風の吹くまま　気の向くまま

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全369件 (369件中 101-150件目)

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  『火村英生に捧げる犯罪』有栖川有栖

  本日２冊目の感想文はおなじみの火村準教授＆作家アリスの短編集です。携帯ミステリとも言うべきショートショートが４編。「鸚鵡返し」「殺意と善意の顛末」はトリックというか作者のねらいがすぐわかりましたが「偽りのペア」「殺風景な部屋」はわからなかったな～。短編「長い影」「あるいは四風荘殺人事件」「火村英生に捧げる犯罪」「雷雨の庭で」表題作・・・タイトルの豪華さにくらべて今ひとつかな・・・とも思いました。「あるいは・・」は一度読んだことがあるのでどこかのアンソロジーに入っていると思います。それにしても、安心して読める佳作がそろっていてはずれがない火村シリーズです。興味を持たれた方は↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.11.30

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  『カンナ　飛鳥の光臨』高田崇史

  で、「カンナ」って何？ＱＥＤシリーズとはまた少し毛色の違うシリーズが始まりました。『ＱＥＤ　諏訪の神霊』に出てきた鴨志田翔一くんの、実家のお話です。主人公は弟の甲斐くんです。伊賀忍者の末裔で、家業の神社には、日本の歴史の根幹に関わる社伝があるという・・・歴史の裏、影、語られなかった実像について展開されているのですが、背後で大きな思惑を持った組織がうごめいているらしいところが「歴史アドベンチャー」です。聖徳太子、蘇我氏についてのすごい推理が展開されていますのでお楽しみに。トンデモ系かも？ですが、こういう話は大好きです。興味を持たれた方は↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.11.30

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  『イノセント・ゲリラの祝祭』海堂尊

  田口＆白鳥コンビが久々に出てきました。田口先生は、ついに厚生労働省まで出かけることになります。当然、白鳥にはめられた感がありますがずっと会議してます。今回も濃すぎるキャラクター勢揃いといった感じで医者の世界もそうだけど官僚の世界はもっとすごいですね。白鳥の交友関係もまた興味深いものがあります。白鳥が主張しているエーアイの導入だんだん実現方向に進んでいるようです。また、田口の厚労省通いと同時に別の場所では別の事件(？)が展開しているようで・・・そちらも今後の注目かな？イノセント・ゲリラの祝祭今回は緑ですね。興味を持たれた方はぜひ！↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.11.17

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  『十三番目の陪審員』芦辺拓

  巧妙に仕組まれた「冤罪計画」にはめられた被告を弁護するべく勝ち目のない裁判に挑む森江春策「有罪なら無罪」「無罪なら有罪」真犯人のねらいはいったい？本格ミステリらしく（？）「冤罪計画」というのは「ありえない」のですがそれをも忘れるほどぐいぐいと読ませてくれました。森江春策の活躍もさることながら１２人の名もない陪審員の演じてくれたアクロバットには思わず涙しました。名もない市民の良識をなめるなよ？本当にすっきりしました。来るべき裁判員制度について考えさせられるミステリでもあります。興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。

  2008.11.08

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  『１６歳の教科書』

  ドラゴン桜公式副読本なぜ学び、なにを学ぶのかと副題がついています。７人の特別講師・・・国語・金田一秀穂数学（計算問題）・鍵本聡数学（図形問題）・高濱正伸英語・大西泰斗理科（物理）・竹内薫社会・藤原和博心理・石井裕之なかなか壮観な講師陣ですね。それぞれに、もっと昔に聞いておきたかった～という内容てんこもりです。でも今から読んでもとてもいいです。特に先生方は読みましょう。私は特に、英語が参考になりました。ところで、講師のみなさん方田舎の子どもは外遊びをよくしていると思っていらっしゃるようですが・・・意外とそんなことはなく、ゲームその他、外遊びに関しては似たか寄ったかな気がしますよ。まあ、自然が多いことでは経験は多いかもしれませんが・・・本を読むと、必ず何か心に引っかかるものがあります。最近は、それは今自分が課題にしていることだから引っかかってくるんだろうなあと思っています。参考になった方は↓クリックをよろしくお願いします。（どちらでも）

