絶対に良い舞台にしますので、こちらをご覧になって今からご期待くださいませ。 はい、どーん。 

  2012.02.11

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  プレ・ダイアリー。

  本日は「天使のダイアリー」プレ稽古。冴木杏奈さん、川久保拓司さん、井上尚子さんのキャスト３名様、そして演出の葛木英嬢、脚本の僕、スタッフ陣のみなさまという面子。言ってみれば初読み合わせなわけで、自分の書いた台詞を役者さんの声を通して聞く、と言うのは何度経験してもどきどきいたします。稽古は和やかな雰囲気のまま終了。付き合いの長い葛木嬢ですが、実際に演出している姿を見るのははじめて。これもまた新鮮でした。終止とても落ち着いていて、短く的確な言葉で具体的な演出意図を伝える彼女の姿はどっからどう見てもプロの演出家で、これは役者さんは安心するだろうなぁ。 僕はついつい大きい声になってしまい、役者の誰よりも賑やかになってしまうので、見習うべきことがたくさん。（先日もオーディション合格者の子に、見た目と演出のイメージが違いますね、と言われた僕です）お芝居の方はと言うと、冴木さんは初舞台（役者では）とは思えないほど堂々としていて、これは素敵な天使になるだろうなぁと。本番がとても楽しみになる稽古でした。 しかし「天使のダイアリー」の初日は空想組曲公演の直前。 心の底から舞台を楽しむために、余裕を持ってこちらの準備を進めねば。とか言いつつもう１月も終わり。がんばりませふ。 写真はキャストのみなさま＋葛木嬢。   

  2012.01.30

• 水族たちの館。

  オーディションが終了したということで、江ノ島水族館に行って参りました。いよいよ脚本書かないといけませんからね。なんたって今回は「”深海”のカンパネルラ」。ということは水族館。こうやって書くとものすごく安直な気がしますが……まぁ、いろいろ理由があるのですよ。  行って良かった。 水族の館から脚本に必要な多大なイメージとエネルギーをもらうことができました。 ありがとう、水族たち。  なんだかとっても思わせぶりなブログだな。あんまり長々と書くと、思わせぶっといて実はあんまし考えてないことがバレそうなので写真を載せてお茶を濁すとしましょう。 一緒に行った出演者の川田嬢と二瓶くんとウツボ持ってパシャリ。 

  2012.01.22

• １月ももはや。

  なんとまあ。新年あけて一発目のブログです。一月ももはや終盤だと言うのに。 まったくもう、仮にもプロデュースユニット構えてる人間としてあるまじきことですね。すみません。 年明け早々、執筆＆打ち合わせ。そしてオーディションに明け暮れる毎日をすごしておりました。そして本日、オーディション合格者が決まりましたので、重い腰をあげるきっかけにさせていただきました。今回のオーディションでは前回以上にたくさんのご応募があり、二次ではテキストを使った実技審査、三次では出演者の方々にも何人かお越し頂き、できるだけ空想組曲の普段の稽古に近い形で審査を行いました。悩みに悩み抜き、数名を選抜。 フライヤーが出来るのは来月になりますが、キャストの発表は早ければ今月中に行うことができそうです。 今回もぞくぞくするほど良い役者さん、新鮮な魅力に溢れた役者さん達に集まっていただけたました。どうぞご期待くださいませ。裏切りませんので。きっと。  というわけで、今年の空想組曲は「深海のカンパネルラ」からはじまります。個人の活動としても「天使のダイアリー」の脚本提供や外部の作・演出など同時進行でいろいろ動いております。    2012年もどうぞよろしくお願いいたします。 

