テーマ:映画館で観た映画(8513)
カテゴリ:とにかく印象が鮮烈☆
好悪の感情を越えて、圧倒されてしまう。 登場人物たちの抱える絶望に、一緒に呑み込まれてしまいそうになる。 なかなか、映画の世界から現実の世界に戻ってこれない…そんな状態に陥る映画は久しぶり、という気がする。 冒頭が先ず衝撃的で。 ニュースでもなく、ドキュメンタリーでもなく、 フィクションの背景として震災の映像がスクリーンに映し出されたことが先ず衝撃でした。 不意打ちというか。 不愉快であるとか、明確な感情が湧く以前に 理解できない理由で、いきなり肩を突き飛ばされたような痛み。 その行為が受け止められず、感情が無になって呆然としてしまうような感覚に先ず掴まって。 どんなにいい映画であっても、今はまだ震災を物語の背景として 使って欲しくない、と柊は先ず思ってしまいました。 実際に被害にあった場所を撮影に使ったとしても、 また、セットを作りだしたのだとしても、 どちらにしても自分の中に芽生えた違和感が拭えないまま。 震災を、主人公の心象を象徴する映像として選んだのだとしても、 柊の心の中には別の痛みが疼いてきます。 出来れば、震災とは関わらない設定にして欲しかったです。 …ってそのことは別として。 暴力的なシーンや、信じられないような発言に思わず目を伏せてしまいそうになるのですが 主役の二人、住田と茶沢の容赦ないやりとりに惹きこまれて、最後まで目が離せませんでした。 物語の設定、台詞の一つ一つが痛々しいの一語に尽きるのだけど、 最後の場面にはぐっとこみあげてくるものがありました。 未来が見えなくて、不安に押し潰されそうで、 死ぬことを選んでおかしくないような状況にあっても 心の中に希望の灯は、ちゃんとともる。灯れる。 たとえそれが不確かな、夢みたいな想像に過ぎなくても。 一度それを夢見たらまだ生きられる。 そんな瞬間を目撃したような気がします。 それにしても、痛々しすぎる映画だ…。 主演二人の演技は素晴らしかったです。 若いからこそ、体現できる世界観かも。 次にどんな作品を選んで、どんな役を演じてくれるのかすごく期待してしまいます。 *映画の公式HPは→こちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[とにかく印象が鮮烈☆] カテゴリの最新記事
|
|