  2008.11.03

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  『深海のＹｒｒ・下』フランク・シェッツィング

  アメリカの空母インディペンデンスに乗り組んだ科学者たちは、異常行動をした生き物たちに何らかの操作を施した、海にいる知性体の存在を認識する。知性体からのメッセージの解読、科学者たちの分析により謎の発光生物の正体が徐々に明らかになっていく。想像を超える知性体の正体とは。指揮する司令官の思惑、科学者たちの人間関係、激化する知性体の攻撃。科学者たちの運命そして人間たちの運命はいかに？だんだん場面転換がめまぐるしくなってくる書き方が臨場感たっぷりです。科学者たちがみんなで主人公、という感じでそれぞれの役割を果たしていくのがすごいと思うと同時に悲しみもありました。知性体とのコンタクトの場面は読み応えがありました。ハリウッド映画化されるそうですが結末がアメリカにとっては苦いものであるこの作品をねじ曲げてしまいやしないかと心配したりして。一人のヒーローをつくり上げるのではなく科学者たちをしっかり描いてほしいなあ。興味を持たれた方は↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.10.27

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  『深海のＹｒｒ・中』フランク・シェッツィング

  異変の続く海。大量発生したゴカイの運ぶバクテリアによってメタンハイドレートが浸食されとうとう大陸斜面が崩壊未曾有の大津波が北部ヨーロッパ沿岸を壊滅状態に追い込む。さらに、謎の病原体を背負ったカニが、アメリカの大都市を襲う。動き出したアメリカ政府は世界の科学者を招集し、事態の把握と謎の解明に取りかかる。そして、科学者たちは到底信じられないが、信じるしかないという結論を導き出す。そして、インディペンデンスはグリーンランドへ・・・。ドイツの人たちも、アメリカ大統領とその側近たちのことをこんなふうに思っているんだ～と、別の部分で感心していました。結局そこが動くしかないとは思うけれど、アメリカの「正義」と「悪」とか神の国とか（いつかどこかで聞いたようなフレーズだわ）「超ムカツク～ってカンジ～」もし他の生き物に「知性」があるとしても人と同じような感覚であると思ってはいけないということをしきりに言っています。アナワクという人物のアイデンティティ、考え方がもしかしたら今後何かに影響してくるのかなあと考えています。深海のYrr（中）興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。

  2008.10.21

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  『深海のＹｒｒ・上』フランク・シェッツィング

  文庫本３分冊、一冊がかなりの厚み。これは時間がかかるなあ～と思ったので、上巻を読み終えたところで書きます。ノルウェーの深海底に、メタン氷を食べる？大量のゴカイが発生。世界各地の海岸で、猛毒クラゲの被害。カナダの海で、クジラが人の乗った船を攻撃する。大量の貝が、短時間に船にとりつき航行不能に。頻発する船の事故。フランスでは、ロブスターから謎の病原体が発生。そして、靄のような発光体。海で何かが起きている。上巻ではまだまだ輪郭がぼやけた状態で解明はこれからですが分厚さにも関わらず、読めてしまいます。専門用語もありますがさりげなく簡単に説明してくれる人がいるので勉強になります。ノルウェーとかカナダとか、あまり翻訳ものではなじみのない国が舞台になっていて海底油田のこととかメタンハイドレートとか先住民の話とか、興味深く読んでいます。でもやはり最後にはアメリカが動くようです。日本も話の中によく出てきます。ドイツの小説、というのも初めてかな？深海のYrr（上）それにしても、クジラが海上にそそりたち船の上にのしかかってくる・・・想像するだに恐ろしい・・・宇宙と同じくらい謎の多い海。この謎の答えを、早く知りたいと思う読者に↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.10.18