  2012.01.21

• 年末ですね。

  気を抜くと年を越しそうである。いやいや、別に気を抜いていた訳ではないのだけど、相変わらず更新率の悪い日記である。合間に何があったかというと、まずは観劇三昧。   黒色綺譚カナリア派「誤／娯楽」クロムモリブデン「節電ボーダートルネード」 キャラメルボックス「流星ワゴン」 こゆび侍「うつくしい世界」などなど。中でも「節電ボーダートルネード」は今年の観劇作品の中で個人的ベストと言える素晴らしいものでした。思わず２回観に行っちゃったしね。  そして、数多の忘年会三昧。 空想組曲忘年会もこっそりやりました。 それらの合間合間に来年のお仕事もがりがりと進めた結果、年末年始が意外と暇になってしまいました。これはおそらく僕の仕事が早いのではなく、仕事の総量が少ないのだと思われる。今年は空想組曲の公演はレッドシアター『ドロシーの帰還』＠赤坂レッドシアターの一本だけ。る・ひまわりプロデュース『遠ざかるネバーランド』＠青山円形劇場への脚本提供。俳優市場2011冬『きよしこの猫』＠笹塚ファクトリーでの作・演出。「ひぐらしのなく頃に×うみねこのなく頃に」LIVE演劇パートの作・演出。ゲームシナリオ５本。映像作品での脚本協力３本。 そして来年上演予定のタンゴ歌手・冴木杏奈さん主演音楽劇「天使のダイアリー」の脚本。  まだまだまだまだ。もっともっともっともっと。来年はさらに嬉しい悲鳴をあげたいものです。 映像プロデューサーのみなさま、ゲームプロデューサーのみなさま、イベントプロデューサーのみなさま、そして演劇プロデューサーのみなさま＆劇団のみなさまどうぞどうぞよろしくお願いします。  来年の空想組曲は４月の『深海のカンパネルラ』からはじまり、７月には変則短篇集第二弾の上演が決まっております。 オーディションもほんとぅーにたぁーくさんの応募をいただき、嬉しい限りです。実技審査は年が明けてからですが今から楽しみ。良い出会いになりますように。 さて、今年もあと一日。最後まで気を抜かないで楽しんでまいります。 

  2011.12.30

• 「深海のカンパネルラ」出演者募集中。

  2012年4月公演　空想組曲vol.8「深海のカンパネルラ」  出演者オーディションも間もなく締切り。 オーディションをやるようになって早３回目。 2009「遠ざかるネバーランド」では４名、2010「ドロシーの帰還」では3名に出演をお願いしました。 選ばせて頂いた方はもちろん、残念ながらご一緒はできなかったけれど、良い出会いとなった方々もたくさんいました。 今まで同様、今回も採用人数は全く決めておりません。今回の作品に出て欲しいと思ったら何人でも採らせていただきます。ここ数年、空想組曲で上演する戯曲は完全にあて書きをしています。ですので「こういう役が似合う人！」という形のオーディションではありません。 『僕の作品で魅力をフルに出してくれそうな人』  基準はこれだけ。 選抜させて頂いた方には、僕が考える「一番似合う、一番魅力をいかせる役所」をあてて書かせていただきます。 ですから年齢も経験一切不問。以前僕のオーディションやワークショップを受けられた方、もしくは僕の作品に出演されたことがある方。みんな揃ってウェルカムです。新鮮な気持ちで見極めさせていただくことをお約束します。  まだ見ぬ（もしくは既に見知った）魅力溢れる（と自分で信じられる）役者の皆様。  今からでも間に合います。どうぞふるってご参加くださいませ！ 

  2011.12.21

• キラキラ役者たち10。

  さて、いよいよ役者紹介最終回でございます。トリを飾るのはBキャスト最年長の東さや香さん。ひっじょーに技術のある女優さんでした。日舞やジャズ、バレエなどもやってるだけあって所作が本当に綺麗だし、どんな相手ともきちんと会話をすることが出来る。こんなこと言うのはアレだけど、僕は尖った演出をする人間ではないので、これだけ安定した人に「さて、どういうお土産を持って帰ってもらおうか」と最初の内は少し悩んだのです。せっかく俳優市場と言う特異な環境下で僕のチームに来てくれたのに、新たな挑戦をさせない、今ある技術だけで芝居を作らせる、というのはちょっと申し訳ないだろう、と。というわけで、さや香さんに対してはこの俳優市場という環境そのものから成長してもらうように誘導することにしました。 役者として語るべき言葉を持ってもらう。その上で自分の芝居を振り返り、足りないものを自覚してもらう。  実際、さや香さんは僕の意図を早い段階で理解してくれたようで（お見通しだったとも言える）、役者ならではの言葉で、他の初舞台の子達をフォローしてくれました。 それだけでなく、後半になるほどにチャレンジ精神が旺盛になってきて「こういうことしてもいいですか？」「私もアレやってみたいんですけど」とどんどんアイデアを持ち込んでくれるようになりました。ある程度経験のある女優というのはどうしても保守的になりがちです。 前のめりで稽古に参加してくれたさや香さんは、共に舞台を作ってくれる役者として、とても頼もしい存在でした。 今度一緒にやれる時には、彼女の予想を２段階くらい飛び越えるとんでもない役をやってもらいたいなぁと思っています。（もちろん持ち味を生かした上で） ピンでの写真がなかったので、僕と来弥くんと一緒に撮った一枚をご紹介。こう見るとなんだか家族写真のようです。いやはや自分の子供の年齢の役者に演出をつける日が来ようとは。 本当にこんな子供がいたら、案外教育パパになっているかもしれません。「絶対にお前を一流の役者にしてやる！」などと息巻いて煙たがられいるような気がしますが。 

