読書日和　～Topo di biblioteca～

伊坂さんならではの会話の妙が冴えていて面白かったです。
受け答えがぴたりぴたりと、心地いいほど嵌ってしまって。

「ああ言えばこう言う！」というような意地の悪さも、ブラックなユーモアも
柊は好きです…。

登場人物のほとんどは殺人を生業とする殺し屋たちだけあって
倫理的に「面白かった！」と言っちゃあいけない気もするんですが☆

惜しむらくは前作にあたる『グラスホッパー』の内容をほとんど忘れちゃっていたことでしょうか。
「あ、この人、前も登場したなあ」ってわかるんですが、どういう活躍を見せたか思い出せない。
伏線に凝る伊坂さんなのできっと細かな台詞一つとっても繋がりがあると思うんですよね…。
ううーん、読み返したくなりました。

王子という中学生…登場するたび、言動の一つ一つに「王子～～～～っ！」と
怒鳴りたくなるような、ふつふつとした怒りが湧いてきちゃいました。
彼のように殺人を犯すまではいかなくとも、同じような理屈をこねくりまわして
周囲の大人や世間を馬鹿にして、同級生を掌握しようとする中学生が
実際いるんじゃないかと柊は思ってます。怖いことだけど。

彼のような人間を窘められる大人が、今どれくらいいるんだろう。
弱い大人でいちゃ駄目だぞ！って言われているような気もしました。

　　

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