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  『千里眼　優しい悪魔』松岡圭祐

  本は正規書店で買って読みましょう。という文がありました。万引きするな！けっこうお気に入りのダビデが登場しています。過去もわかったり、ジェニファー・レインとの関係もわかったりして。日本人にバカにされてしまう島の名前って・・・思い出せない、ううこれはありえないだろう・・・と思いながらもあるのかなあ、と読んでいってクライマックス、大笑いしてしまった。ありえなかったよ実際。美由紀はもう圧倒的に優勢だし（敵なし）あの人たちもけっこう簡単にだまされてしまうところがまた失笑かも。最後に美由紀がダビデと話す場面そんなに簡単に認め合っちゃっていいの？という気もしましたがこれでメフィストはもう出てこなくなるんだね。優しい悪魔でした。美由紀も区切りをつけ、新たな旅立ちをして今度からは新展開のようです。ところで日本に持ち帰っちゃったアレ・・・政府はどうしたんだろう・・・と心配になった読者に↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.10.12

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  『クリスマス・プレゼント』ジェフリー・ディーヴァー

  原題は　Ｔｗｉｓｔｅｄひねりが利いた１６編です。表題作「クリスマス・プレゼント」はリンカーン・ライムのシリーズ。ほのぼのしたクリスマス譚で終わるのかと思っていたらほっとしたあとにいきなりサスペンス・・・一筋縄ではいかないディーヴァーさんでした。ほかにも、こう来たか～！と唸らされる短編揃い。どんでん返しのすっきり感を味わえます。興味を持たれた方は↓クリックをよろしくお願いします。娘しおじいが木曜の夜から発熱でこの土日はゴロゴロしていることが多いのですがしおじいは周囲に絵本やら何やらを持ってきて自分で読んでいます。その姿は母にそっくりです。最近は黙読するようになっています・・・かすかに口が動いてるけど。↓回復してきた今日のしおじい。

  2008.09.28

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  『ＳＴ警視庁科学特捜班　黒の調査ファイル』今野敏

  ＳＴ調査ファイルの最後は、「黒」寡黙な黒崎さんの出番です。科学特捜班と言いつつ、科学的な部分での解明が少ないなあと思っていましたが今回は物理、化学などの高度な専門性が出てきてやはり科学者の集まりだなと。話はＳＴと、ワンクリック詐欺にひっかかって逆襲を考えた男のグループと、中国マフィアの三つ巴？の話となっています。黒、だとロシアの時もそうでしたがマフィアがからんでくるんですねえ。夜の新宿は中国マフィアの天国だそうですがなんだか別の世界のように感じました。でも、マフィア相手でも黒崎さんがいるだけで安心感があるのがよかったです。いつも「黒崎が、『・・・』と言っている」と誰かによる通訳？が必要な黒崎さんですが肉声探しがお楽しみ。興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。

  2008.09.23

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  『陰陽師　瀧夜叉姫』上・下　夢枕獏

  『陰陽師』長編、文春文庫上下巻です。でも、改行だらけなので、速く読めます。セリフで３行以上あるのもありますが地の文が長くても２行。いや～読みやすいことこの上なし。しかし、内容は濃いです。今までにない盛り上がりです。晴明と博雅のほか、蘆屋道満賀茂保憲（黒い猫又の背にのって登場するところが妙にかっこいい♪）浄蔵法師の呪術者がそろうし俵藤太秀郷もいるし平将門の復活をたくらむ輩がいてその黒幕が実は・・・という感じで豪華メンバーで繰り広げられております。菅公が出てくれば申し分なかったですがそこまでは贅沢というもので復活した将門と藤太が切り結んでいるところ「たのしいなあ」という将門がとても切なくなりました。生きているときも死んで後も利用されてしまう将門が哀れでした。興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。

  2008.09.16

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  ＳＴ警視庁科学特捜班『黄の調査ファイル』『緑の調査ファイル』今野敏