  2011.12.13

• キラキラ役者たち９。

  公演が終わった次の日は抜け殻。今回は不思議な感覚。演出家や作家として関わってきたどの公演とも違う。もしかしたら卒業生を見送った後の先生はこんな心境なのかもしれない。打ち上げでもらったみんなのメッセージ入りのアルバムは僕の宝物です。当分は肌身離さず持ち歩いていろんな人に自慢します。うざかったらごめんね。 さて、役者紹介もあと２名。でも、その２名が揃って映ってる写真がなかったので小分けで。Aキャストで長女のアスカ姉ちゃんを演じてくれた三谷有希さん。今回稽古中に一番話したのがこの人かもしれない。 たまたま観に行く芝居がいっしょだったりで、相当いろんなことを話しました。稽古場では年下の役者達の面倒を熱心に見てくれていたユキ姉。しかし自分の演技に対しては、殻を破った芝居ができないことに随分と悩んでいました。けれど最後まで妥協せず、とても挑戦的な姿勢で舞台に望んでくれていたので、演出家としてはがっつり信頼しておりましたよ。来年一月には数少ない作・演出家の友人である上野友之くん主宰のTOKYO PLAYERS COLECTIONの舞台に出演が決まってるとのこと。きっと彼なら新たなユキ姉の魅力を引き出してくれるだろう、と今から興味深々なのです。 写真は右からユキ姉、羽乃ちゃん、美優ちゃん。 僕は自分の作品では滅多に泣かないんですが、ラスト近く、舞台の上で彼女達３人が見せた愛情深い演技には、思わずうるっとさせられました。 

  2011.12.12

• 俳優市場終演、そしてキラキラ役者たち８。

  俳優市場2011冬、無事に終演致しました。こういう機会を与えてくださったプロデューサーの皆様、多大なお力添えをしてくださったスタッフの皆様、稽古場からサポートしてくださった学生の皆様、そして寒い中劇場まで観に来てくださったお客様、本当に本当にありがとうございました。心から感謝しています。 そして出演者のみんな。本当によく頑張ったね。役者に対して頑張ったね、なんて言うのは失礼かもしれないけど、でも、他に言葉が見つからない。一人も欠けることなくよく頑張ったと思うのです。稽古場で甘やかしたつもりはありません。型にはめたり、早い段階で動きや台詞のトーンを指定することもできたけど、「舞台で生きる」というとっても基本的なこと、そしてその何ものにも代え難い楽しさを知って欲しかったので、ひたすら「会話をすること」に重きを置いて稽古をしてきました。相手の声が変われば自分の声も変わる。日常当たり前にできていることが、演技となるとものすごく難しい。思い返すとダメ出しの80％くらいは「もっと相手の台詞を聞いて」と「エネルギーが足りない」だった気がします。 うまくできずに稽古場で泣く子もいました。（当然僕は慰めなかったわけですが） しかし、そういった過程を経て演出家、役者として信頼し合える関係になれたと思っています。 みんな、本当に本当にお疲れ様。 さて、公演は終わってしまいましたが、役者紹介は続けたいと思います。 前川伶早ちゃんと綾瀬羽乃ちゃん。Wキャストで、みどりちゃんを演じてくれた二人です。 「みどりちゃん」というのは空想組曲vol.3「小さなお茶会。」で初めて登場させ、その後、vol.4「僕らの声の届かない場所」にも連続出場し、僕の処女小説にも現れる、という個人的にとても思い入れのあるキャラクターなのです。厳密に毎回同じ設定ではないのですが、「誰からも愛される女の子」というキャラクターを描く時には、願掛けのつもりでこの名前にしています。 …なんてことはこの二人には説明していませんが、二人ともきちんと愛される人物として舞台で生きれたと思っています。なんと二人とも初舞台（初演技）。 末恐ろしい娘たちです。ちなみに伶早ちゃんは、うちのチームで一番最初に一皮剥けた女優です。かなり厳しいダメ出しをした翌週、見違えるほどに成長して現れた時の驚きは今でも忘れられません。羽乃ちゃんも、実に豊かな感性の持ち主で、相手の言葉をきちんと受け取れる女優です。 この二人にみどりちゃんを任せて、本当に良かった。またどこかの劇場で会いたい、本気でそう思える役者たちなのです。

