カテゴリ:もう一度観たい・読みたい
北村さんの文章を読んでいると、ささくれた気持ちも沈静化していくから不思議です。 虜になるというのか、こちらから気持ちが迎えに行く感じがする。 『街の灯』に続く「幻の橋」「想夫恋」「玻璃の天」の三篇。 やがて時代が戦争へと確実に傾斜していくのを読者は知っています。 長い夜を迎える前の、最後の残照を眺めているような気持ちにさせられる このシリーズに、初めはなかなか馴染めなかったのですが…。 ここに収録されている三篇を読んでやっとその空気に溶け込んでいけた 気がしています。 改めて『街の灯』を読み返してみたくなりました。 ベッキーさんの過去を知ったから、というのもあるだろうし、 語り手である英子さんの人柄に感情移入していけるようになった、というのも あると思います。 柊が一番印象深いと感じたのは「幻の橋」です。 どのお話も、最後に残る余韻がなんとも言えずいい、です。 思わず目を閉じたくなる。 そんな衝動に駆られます。 資生堂パーラーのミートクロケット、いかにも美味しそうで食べてみたくなりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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