  またこのシリーズです。すぐに読めてしまうのではやいです。ですので、２冊一気に。こちらはある新興宗教団体に関わる変死事件。宗教団体というので山吹さんが活躍です。検死官が集団自殺と判断したところに、やはりＳＴが異議を唱え、やがて殺人事件となり。また出たか検死官。ですが、今回は比較的素直に意見を聞いていましたな。誤解と理解不足と疑心暗鬼・・・思慮の浅さ。めぐり巡って犯罪へと結びついてしまうのが何ともやりきれないものです。こちらはクラシックコンサートにまつわる盗難事件と密室殺人事件。「音」ということで翠さんが活躍です。ちょっと翠さんの切なさもにじんでいたかな？数あわせの問題・・・状況を冷静に考えたらうそを言っているのが誰かわかりそうなものですが真相が判明するまで気づかないのでした。菊川と青山くんがクラシックファンで意気投合しているのがミスマッチな光景。『黄』では百合根さんが坐禅体験をしましたがここではクラシックコンサート体験をしています。「音楽」を文字で表現する。読んでいて、その曲を聴いてみたくなるのでした。それにしてもＳＴはいつも結果的に集団行動になってしまうのでぞろぞろと連れ立っていくのを想像してみると笑えますしかも山吹さんと黒崎さんはほとんど描写なし。（動きがないからですが）青山くんは推理担当でいつもトリック説明しないといけなくなってよくしゃべっています。興味をもたれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。

  2008.09.15

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  うれしいハヤカワ文庫の１００冊。

  マニアックな話になりますが・・・待っていました！という感のする「ハヤカワ文庫の１００冊」。思わず小冊子を持ち帰ってしまいましたよ。ハヤカワ文庫といえば、高校時代から２０代まで、ずっとお世話になっていた文庫です。さすがに最近は少なくなりましたが・・・。今回の１００冊、どんなものが入っているのかな～と興味津々。並んだ書名を見るにつけ、「さもあろう」というものがたくさん詰まっていました。でも、読んだことのある本は数えてみたらそんなに多くなくまた読書欲をそそることになったのでした。ちなみに私が読んだことのある「１００冊」は『スタイルズ荘の怪事件』クリスティ『深夜プラス１』ギャビン・ライアル『沈黙の教室』折原一『闇の左手』ル・グィン『百億の昼と千億の夜』光瀬龍『ハイペリオン』ダン・シモンズ『ミステリ・オペラ』山田正紀『夏への扉』ハインライン『猫は殺しをかぎつける』リリアン・Ｊ・ブラウン『予言の守護者』エディングス『夢幻紳士　冒険活劇編』高橋葉介『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス『五人姉妹』菅浩江『闇の公子』タニス・リー『Ｙの悲劇』クイーン他に何があるかは見てのお楽しみ。でもＳＦ，ＦＴ，海外ミステリなどなど、他の文庫１００冊にはないラインナップで充実しています。うれしい「１００冊」です。こんなのもうれしい本好きに↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.09.14

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  『ＳＴ警視庁科学特捜班　赤の調査ファイル』今野敏

  大学病院に搬送された患者が急死。医療ミスを訴えたが民事で敗れた遺族が刑事告訴。ＳＴが捜査をすることになった。大学病院との因縁をもつ赤城の過去、急死の意外な真相も明らかに。医療ミステリです。対人恐怖症の人には、内科医は無理だったのね。ほんとは好かれていたのに、看護師にバカにされていたと思っていた赤城もなんだかかわいいですね。真相がわかったときのある医師の言葉になんだか覚えがありよく考えたら海堂尊のミステリのひとつに出てきた医師の言葉と似ていたな～。不満を持つ医師の中には似たようなことを考える人もいるわけだ。でもこっちの方が悪質。病気をみて人をみないというような体質にいつしかなってしまっている大病院の姿を浮き彫りにしていました。興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。