  2011.12.11

• 初日終了。そしてキラキラ役者たち７。

  俳優市場2011冬、ABキャスト共に初日が無事にあけました。もはや「演出家」と言うより「親」のような心境で舞台を見ることになるんだろうな…という予想を覆し、「観客」として舞台を楽しんでいる自分がいました。初日の幕が開いてしまえば、演出家の仕事などほとんどありません。もちろん微調整（直前の稽古やアドバイスとか）はしたりしますが、それはあくまで稽古でできていたことを思い出させる作業。初日に焦点を置いてやってきたのですから、新たに何かを積み上げる様なことはしません。「稽古でやってきたことに自信を持って舞台の上で楽しんできて。そんでもって、僕は客席で見てるから、楽しませてね」それが最後の演出でした。  そして開幕。今の彼彼女達にしかできない芝居ができあがったと思いました。緊張したりする子もいたけど、それでも舞台の上できちん生きていました。 思わず涙腺が緩みそうになっていて驚いた。 駄目駄目。親じゃないんだ。演出家だぜ。 さて、そんなわけで舞台はじまっておりますが、役者紹介はまだ途中なのです。本日は山崎千裕ちゃんと望月ミキちゃん。Bキャストでユウカちゃんハルカちゃんという姉妹を演じてくれています。 稽古場で何度も壁にぶちあたり、少しずつ溶かすように削るようにして突破してきた二人です。 壁に穴があいた時には本人達もハッキリと自覚が持てたみたいで、舞台上で見違えるほど良い顔するようになりました。 相手のために台詞を言えるようになり、相手の台詞を聞けるようになった。役から滲む我の強さ、互いを拒絶し、それでも受入れようとする優しさ。ああ、この二人は姉妹だなあ。そう思えるようになりました。初日の舞台上。苦しんで掴んだものを思う存分発揮していた二人を見て、涙腺が緩みそうになったのです。 駄目駄目。演出家だぜ。 

  2011.12.08

• 空想組曲vol.8「深海のカンパネルラ」オーディション。

   空想組曲では2012年4月に赤坂レッドシアターにて上演する空想組曲vol.8「深海のカンパネルラ」 の出演者オーディションを開催いたします。 【公演情報】公演日程…2012年4月15日（日）～22日（日）会場…赤坂・レッドシアター 【応募資格】性別・年齢・国籍・演技経験不問。上記公演期間、及び3月の第2週目（予定）から稽古に参加可能な方。 【第一次・書類審査】下記必要事項をご記入の上、写真（全身、バストアップ各一枚。写真ウラに必ず氏名を記入）を同封し、12月26日（月）必着で郵送にてお送りください。書類選考の結果は12月30日（金）までに応募者全員にメールにてお知らせいたします。原則として応募書類は返却いたしません。・参加希望日程　A　or　B　or　どちらでも可　（詳細は第二次審査の項目を参照）・氏名、生年月日、年齢、性別、血液型・住所、電話番号、メールアドレス・身長、体重、スリーサイズ・経歴（芸歴含む）・応募動機（今まで観た空想組曲及びほさかようの作品がありましたらその作品名も）＊稽古を予定している3～4月のスケジュールで他公演への出演、決定しているNG日など特記事項がある方は必ずお書きください。 【第二次・実技審査（ワークショップ形式）】実施日程（どちらか一方）A 1月14日（土）　Ｂ 1月15日（日）参加費：2000円都内某スタジオにてワークショップ形式の出演者オーディションを開催します。（時間、会場などの詳細は合格者にのみ通知いたします） 【第三次・最終審査】実施日程　1月19日（木）参加費：なし（時間、会場などの詳細は二次審査合格者にのみ通知いたします） ★応募書類郵送先★〒332-0016埼玉県川口市幸町1-7-1‐504空想組曲　制作部 同時にお手伝いして頂けるスタッフも募集しております。スタッフとして応募頂く方は、上記〆切とは別に随時面接を行っています。ご連絡先、簡単なプロフィールを郵送、もしくはメールにてお送りください。折り返し担当者から面接の日時についてご連絡いたします。 お問い合わせ先：info@k-kumikyoku.com（空想組曲）　　空想組曲ＨＰ： http://www.k-kumikyoku.com 

