日本郵政公社、大幅赤字の見込み
大好きな大前研一氏のニュースの視点よりの抜粋です。あの郵政民営化の中味の不合理が公社段階で露出しつつあります。国に守られた民営化に何の意味があるのか、疑問でなりません。また、郵政民営化に反対して、自民党を除名され、今回、同じ法案に賛成し、復党しようとする議員への苦言も書き込まれています。本来、抜粋添付はいけないのでしょうが、長すぎるので・・・事務局さん御免なさい。■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ 日本郵政公社 通期200億円超の赤字見込み ~配達コスト膨らみ~■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■●郵便事業は、民間に対するダンピング。公取に訴えるべき問題 日本郵政公社の2007年3月期決算は、 郵便事業の最終損益が200億円超の実質赤字になる 見通しとなりました。 「開いた口が塞がらない」とは、まさにこのことだと思います。 こんなことが、何事も無かったかのごとく ニュースになること自体、私には不思議でなりません。 なぜなら、このニュースが意味するところは、 小泉前首相が提唱した郵政民営化の施策が全く意味を 成しておらず、官による民業へのダンピング行為が まかり通ってしまっているということになるからです。 06年9月期の郵政公社の決算では、 最終利益ベースで2,377億円の黒字でしたが、 これは郵貯の3092億円で、郵便事業の714億円の赤字を 補填する形になっています。 ※「郵政公社の業績(2006年9月期)」チャートを見る→ http://vil.forcast.jp/c/afrtaasc4eyN6Lae そもそも、小泉前首相が提唱した 郵政民営化の理念に従えば、 3つの事業は独立採算に するべきで、 バラバラの経理にするのが大前提だった はずです。 それなのに、結局このような形で郵政事業の決算を まとめてしまっては、一体何のための郵政民営化だったのか という話になるのではないかと私は思います。 さらに、これは官による民業のダンピング行為を 容認しているのと同じだと私は思います。 (宅配事業)に関して言えば、民間企業である ヤマト運輸や佐川急便も、黒字を出しています。 その民間企業に対して、郵貯で赤字補填をしながら、 低価格で郵便・宅配サービスを提供するということは、 ダンピング以外の何者でもないと私は思います。 ヤマト運輸や佐川急便は、すぐに公正取引委員会に 訴えるべきでしょう。 逆に言えば、こんなニュースが流れるくらいなら、 公取が事態を察して介入してきてもいいのではないか とさえ感じます。 それぞれの事業の独立採算は郵政民営化という政策 そのものの大前提です。 ですから、当たり前の話ですが、 郵便事業単体できちんと収益が見込める価格で、 民間企業とフェアに競うべきです。 そして、万が一、その結果として淘汰されてしまうのならば、 それは仕方のないことだと思います。●憲法改正は最重要事項。改めて総選挙で、民意を問うべき また、郵政民営化問題は、民営化に反対した議員の 自民党への復党問題を引き起こしています。 これもまた、私から言わせれば、 今さら復党問題が浮上すること自体が意味不明なことです。 郵政民営化に反対という意思表示をして選挙民に 選ばれたのですから、引き続き、「反対の意思表示」を 続けるべきなのは当たり前の話です。 民主主義の大前提に立って考えれば、誰でもわかる論理です。 私の個人的な意見を言えば、郵政民営化そのものが まやかしの政策だと思っています。 上手く機能するはずがないとも思ってきました。 国民が小泉前首相のフェイントに騙されたのだという 意見です。 しかし、そうは言っても、解散総選挙の結果、 小泉前首相が選ばれたわけですから、後は選ばれた人たちに 期待するしかありません。 「いや、私は反対したんだから・・・」と小言を言っても 意味がないのです。マジョリティの意見に従うのは、 民主主義の大前提なのですから。 実際問題として、今になって復党という動きが 出てきているのは、安倍政権が重要事項と位置づけている 憲法改正を睨んでいるからでしょう。 憲法改正には3分の2の議員の賛成が必要です。 そして、憲法改正という大事を前にして、 過去の経緯はひとまず横において、1人でも多くの議員を 取り込みたいという気持ちなのでしょう。 そのため、郵政造反組を取り込むために、 院内会派という考え方を適用するも良しという意見も 出てきています。 (※院内会派とは、政党とは異なる集団として、 理念や政策を共有し、国会で活動する議員団体) 確かに、院内会派は1つの方策ではあると思いますが、 私は賛成しません。 なぜなら、憲法改正というのは極めて重大な決議事項 だからです。 重大な決議事項だからこそ、 郵政民営化のときと同じように、解散総選挙を行って、 国民に賛成・反対を問い直すべきだと思います。 前回の解散総選挙は、郵政民営化という部分が争点でした から、その結果を利用して、憲法改正につなげてしまうのは、 民主主義の大前提から考えても、おかしいことだと思います。 郵政公社の決算にしても、復党問題にしても、 民主主義の大前提すら覆すようなおかしな言動が目立って います。 民主主義の大前提に素直に従えば、今回のような問題は おきないのではないでしょうか。 物事をことさら複雑にして煙に巻くのは、 よくないことだと思います。 政治家の方々にも、ぜひシンプルに、そして誠実に、 物事を受け止めて行動してもらいたいと思っています。