  2008.09.13

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  『ＳＴ警視庁科学特捜班　青の調査ファイル』今野敏

  ＳＴのプロファイルと文書担当の青山くんが主のミステリです。でも視点は百合根さんです。心霊番組の収録中にスタッフが首を骨折して死亡。検死官によって事故死とされかけるが、ＳＴは納得しない。検死官にライバル意識を持つ桜庭所長の後押しもあり、捜査を始めるが・・・。検死官が事故死と決めつけたものが、次々とＳＴの検証によって覆されていくのですがこのあたりは鑑識の結果によってもわかるのではないかな～と思ったりもして、ちょっと検死官が愚かすぎてないかな？と思ったのでした。犯人がわかるくだりは意外に簡単だったな～。もっと科学的な実証を見せつけての犯人暴露であってほしかったですが心霊現象が入っているので舞台装置的にはよいのかな？次は「赤」このシリーズはまってますがまだまだあるのでしばらく続く読者に↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.09.07

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  『ミッキーマウスの憂鬱』松岡圭祐

  夢の国の裏側では、いやというほどの現実が存在するけれども。でも。というお話です。こんなに詳しく書いちゃっていいの？と思いますが、フィクションです。仕事に希望を持って就くならそこで働く周囲の人たちからやりがいとか心意気というものを学んでほしい。楽しさだけではやっていけないのが仕事で幻滅とか失望とかありはするけれどもそういう中からだってなにかしらの自分の存在意義を見つけだせるはずだと思う。自分の心の持ちようもそうだけれどみんなそんな気持ちで働いていけるといいなあと思いました。登場人物が精神的体力的に追いつめられないので安心して読める「松岡圭祐」ですがやはり読んだあとの爽快感は、変わりません。↓こちらへのクリックもよろしくお願いします。

  2008.09.06

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  『黒いモスクワ　ＳＴ警視庁科学特捜班』今野敏

  ロシアの捜査当局と情報交換のために出張した百合根と赤城。待っていたのは、ロシア正教会で起きたマフィアの爆発死事件だった。さらに、日本人フリーライターも変死し、偶然ロシアに来ていた黒崎と山吹、留守番部隊だった青山と翠、さらには菊川もロシアへ・・・。今回は、上司である三枝管理官が、ロシアにも対抗意識を燃やすところがおもしろかったです。この方もなかなか癖のある人でおもしろいです。今回は黒崎の格闘技術のすごさと、翠の耳と物理知識がものを言っています。ロシアの良心的な警察官の姿や黒崎の技術や精神面をだんだん認めていく指導者の姿にも好感を持ちました。興味を持たれた方は↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.08.28

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  『ST警視庁科学特捜班　毒物殺人』今野敏

  若い男の変死体を調べたら、胃の中に食べた形跡がないのにフグ毒が検出された。つづいて出た同じような変死体。宗教に似た自己啓発セミナーにからみ、人気の女子アナウンサーに危機が迫る・・・STの中では、特に山吹さんが活躍する編です。宗教っぽいからかな？今回、発足したばかりのＳＴを解散させろ、という圧力がかかり百合根警部もちょっとがんばってＳＴの面々に命令したりしていますが少々空回り？がんばれ百合根。でもＳＴは着々と味方を刑事たちの中につくっていっていますね。話の中で「ぎゃふんと言わせる」が何回も出てきて出てくるたびに可笑しかったです。シリーズものは途中から読むというのがあまりできず読むなら一番最初の話から読まないと気が済まない読者に↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.08.24

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  『空の中』有川浩

  謎の航空事故が相次ぎ、その原因を探ろうと事故空域に飛んだ自衛官と調査員は、謎の生物を発見する。同じ頃、事故で父親を失った高校生とその幼なじみも、高知の海岸で謎の生物を発見する。その生物がもたらした危機と、生物をめぐる人間たちの思惑。脳天気（に見える）会社員の、卓越した交渉術・対話能力が感心させられます。時間はかかるけれど、その時間を惜しんだら、相互理解・歩み寄りはやはりあり得ないね。解説の新井素子さんは幼なじみ二人を「痛い」と言っていますがもう一人の少女もそんな感じでこの人たちの場面ではほんとに痛々しいなあ、と感じました。そういう子たちに本当に必要な言葉を投げかけることができてしまうおじいさんの存在がまたすばらしいというかこの人が話し出すとなんだかホッとしました。そういう大人になりたいなあ。間違えてしまった人は、なかなか修正できずにずっと間違い続けてしまう・・・素直に認めることができるためにはどんな過程やどんな言葉が必要なのか。ハッピーエンドでよかったです。（ノベル）空の中／有川浩↑これは単行本ですが文庫でも出ています。興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。