  2011.12.05

• キラキラ役者たち６。

  師走って。おいおい師走って。ついこの間「ドロシーの帰還」（今年の２月公演）の脚本に追われていたと思ったら今年が終わるだと？　馬鹿な。やはり年齢と共に一年間の体感時間は短くなっているのだろうか。 そう言えば「遠ざかるネバーランド」（去年の２月公演）の脚本に追われていたのもついこの間だった気がする。 週末の稽古で、中島来弥くん（１２歳）や大坂美優ちゃん（１３歳）に確認してみよう。君達の一年間は長かったかと。  さて、本日紹介するのは男子二名。Wキャストの加藤慶亮くん（左）と岩松剛くん（右）。今回の物語『きよしこの猫』は「ある家族がクリスマスをみんなですごす」というそれだけのお話なのですが、この二人は家族以外の役を演じてくれます。そういう役ってバランスがすごく大事。ここがしっかり演じられないと、家族の関係性が見えてこないので。  加藤くんは類い稀なる声量とテンションの持ち主。 いつも稽古場を盛り上げてくれています。所謂ムードメーカーですね。いるだけで他のキャストの表情も明るくなっている気がします。こういうのって真似しようとしてもなかなかできない。下手な技術なんかよりよっぽど素晴らしい才能だと思うのです。  岩松くんはとにかく真面目。「真面目」というのは芸術の世界においてしばしば悪口や嘲りの言葉としてとられることがあるけど、僕はそうは思いません。 真面目だから駄目出しがしっかり聞ける。真面目だから人の芝居から学ぼうと真剣に見稽古ができる。真面目だから人一倍上達しようと努力できる。岩松くんは稽古の後半になってから、他キャスト全員がハッとするくらい一皮剥けた瞬間がありました。それは彼が真面目だからこそ手にできた、何ものにも代え難い瞬間だったと思うのです。  稽古も残す所わずかとなり、二人とも相手の台詞をきちんと受け止めることができるようになってきました。本番の舞台上で相手と会話が出来ること。例えそれが罵声の浴びせ合いであったとしても、精一杯の告白への辛い返答であったとしても、それを全てひっくるめて「楽しい」と思えるようになってほしーなーなんて思ってます。 

  2011.12.01

• キラキラ役者たち５。

  連日制作ごとに追われております。来年の空想組曲は、既に春と夏二公演が決まっているので、準備も倍かかるのですよ。既に夏のキャスティングも動き出しております。（春もまだ全員決まってないと言うのに）キャスティングは手堅く、だけど挑戦的に。 最近の僕は当て書きが基本なので、話の展開の半分はキャスティングにかかってると言っても過言じゃないのです。ああ、もっともっと役者さんと知り合いたい。11月はろくに観劇行けなかったから、俳優市場の公演が終わったら観倒してやる。待ってろ、劇場。 さて、そうは言っても間近の俳優市場の公演に全力を注がねば。本日紹介するのは女子高生コンビ。 長谷川あかりちゃん（左）と安部花映ちゃん（右）。 Wキャストです。あかりちゃんはA。あべちゃんはB。ご覧の通り華のある二人です。 ハッキリ好みを言うと、綺麗な子やかわいい子が、綺麗なところ、可愛いところだけをアピールするのはどうにも苦手な僕です。ですが、この二人はそんなことはありません。 あかりちゃんはとにかく挑戦的な女優。稽古ではいつだってエネルギー満載だし、どんどん面白いアイデアを出して来るセンスも器用さも持ち合わせています。自分の見せ方が分かってる子だなぁ、と思うのです。あべちゃんは感受性が強く、相手役と会話をすること、きちんと相手のエネルギーを受け取ることを大切にできる女優。受け取れなかった時はきちんと自分で気づけるし、しっかり受け取れた時の爆発力はとにかく強い。  この二人のパートも、相手役と相まってA、Bでかなり印象が違います。 稽古も佳境に差し掛かりシーンとしてはかなり仕上がってきてますが、せっかくここまでできるならと、もう一段階上げにかかってます。こういう挑戦的なことができるのも、早い段階で役を理解できていた二人がいたから。週末の最終稽古が今から楽しみなのです。 さて、これで役者紹介もようやく半分終了。組曲の時はいつも途中で終わっちゃうからな……今回は全員やりますよ。意地でも。 

