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テーマ:ニュース(99895)
カテゴリ:ニュース
牛や豚、鶏肉などは必ず加熱処理して食べるのが一般常識となっている。とかくウイルスや菌といった眼に見えないものに対しては、過激過ぎるほど敏感に反応し、部屋中に除菌スプレーを撒き散らす現代人の免疫力は低下する一方である。 さて、前置きはこの位にして本題に入ろう。数日前に起こった焼肉チェーン店「焼肉酒家えびす」が客に提供した生肉「ユッケ」による集団食中毒問題が日本各地に波及し、「生肉」を巡る議論が活発化している。 カイワレ大根で一躍脚光を浴びたO-157(腸管出血性大腸菌)で、その恐さを思い知らされていたが、今回の主役はその親戚であるO-111であった。 現在報告されている患者は死者4人を含め、計104人に上っている。運営する「フーズ・フォーラス」社は北陸に拠点を置きつつ、全国にチェーン店を展開し 日本一の焼肉店を目指すと豪語していた堪坂康弘社長の土下座や謝罪会見が逆切れなどと批判を浴びているが、その点にだけスポットが当たってしまうのは、批 判好きな(わたしも含め)日本人の悲しい習性である。 数年前、大企業による食品偽装が大問題になり、2006~2007年は様々な食品会社の企業モラルが問われた時代であった。 雪印グループの乳製品による食中毒や牛肉偽装事件で「雪印」という伝統あるブランドが傷つき、そしてまた洋菓子の老舗である不二家が起こした消費期限切れ や賞味期限切れの問題では、このブログでも取り上げ、その時の記事タイトル「閉店ガラガラ、ペコちゃん謝る」がアップした動画とともに読者に大うけしたこ とを思い出す。気になる方は2007年2月の記事を参照して頂きたい。 人間は優れた学習機能を持っているにも関わらず、過去の教訓を全く活かし切っていない。わたしから見れば、これは猫の方がよっぽど優秀だと思ってしまう。 捜査段階にある現時点では責任の所在が何処にあるか解明されていないものの、責任の擦り合いが「えびす」と卸売り業者の「大和屋商店」の間で既に始まっているが、諸悪の根源はこれまで曖昧にして来た厚生労働省にあるとわたしは思う。 国全体が「喉元過ぎれば熱さを忘れる」では、これからも同様の過ちは繰り返されるのである。そしてまたこの事件の背景に見えて来るものは加速する価格競争 であり、商品を何処よりも安く提供する裏側に潜む手抜き管理や、サービスの意味を大きく逸脱した経営体質が結果的に企業を弱体化してしまうのである。 安全という言葉に惑わされ、それ故過敏なほど安全を求める人々。本当の落とし穴はあなた自身の心の中に潜んでるのかも知れない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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