  2008.08.23

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  『不安な童話』恩田陸

  ２５年前に殺された女性画家の生まれ変わりと告げられ、その死の謎を探る手助けをする羽目になった万由子。人の記憶をふっとかいま見てしまう彼女が最後に知る真実とは。どうしてここでそのことを詳しく語っているんだろうと思っていたことが最後に来て、「ああそうだったのかぁ」と腑に落ちる展開でその伏線のはり方が秀逸です。恩田さんの作品なので（？）ちょっとした不思議現象も読者にはすんなりと受け入れられてしまうでしょう。万由子が秘書として勤める大学教授浦田泰山先生のキャラクターが「不安」を描いているなかで、安心感をあたえています。興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。

  2008.08.19

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  『脳のからくり』茂木健一郎・竹内薫

  科学者が研究を突き進めていくと、だんだん哲学が出てくるような気がしています。「脳」や「意識」について考えることは、もはや非科学的ではなく、科学のひとつとなってきていますね。そして、より哲学的になってきます。この本を読んでいる途中に、昨日の日記に書いた瀬名秀明『デカルトの密室』を読んでまたこの本に戻ったとき共通するものがあるなあと気づきました。デカルトの哲学と、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』は科学者がよく引用するもののようです。いわば必読書ですね。脳の目的は、「学習すること」である。脳の仕事は、「創る」ことである。脳は、情報を取り入れたときにいったんバラバラに分解し、再構成し直して、世界を創る。（詳しいことはお読みください）そういう脳が、本来の仕事を奪われ、「情報を注入され続ける」だけになってしまっている。そのことが、きっと私たちが見聞きしている、さまざまな問題をもたらす一因となっているのではないか。そんなことを考えました。あっ竹内さんの文章はとても気楽に読めますのでご安心を。興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。

  2008.08.18

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  『デカルトの密室』瀬名秀明

  ロボットやコンピュータは、どこまで人間に近づけるのか？人間性・・・より人間的であるとは、どういうことをいうのか？デカルトの哲学についての問答は、？？？でしたが『指輪物語』の引用はわかりやすくてホッとしました。ＡＩの人間性について考えながら、（これについては定義しない方がよさそう？）自分で決めた原則（ｒｉｇｈｔ　ｒｕｌｅ・・・正しいルール）を、守り続けること。意志（ｗｉｌｌ）の意味。自由ということ。物語を語るということ。この辺を訴えかけているところは、成長物語ですね。「ｒｉｇｈｔ」の英単語を見て、そういえば「権利」というのは「ｒｉｇｈｔｓ」複数形（ということは、数えられるもの＝数が決まっているもの）であることと「正しい」の意味が入っているんだったよなあ、言葉の意味をよく知っておかないとなぁと全然関係ないことを思い出していた先生に↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.08.17

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  『ST　警視庁科学特捜班』今野敏

  赤、青、黒、みどり、黄（山吹）と言ったらスーパー戦隊ヒーローですね。でもちゃんとした警察ものです。異能の５人が集まった、警視庁科学特捜班の活躍を描いたミステリです。これはそのシリーズ第一作。もう何冊も出ているんですね。キャラクターが立ちすぎている５人をなんとか仕切っていこうとする、ちょっと気弱な普通の人の百合根警部が右往左往するところがおもしろいです。はじめはSTを厄介者と思っていた刑事たちの認識が変化していくところもなかなか見ものです。今回は青の人のプロファイルが中心でしたが、それを逆手に取った犯人の動機、こんなのもアリか～とあきれるやら感心するやら・・・ちゃんと悪の黒幕も存在し、これからの展開が楽しみです。興味を持たれた方は↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.08.14