  2011.11.30

• キラキラ役者たち４。

  本日は合同稽古。１話から３話まで続けて通し稽古をしました。２、３話の稽古場に顔を出す時間がなかったので、今日初めて観ました。 役者達も初めての全体通しで、かなり緊張する子もちらほら。でも、やれて良かった。良いも悪いも刺激を、影響を受けなければなりません。チームにとっては１本の芝居を作るという作業でも、観客にとっては３本で一つの公演なのですから。 個人的には全役者・スタッフを揃えての合同ディスカッションでもやりたいくらいなのですが……さすがに60人以上いますからね。 目の届くところは全力で。届かないところは信頼して。 そんな感じで本番に臨みたいと思っております。 さて、本日紹介するのは女子最年少チーム。Aキャストの大坂美優ちゃん（左）とBキャストの荘司里穂ちゃん（右）。女子と言うのはやはり大人になるのが早いのか、二人ともとてもしっかりしています。稽古開始前の僅かな時間や、休憩中の空き時間などを使って、よく相手役と合わせ稽古をしているし、稽古中はダメ出しの意味をきちんと理解し、「じゃあこうやってみます」とすぐに対応出来る。   若い子は吸収力がある、と良く言われますが、そうとは限りません。大人でも吸収力抜群のスポンジタイプの役者がいるように、若かろうが経験がなかろうが何一つ吸い込まないブロックのような子と言うのは意外に多いものです。だからこの二人は若いから、という理由ではなく「吸収力があり、成長が早く、芝居を良いものにしようという意識が高い」 そういう個性をもつ役者なのです。 

  2011.11.27

• キラキラ役者たち３。

  今日って休日だったんですね。毎日が仕事であり毎日が休みでもある僕にとって、カレンダーが赤字かどうかはあんまり関係がないのです。土日徹夜の時もあれば平日３日連続でお茶デートしたりする時もある。悠々自適と言うよりは綱渡りの様な生活リズム。 ちなみに今日はピザ食べ放題なんてサービスをやってるファミレスにこもり、炭水化物摂取に勤しみながら依頼された脚本をカタカタやってたわけです。なかなか空想組曲の新作にとりかかれない。銀河鉄道かきたいよ。早くジョバンニとカンパネルラに会いたい。さて、本日は俳優市場の役者をまた二人紹介。 小堺翔太くんと久保田秀敏くん。 Wキャストです。小堺くんはAキャスト。久保田くんはBキャスト。二人が演じてくれるのは今回の物語のキーキャラクターです。久保田くんは役者以外にもダンスやモデルなどで活躍しています。黙ってりゃ恰好良いのにご覧の通りの変顔好きです。 小堺くんは癒し系。舞台に出るだけで空気を柔らかくさせると言う稀有な才能の持ち主。ちなみに小堺一機さんの息子さんです。先日「踊る！さんま御殿」や「笑っていいとも」にも出演してましたね。 とまあ、二人とも前途有望な若手役者ですが、明確な課題を与えているため、稽古ではかなり厳しく接しています。 演技体の全然違うこの二人。以前紹介した阿部くんと中島くんと同様、基本的につけている演出も異なります。正確には、意識的に自分の持ち味を活かす芝居をするように誘導しています。  持っている武器は最大限に使いながら、持っていないものにも手を伸ばす。 そんな風に心がけられる役者になってくれればいいなぁーなんて思っています。 なんか偉そうですね、すみません。 いつもそうですが、僕は「魔法の言葉」を持っているわけではないので、その役者がうまくなるかどうか、良い役者として一皮むけるかどうかというのは、結局その役者次第だと思っています。演出家が役者に対して出来るのは、方向を示すこと、説明すること、たたくこと、整えること、伸ばすこと（あるものを。ないものは伸ばせない）、待つこと……そんなことくらいじゃないかなぁと思っています。あとはまぁ、敢えて言うなら騙すこととか見せかけることとか。 だから、本番の舞台をご覧になって、彼彼女等のことを「良い役者」だと感じたなら、それはやはり彼彼女等に地力が優れていた、ということなのです。

  2011.11.23

• キラキラ役者たち２。

  さてさて稽古も佳境です。本番３週間前に数回通し稽古をやってる、というのは普段から考えるとかなり良いペースなのですが、実質の稽古回数は本番一週間前と変わらないので、まあまあこんなところでしょう。本日はまた役者から二名紹介したいと思います。はたして本番までに全員紹介出来るのかしら……その答えは限りなく透明に近いグレー。本日はこの二人。 内山由香莉ちゃんと綾部りさちゃん。所属事務所も同じこの二人、狙ったわけではありませんが共にAキャストです。この二人が一番優れていると思うのは、勇気です。……って、なんか少年漫画みたいなこと言いましたね。いやいやしかし、本当にそうなのです。 まずは、演出（つまり僕ね）とのコミュニケーションの取り方に対してそう思うのです。演出なんて、演出家が違えば当然その都度違うもの。前回出た舞台で良いと言われたものが、今度は駄目なんてことはザラにあるわけです。とすると、その都度求められているものを汲み取りつつ、自分のプレゼンテーションをしていくしかない。この二人の女優は、それが実に上手いのです。いや、上手いと言うのとはちょっと違うな。実に真剣なのです。 毎回必ず演出に応えようとアイデアを出して来る。それが駄目と言われたら、なんで駄目なのかを僕の言葉からきちんと理解し、次にはそれをクリアした新たなアイデアを持ち込む。当然彼女達の芝居はやればやるほど面白くなっていく。字面にするとシンプルなことですが、若い役者は自分のアイデアや演技に駄目を出されても、なかなか抜け出せないことが多い。どんなに同じ駄目を出されようが、最後までそのやり方に捕われたまま、１ミリを２ミリに変えたり３ミリに変えたりすることしかできず、１メーターにしてやろう、とか、そもそも単位を変えて１キロにしてやろう、とは思えなかったりするものです。 でも、この二人は駄目と言ったら「ハイ！」と元気よく答え、翌日にはガラリと変えてくる。それは、とても勇気があることだと思うのです。 そして相手役のことを思いやったやりとりができる。会話劇、というか演劇の基本ですが、これも経験が浅いとなかなか難しい。どうしても自分主体の芝居、「私を見てよ！」な芝居になってしまうものです。（もちろんそれを良しとする芝居や演出もあるのですが） 稽古場で彼女達は、傍目に分かるほど互いを高め合える関係になっています。それは、同じ事務所だからとか、年齢が近い、とかそんな簡単な理由ではないのでしょう。芝居を作る、ということにおいて妥協なく真剣な証だと思うのです。

