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カテゴリ:ぼやき
その昔、結核という病気は不治の病というイメージがあったのだ が、過去の不治の病、治る病気、この病気に対する不安は感じなく なっていた、ただオレのお袋は娘時代に肺腺結核を患い、治療の末 に完治、そしてその60年後、77歳の時に腸の腫瘍の手術、その 腫瘍の真ん中に結核菌があった、体内に僅かに残っていて結核菌が、 体内で息を潜めて生き残っていて、年齢による体力の衰え、抵抗力 の衰え、それに反比例するように結核菌だ暴れだした結果でもあっ た、オレも終戦前、戦後の一時期の食糧難時代に、栄養失調から来 る体力の低下、抵抗力の低下のために、肺腺結核に感染、完治する のに小学校に入学する頃までかかった、不整脈の診察のために、毎 月一度病院で検査、約30年近く続いている、半年に一度、正面と 真横からのレントゲン撮影、その3歳の頃に感染した肺腺結核の影 が残っている、この事を考えた時に結核菌は実にしぶとい、怖い菌 ともいえる。 この結核という病気、深窓の佳人の令嬢が、この病におかされる、 小説やドラマの世界にホンの希にあるが、多くは、貧しい売れない 小説家、女工哀史に見られる過酷な労働条件の下で働く事を与儀な くさせられた人、幼くして女衒に売られた遊郭で働く遊女、この病 気には薄幸、貧困のイメージが付きまとう、過酷な労働条件の下に 於いて、充分に栄養のある食事を摂る事無く、労働力の再生産をす る事無く、厳しい労働を強いられる人々に残酷に忍び寄る悲劇的な 病、現在の過労死のように突発的ではないが、その進行はもう少し 緩やかではあるが、確実に死に近づく病。 最近のテレビのニュース番組で取り上げられていた、貧困ゆえに 重症化する結核、体調に異常を感じながらも、病院へ行くお金の余 裕がない、病院へ行くために休む事が出来ない、病院で結核と診断 されてもここで入院すると仕事はクビになる、入院したくても出来 ない、身体が動かなくなって始めて入院、この間に結核菌は空気感 染をするために、結核菌をばら撒き感染者を増やし、入院した時に はすでに重症結核患者として入院、早期に発見された人よりもはる かに長く結核病棟での治療が必要とされる、また治療の効果が上っ て、無事に退院を迎える、しかし当人は結核病棟への入院中は入院 費も、薬代も治療費も無料だが、退院するとすぐに、再就職の問題、 生活費、退院しても当分の間は投薬治療で経過観察、薬代と定期診 察代は実費負担である、非常に皮肉な事だが当人にとっては結核が 完治して退院できる喜びよりも、退院後の生活、将来に於いての不 安のほうがはるかに大きいという事になる、退院後の投薬治療、薬 代が無いために体内の結核菌の全てがなくなるまで投薬治療を中断、 そうすると体内に残された結核菌は多耐性菌となっているために、 再び結核菌が増えると、薬の効かない結核菌のために次の治療が非 常に長期になる、またその人が咳などによって空気中にばら撒く結 核菌も、多耐性菌のために薬の効かない結核患者を増やす事になる。 結婚して子供が出来た家庭でもご主人が非正規雇用労働者、ギリ ギリの生活費を稼ぐために、2つの仕事を掛け持ち、これが長く続 けば疲労が蓄積、体力の低下、抵抗力の低下、入院をしない、隔離 されていない結核の羅病者の増加、当然のことながら、そいう人達 の感染率も高くなる、それだけではない、家計を助けるために奥さ んも仕事、保育園も、幼稚園も不足、民主党が掲げた子供手当も財 源の確保の見通しが立たない、そんな社会情勢の中で、生活のため に人妻ファッションヘルスで働く主婦も増加している、こういう主 婦も結核の感染率も高くなり、子供やご主人の感染率も高くなる、 管轄は厚生労働省、医療の事は厚生の分野、しかしそうとばかり入 っていられない、貧しさ、貧困、イコール結核、となれば、貧困ゆ えに重症化する結核患者、こうなるとこれは労働の分野ともいえる、 日本国憲法に日本国民は健康で文化的な生活をする権利を有する、 この日本国国家と日本国民との約束事が空々しく響く、現在は憲法 改正の議論は一段落しているが、国会議員はこの憲法の国民との約 束事を実現するための仕事を希望して止まない、オレも現在は人様 の不幸に同情したり、哀れむ立場ではないのは承知しているが、貧 困ゆえに重症化する結核患者、この現実を目の当たりにすると、こ んな国にするために、長年にわたって、税金や社会保険料を支払い 続けてきたわけではない、国、政府、国会議員に対して、大きな怒 りさえ感じるのを禁じえない。 ■「今日の言葉」■ 「 人への不満が生じている時こそ 自分を省みる時である 」 (自然社・平成22年・新生活標語より) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 11, 2010 02:03:56 PM
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