カテゴリ:もう一度観たい・読みたい
「物語の前半、乙一さんは爪を隠してたんですね!」 と、思うくらい出だしはごくごく子供向けに書きました風、冒険小説でした。 やられた。 やっぱり最後の最後、エピローグ最後の文章を読み切るまで 気を抜くことは出来なかったわー。 少年リンツの住む国で富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が多発。 現場に残されたカードには「GODIVA」の文字が。 はたして名探偵ロイズは、怪盗ゴディバをつかまえることができるのか!? (bk1の内容紹介文より) 読んでいる最中、無性にチョコレートが食べたくなるのが玉に瑕!?(笑) ミステリーランドシリーズって、本当に子供が読んで大丈夫な内容なのかって 感想がよくみうけられるんですが、『銃とチョコレート』はどうなのかな。 柊は子供でも(小学校高学年くらいなら)いけるんじゃないかと思いますが。 (麻耶雄嵩さんの『神様ゲーム』よりは絶対大丈夫!安全!なんて思えるのですが…) なので子供がこのまま読みたがるようならその判断に任せてみようと思ってます。 (あ、でも子供に読ませてみようと思ったときは 先ず最初に親である自分自身が目を通しておくことが大事かもしれませんね。) 名探偵ロイズとドゥバイヨル、この二人があまりに乙一さんらしいキャラクターなので すっかりツボに嵌ってしまいました。 『銃とチョコレート』を読んで、懐かしく思い出していたのは 柊自身、夢中で推理小説を読み始めたときのことです。 それはもちろんモーリス・ルブランの「怪盗ルパン」のシリーズ。 薦めてくれたのは推理物好きの母親で 「次のページに挿絵があるな、と思うと怖くてページがめくれないのよ! でも、読みたくて読みたくてついめくってしまうんだよー!」 とかなんとか言われながら本を手渡されたっけ。 タイトルも怖ろしげな『三十棺桶島』でしたね…。確か。 少年リンツと、名探偵ロイズ(&怪盗ゴディバ)という組み合わせも 展開はまったく違うけど柊には『奇巌城』を思わせる雰囲気があって…。 ああ、懐かしいなあ。 ミステリーランドシリーズ、かつて少年少女だった人のために…って こういうことなのかなーと納得しました。 恩田陸さんの『黒と茶の幻想』も再読しました。 物語の舞台となる屋久島、一度でいいから行ってみたいです。 出来れば気の合う仲間と。 “美しい謎”について共に語り合える人たちと。 事件らしい事件は起きず、ただひたすらY島を歩く…というシチュエーションは 『夜のピクニック』の原型ともいえるかも、なんて思いました。 (『黒と茶の幻想』の方がずっとずっと長編ですが☆) 恩田さんはこういう旅の過程を描くのが、過去を炙り出すのがとても上手い。 恩田さんというと代表作は『三月は深き紅の淵を』『光の帝国』『麦の海に沈む果実』 かなあ…と思ってたけど、この『黒と茶の幻想』もそれらに肩を並べるくらい 読み応えのある傑作だ!と改めて思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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