  2011.11.20

• 熟れゆく我々。

  徹夜明けで打ち合わせを立て続けに二本。終わった後、さすがに眠いので帰ろうと思ったら久々の友人から「お茶でもしない？」と誘われた。無睡の疲れた顔で会うのに抵抗がないわけではなかったが、実に５年も会ってなかった友人だし、空いてる時間に茶に誘われて断るのはポリシーに反するので二言返事で了承した。 以前役者を志していた一つ下の男友達だったが、結局一度も一緒にやることはなかった。タイミングがなかったのもあるが、正直、気が合わないとも思っていた。当時から彼は結婚しており、明らかに役者よりも生活の方に重きをおいていたため、当時の僕はその価値観の違いを乗り越えることができなかった。片手間に役者をやっている彼に対し、ついつい苛立ってしまい「もっと死ぬ気でやれよ」などと根性論を持ち出して口喧嘩になることも多々あった。 自分の世界の真ん中におこうとしているものに、軽々しく触られている気がして心底嫌だったのだ。  ただ、そこには、演劇で健全な生活を送れていない、という自分の負い目がなかったとは言えない。そこまで犠牲にしてお前は何を得ている、という非難をされるのではないか。非難されたらどんな言葉を返せばいいのか、そんなしょーもないことを心底恐れていた。おそらくは、彼にも裏返しの思いがあったのだろう。 僕らは本当によく喧嘩をした。  待ち合わせのカフェで会うなり、なんか柔らかくなったねー、と彼に言われたので、おたがいさま、と返した。   お茶は本当に楽しかった。 近況を話しながら思ったのは、互いの「時間」の違いについてだった。 僕が執筆する時間、稽古場で過ごす時間は、どんなにたくさんの役者達と共有していても、結局は自分のためのものだ。だからこそ言い訳がきかない。どんなに気忙しくても折り合いがつけられなくても、それは自分で選んで、好きでやってることだ。 それに対し、彼が仕事場で過ごす時間は家族のものでもある。もちろんそれは喜びでもあるだろうが、辛さにもつながるはずだ。彼は僕とは違い、そういうことをいっぱい知っている人なのだ。   彼が子供の写真を見せてきたので「本郷奏多くんに似ている」と言うと、彼は異様に喜び、お返し（？）に僕の小説の感想を細かいところまで聞かせてくれた。    時間の流れは決して一緒ではなかっただろうが、歳を取った分、相手を受入れる余裕ができた。 それは、ほんの少しだけ成熟した自分達を楽しんでるようでもあった。 歳をとるのはそう悪いことでもない。  

  2011.11.16

• おーふ。そして、おーでぃしょん。

  久々の一日完全OFF。諸々の準備を進めたりしつつ、残った時間はのんびり過ごす。本当は水族館に行きたかったのだけど、生憎の雨で遠出するのが嫌になり、家の近くの喫茶店でコーヒー飲みつつ結局台本のプロットなどを書いてしまう。 さて、ツイッターなどでは既に呟いたのですが、来年４月に赤坂レッドシアターで空想組曲一年ぶりの本公演を予定しています。「不思議の国のアリス」「ヘンゼルとグレーテル」「ピーターパン」「オズの魔法使い」…思えば海外作品しかモチーフにしてこなかったのですが、今回は日本の童話、それも大好きな童話作家、宮沢賢治の作品「銀河鉄道の夜」をモチーフにしたダークファンタジーになる予定です。 既に素晴らしいキャストが半分以上決まっているのですが、新しい出会いも欲しいなーと思っているので、オーディションも開催する予定です。詳細が決まり次第こちらでもお伝えしますね。 どうぞよろしくお願いします。  

