永遠の一瞬 第2章
いつまでも心の中に残る光景、それを永遠の一瞬と呼ぶ。「帰り道」初めて彼女と一緒に帰ることになった。お互いにクラブ活動が忙しくて、帰る時間が一緒になることはない。それに僕と彼女では帰る方向も違う。それがなぜ一緒に帰ることになったかというと・・・。「やれやれ、やっと終わったね。」「それじゃ、お先に~!」クラブの都合ですっかり遅くなったある日のこと。薄暗くなったグランドには、夏の名残りを残した陽射しに真っ黒い影が長く伸びている。ふと見ると、彼女が走っている。こんなに遅くまで学校にいることなんてないんだが・・・。僕は時間を忘れて、その片思いの彼女を見ていた。「なに見てるの~、あやしいな~。」「・・・彼女を見ていたんだ。」僕はそっけなく答えた。「好きなんだ~。」・・・それには答えず、僕はその場を去ることにした。「ねえ~、一緒に帰ろうよ~。」「・・・何でお前と一緒に帰らなきゃならないんだ。」「あ~、暗い夜道を女の子一人で帰すんだ~。ひっど~い!」「お前の家とは方向違うだろ。」「幼馴染にひどいおっしゃりようですね~。」「いまさらなんだよ。」「・・・女の子はいろいろあるんだよ。」「・・・・・・」こいつは昔からこうだ。こいつと関ってロクなことがあったためしがない。それにしても・・・えらくタイミングがいいな?「・・・彼女はやめといたほうがいいよ。」「えっ!」振り向いたあいつの目に・・・。いっぱいの涙が・・・。・・・びっくりして、忘れられない思い出。