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テーマ:ニュース(100222)
カテゴリ:ニュース
先日行われた原子力安全・保安院の会見は原発事故の深刻さを裏打ちする内容だった。事故発生当初から執拗に尺度を「レベル5」と位置づけて来た東電であっ たが、一ヶ月が経った現在になって漸く事故の評価を「レベル7」とした事で、危機管理意識の未熟さがまたしても露呈する形となった。 原発大国フランスでは、既に事故発生の数日後には、レベル6、或いは7と言う厳しい見解を示しており、日本と諸外国との間に大きな温度差があることを示す格好となっている。 様々な情報が錯綜し、確実なデータが揃わない中での過大評価は、更なる混乱を招く結果になるとしても、「木を見て森を見ず」とも取れるような東電・保安院・政府の対応が国民に不信感を抱かせる要因となっている事は確かである。 今回のレベル7については、わたしが既に過去の記事で触れているように、自分の中では想定内だったので、それほどの驚きを抱く事はなかったが、原発の地元に暮らす人々にとってみれば、青天の霹靂だっただろう。 これまでに拡散された放射性物質の量が63万テラベクレルと言う途方もない数字になっているが、これは公表された時点での数値であり、原発は現在も深刻な状況にあり日々その数値は増え続けていることを踏まえれば、チェルノブイリを超えるのも時間の問題ではないだろうか。 そしてまたそれに追い討ちを掛けるような問題も発生しており、4号機の使用済み核燃料プールからは400ベクレルの放射性物質が検出され、更には燃料プールの水温も90度まで上昇し、付近の放射線量も毎時84ミリシーベルトと非常に高い。 これは充分な冷却が出来ていない事を裏付けるものであり、次から次へと新たな問題が発生する状況は、まさに綱渡りと言う表現が当てはまる。 ところで、わたしが最も懸念と疑問を抱いている事は、ピットから大量に流れ出ていた汚染水がその後どのようになっているかである。 試行錯誤の上「水ガラス」を使用して漸く高濃度の汚染水の流出が止まった訳であるが、ではその止まった汚染水の行方が明確になっていない。 これはわたしだけでなく、おそらく多くの方が疑問に思っている事ではないだろうか。証拠がないため憶測の域を出ないが、止まった汚染水はその後行き場を失い、おそらくそこら中の地下に染み込んでいるのではないだろうか。 その汚染水が地下を通して海底のある部分から流れ出ている可能性、或いは、河川に流れ出ているとも考えられる。これらの汚染水に対する東電からの説明は今の所明らかにされていない。実に不気味な話しである。 直ちに影響は出ないものの、これから数年経った未来、ある所の井戸水から高濃度の放射性物質が検出されたり、水道水にもじわじわと影響が出て取水制限が東 北・関東など広範囲に及ぶ可能性は否定できない。福島県内の土壌や植物からは「ストロンチウム」と言う新たな放射性物質が検出されているし、今後の展開に よっては、予測を遥かに超えた更なる大事故に発展する可能性も含んでいる。 そしてついには「レベル8」という人類最大の危機が日本はおろか世界中に拡散して行くのかも知れない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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