  2011.11.14

• キラキラ役者たち。

  おや一週間ぶり。ひと昔前に比べてほんと更新率が下がったものです。今週も週末は俳優市場の稽古。昨日、今日共に抜き稽古スペシャル。がっつりやってるつもりでも、９人ダブルキャストともなるとなかなか見てあげられない子がいたりで申し訳なかったりもします。 でも、やった所は格段に良くなってる。どんなに若くてもちゃんと自分の心を動かすこと、人の心を動かすことができる。と改めて実感。今日などはあるシーンで深くにも稽古場でうるっとしそうになったり。 写真撮る写真撮ると言いつつ、今週も結局なかなか時間が撮れず…でも、かろうじて二人だけおさめることができました。  阿部直生くんと中島来弥くん。 ダブルキャストで同じ役をやってもらってるキラキラメンズです。そう、この二人同じ役なんです。もちろん演技体も役の捉え方も全然違います。阿部くんは若いのにとても器用。「舞台を面白くしよう」という気概溢れる素敵役者です。面倒見も良く、役者ならではのアドバイスやアイデアを出してくれるので、演出としても遠慮なく頼らせてもらってます。  来弥くんはチーム最年少の12歳！ その純粋過ぎる芝居を見ていると、自分が薄汚れた大人であることを痛感し、溜め息すら出る時があります。演出の言葉もきちんと聞ける。簡単な要求ではなくても、懸命に応えようとしてくれる実にまっすぐな精神を持っています。  誰だ、今時の子供は歪んでる、なんて言ったヤツ。  彼等を筆頭に、AキャストBキャストで座組の違いが明確になってきました。 いよいよ稽古も終盤戦。来週も頑張るぞい。 

  2011.11.13

• ドゥルルルルルルル、だーだーだーだん。

  週末はがっつり稽古。がっつりと言っても稽古時間自体は普段より短めなのだけど、Aキャスト、Bキャストと２チームありますからね。詰め込んでやらなきゃならず、あんまりボーッとしてる時間がなく、ブドウ糖と栄養ドリンクが必須です。演助をよくやってた時代は時間割に相当気を遣ってたので、ついつい時計を気にしちゃう。 限られた時間。妥協せずに作るためには大事に使わないと。  通し稽古中、適当に音楽かけさせてもらったんだけど、何かの手違いで「渡る世間は鬼ばかり」のテーマ曲を流してしまい、終わった後に全力で謝りました。改めてあの曲の破壊力に驚きました。世界観を全て崩壊させるあのパワー。どんな修羅場がはじまったんだと思った。途中は割と落ち着いた感じなのに、なんではじまりだけベートーベンの「運命」並に衝撃的なんだ。  ドゥルルルルルルル　だーだーだーだん！  まあ、PCにあの曲をダウンロードしていた僕が悪い。遥かなる昔、あの曲を芝居で使ってしまった僕が全て悪いのだ。   ところで稽古場の写真を撮ろう、といつも思うのだけど、充電しながらじゃないと写真が撮れないポンコツ携帯のせいで結局一枚も撮れていない。 まあ、それも携帯を買い替えるタイミングを逃し続ける僕が悪い。「撮らなきゃ」と思っても「もうちょっとあとでいいや」と思い直し、結局終了時間ギリギリまで稽古してしまい、慌てて帰りの準備をすることになる僕が全て悪いのだ。 今週こそは。キラキラした役者達の姿を楽しみにしててくださいませ。 

  2011.11.07

• カタカタカタカタ。

  今週は毎日絶賛執筆中。ファミレスで愛用のMacBookProをカタカタカタカタ叩きまくってます。 今週はろくに芝居も観に行けません。ごめんね。 今年の戯曲・シナリオの執筆総量は過去最高。（戯曲だけなら長篇４本＋短篇２本の去年が最高記録） 慣れなのかなんなのか、このところ執筆スピードが上がってる気がする。昔は「枯れないように」って出し惜しみした時期もあったけど、「千年早い」と気づいてからはとっととストックは消費するようにしてます。全力でしぼり尽くして、ようやくお金をとってお見せできるものになる。（と思ってます）余裕なんてない。 今年もあと２ヶ月。 来年の予定も続々決まってきたので、ラストスパートかけていきます。  カタカタカタカタ。  

  2011.11.03

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