カテゴリ:もう一度観たい・読みたい
表題作の「死者のための音楽」、今年一年を締めくくるにふさわしい短編でありました。 最後の一ページ、泣きました。 今年、震災、津波ほか多くの方が亡くなりました。 そのすべての人に、ここに描かれている様な、心やすらかになれる音楽が届いているよう 柊も願ってやみません。 それ以外の短編では 「黄金工場」「鬼物語」「鳥とファフロッキーズ現象について」が好きです。 乙一さん(別名義ではありますが、ついそう呼んでしまいます)らしい 怖さと、残酷さと、せつなさとが三位一体となった短編たちだったと思います。 *単行本の装丁の方が内容にあっている様な気がします~ 本来なら今頃、「今年のベスト本」であったり「ベスト映画」を選んでみるのですが 震災以降、自分でも信じられないくらい読書量がめっきり落ち込み、 とてもじゃないけど読み終えた本が少なすぎて、そこから“ベスト”を選ぶなんて 出来ないなあ…というのが正直な気持ちです。 なんとか気持ちを立て直そうと、本に集中しようとしても 震災以前のようにはのめり込めなくなってしまって。 最近はだいぶ読めるようにもなってきたのですけど。 映画も、気持ちが落ち込まないような、難しいことを考えず観られるような そんな作品ばかり観に行っていたので、やっぱり“ベスト”を選ぶことは難しいかなと。 震災以降県内に在る映画館のほとんどが営業を再開してくれたけど、 2館だけは建物等への被害がひどくてそのままたたまれてしまいました。 寂しいです。 とある映画館に行ったら、映画監督、俳優さん、映画関係者からの応援メッセージが 壁一面に貼りだされているところがあってすごくしんみりした気持ちになったのを思い出します。 震災以前の風景が撮られている映画を観返したら、 なんといったらいいのかわからない、うーん、どんな気持ちになるのかも想像つかない。 来年は、来年こそは災害のない年であって欲しいです。 震災にあって、その日必要な水、食料を得ることだけにあっという間に時間が過ぎてしまう、 そんな生活を約1カ月過ごしてみて、「日常」こそがもっとも自分の望むことだと実感しました。 来年は、明るい話題、笑顔にことかかない一年になってくれますように。 皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。 来年もどうぞよろしくお願い致します。 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)…… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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