テーマ:映画館で観た映画(8515)
カテゴリ:もう一度観たい・読みたい
出来れば、一歩外に出たら焦げちゃいそうな真夏じゃなくて、 雪の美しい、凍えるような冬に観たい映画でした…。 *映画の公式HPは→こちら 原作はヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの『MORSE』(早川書房)。 原作を読んだ人間からするとかなり内容を省いているように感じられるけど 余分な装飾や説明の一切を省き、この物語の一番核となっている部分だけを 情緒的に描き出したことにはむしろ好感が持てます。 オスカー、エリを演じた主演の二人が怖いくらい詩的です。 吸血鬼を描いた物語なので、血腥く、痛い場面ももちろんあります。 あるけれど、そのすべての行為は吸血鬼という体になってしまったエリが生きていくには 必要な行為で、そういう葛藤や苦しみが全部心のいたみとなって伝わってくる描き方がされています。 生きるって、どういうこと? 孤独ってどういうこと? 12歳の少年が背負うには重すぎる要求だと思うけど、 オスカーはエリのためならそれらを背負う覚悟を決めたのかもしれません…。 ハリウッドでリメイクされるそうですが、スウェーデン版を観ておいてやっぱり良かったです。 こういう繊細さ、独特のざらっとした質感、空気感がリメイクで失われないことを望みます。 主演の二人が持つあどけなさ、それに相反するような残酷さとが 見事なくらい素晴らしい印象を残してくれるので、吸血鬼物がお好きな人には是非お薦めしたい映画です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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