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テーマ:コーラス(2686)
カテゴリ:〔表現〕
これまでに表現のテクニックとして、いろいろなコツを書いてきています。今回
は少し理屈っぽくなりますが、それらのコツの持つ意味について考えてみたい と思います。 私たちは普段、会話をとおして他の人と交流をはかっています。ですから、相 手の言葉、つまり相手が「どう言ったか」ということを重視していると感じて います。 しかし、例えば相手が悲しんでいるように感じたと考えてみてください。はっ きりと「悲しい」と言うこともありますが、たとえそのような言葉がなくても 「悲しそうだな」と感じることの方が多いと思います。これはどうしてなので しょうか? 実はある調査によると、人が人を判断するとき、純粋な言葉による判断はわず か7%しかなく、実に93%の部分が言葉以外のこと(非言語的な情報)によっ て判断しているということです。非言語的な情報とは、体の動き(視線、表情、 身振りなど)や声の調子のことなどをさします。 「悲しそうな顔」とか「悲しそうな声」というとき、私たちは非言語的な情報 をもとに判断しているといえるわけです。まったく言葉の意味がわからない外 国の曲を聴いても感情が伝わってくるのは、このような非言語的情報を私たち が受け取っているからにほかなりません。 それに、同じ「悲しい」でも、芝居 がかった悲しみもあれば、抑制された悲しみもあります。哀感、慟哭だってあ ります。私たちは気づかないうちに非言語的メッセージとしてこのような悲し みを使い分け、また感じ取っているわけですね。 ただ、やっかいなのはこのことが発信する側も受信する側もほとんど「無意識 的」に行っているため、どうすれば非言語的メッセージをうまく伝えることが できるか意識しにくいのです。 合唱の場合、非言語的情報として伝えられるのは、声の高低、強弱、速度、明 暗といったことがメインとなり、これに表情、多少の体の動きが加わることに なります。 これまでにお話ししてきている表現のコツは、非言語的メッセージを多少誇張する ことによって、より聴衆に伝わりやすくするための方法だというわけですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 10, 2008 02:31:49 PM
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