自分のスタイル
今日は、沖縄本島北部にある大宜味村(おおぎみそん)の喜如嘉(きじょか)という集落で行われた「いぎみてぃぐま」という展覧会に行ってきた。喜如嘉は芭蕉布で有名なところ。いぎみてぃぐま…って一体何語?と思うが、「いぎみ」とはおおぎみ、「てぃぐま」とは手が器用という意味で、工芸、物づくりを拡大解釈して使っているのだそう。焼物、芭蕉布、流木ランプ、漆などなど10名ほどの個性ある作家が作った品々を喜如嘉の公民館で展示していた。夫は無類の焼物好きで、それまでそんなものには興味がなかった私も自然と目が向くようになった。今日は、昨年益子から大宜味にやってきた陶芸家さんの作品が気に入って、沖縄の植物がモチーフとなった染付けのかわいい小皿、うどんやそうめんを盛りたいコバルト釉の穴の開いた皿、薬味をのせたいおそろいの小皿、そばチョコあるいは湯のみ、苔玉を入れたらすてきな絵付けの小さな足つきの鉢と鉢皿など。あと欲しかったものに、土鍋がある。土鍋の蓋には赤絵の小さな天使がついていて、そこから湯気があがるんだって。1合用から4,5人分のご飯が炊けそうな大きな土鍋まであって、注文に応じてつくってくれるんだって。この土鍋が置かれていた小さな火鉢がまたしゃれていた。ぴーすけはこともあろうに、その火を調節するための穴についていた犬の形をした部品?を遊んでいるうちに壊した~!ま、これは親の不注意なんで平謝りだったけれど、その陶芸家さんはうちで使っているものだからと許してくださった…。うちのものやうちのお店のものはしょっちゅう壊すのだが、人様の物を壊すのは初めてのこと。ほんと気をつけないと…。さて、帰りの車の中で夫といろいろ今日見た作品の話をした。そこで私が思ったこと。それは、自分のスタイル…スタイルというとあいまいだけれど、どういうものと暮らしどう日々の暮らしをしたいか、ということをそろそろきちんとしようということだ。すてきな人は、すてきなモノを身につけ、すてきだなあと思う生き方をしている。仕事柄そういうすてきな人とお会いする機会は多いのだけれど、自分を振り返ってみるとどうだろう…たとえば安いからと買った靴を履き、楽だからと1年中同じ歩きやすい革のサンダルでどこでもでかけるということをしている。そろそろそういうのをヤメようと思ったのだ。私たちが作っている雑誌は、ひとの「こだわり」を追っているのだけれど、自分がこだわっていないのに、こだわっている人からほんとうの話をきけっこないよな、と思うのと、なんか、もっともっと毎日をたいせつに暮らしたい、すてきなモノを手に入れたら、それらがちゃんとマッチするくらしをしたい、という欲望がぐんと出てきたのだ。それは何もすごいかっこつけることではないのだけれど私が目指したいのは、当たり前のことを当たり前にやるということ。毎日食べることと身に着けるものを大切にしたいということ。子育ても同じ。本物と触れ合うことをなるべく多くしたいということ。最近、ぴーすけは、サンシンと大太鼓(和太鼓の大きいやつ)が大好きだ。私や夫が絵のサンシンで「トンテンチン」と音をつけて遊んであげていたら、最近なんとその音を真似るようになってきた。まだ日本ごしゃべれないのにね。子どもの能力ってすごい。近いうちに本物のサンシンを買ってあげるねと約束している。サンシンの皮は、本物のヘビの皮のと合成のがあるのだけれど、この場合は本物のヘビの皮のは買わない。サンシンのためにニシキヘビはたくさんすぎるほど殺されちゃっているから。でも、だからといって、3000円ぐらいで買えるすぐ壊れそうなのも買うつもりがない。太鼓も買ってあげたいけど、大きな音を出してもいいところじゃないとたたけないからね。