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  『役にたたない日々』佐野洋子

  この本は、週刊文春で山崎努さんの書評を読んで、手に入れた本です。朝のコーヒーやに朝めしを食いに行ったら、座っていたのが全部女で、全部「ババア」だった・・・。「ババア」なんて臆面もなく書けるのは、そういうお年だからでしょうか・・・さすが佐野洋子さんです。自分の呆けも話の種にしてしまう佐野洋子節につい笑ってしまうのですがだんだんズン・・・と心にのしかかってくるのでした。私がこれを読むのは、まだ早かったのではないかとだんだん思い始めてきました・・・山崎努さんも書評で紹介していたこの文を私も紹介します。「母さん、私しゃ疲れてしまったよ。母さんも九十年生きたら疲れたよね。天国に行きたいね。一緒に行こうか。どこにあるんだろうね。天国は」「あら、わりとそのへんにあるらしいわよ」興味を持たれた方は↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.08.13

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  『木曜組曲』恩田陸

  木曜をはさむ三日間、「うぐいす館」に集まってくる５人の女性たちのお話です。映画にもなったそうですが知らなかったな～。４年前に自殺した小説家・重松時子の周囲に集うのは、ノンフィクションライター流行作家純文学作家編集者出版プロダクション経営者和やかに見えた会話が、次第に４年前の死にまつわる告白へ。限られた場所で、何人かの登場人物の会話中心で話が進む、恩田さん得意の展開です。ちょっと暗い秘密を共有することになる５人ですが、なんだかさわやかさも感じて先が明るそうだなあなんていう気もした終わり方でした。↓こちらはＤＶＤ興味を持たれた方は↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.08.12

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  『妃は船を沈める』有栖川有栖

  ご存じ火村準教授（自ら肩書き変更を言っていました）と作家アリスのシリーズです。話の構成上、この人は最終的にはこうなるだろうな、と思った通りになりました。トリックがメインではなく、犯人の動機という面が強調されていた感じです。有名な「猿の手」というホラー小説（このホラーはすごくよくできてますね）のおもしろい解釈もありました。そういえば我がクラスの３年生、２年生の復習の漢字テストで「船」という漢字が書けてない人が多かったな～と、全然違うことも考えていた先生に↓クリックをよろしくお願いします。ちなみに「船」の誤字、つくりが「ハロ」ではなく「台」と書いたのが多かった。

  2008.08.03

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  『鬱の力』五木寛之・香山リカ

  昭和は「躁の時代」で今は「鬱の時代」に入っている。そう考えることで、この時代をどう生き抜いていくか。「鬱」であることを認めて受け入れてしまえば人も社会ももっと楽になれるのではという気がしました。世界のトップであり続けることのつらさ。相当がんばってきたよね、日本人は。↓こちらもお訪ねください。

  2008.08.01

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  『きみの友だち』重松清

  登場人物には名前がありますが語り手が「きみ」と二人称で語りかけているのが特徴的で中高生がこれを読むときっと自分のことだ、と思えてしまうくらいリアルな子どもたちの姿でした。小学校高学年から中学生のときの感覚がよみがえるような気がします。プライドが高くてなかなか「ごめん」と言えないけどそんな言葉がなくてもなんか通じたのかも、というふわっとした感覚。ちょっときつい言葉が出て友だちの反応が芳しくないと「おこってないから」とか「今のは冗談」とか必死「友だちでしょ」「友だちじゃない」の一言がとても重い感覚はじかれることがこわくて「みんな」の中に入っていると安心する「友だちって何」「みんな」がきらいな恵美ちゃんの言葉がなんだかヒントになるのかな～。すっきりした答えには至らないのだけれど思い出のなかにちょっとした光があるみたいなそんなお話でした。我が子や教え子がもっと大きくなって友だちのことで何かあったときに読ませてみたい物語です。↓こちらもお訪ねください

  2008.07.31

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  『ブラック・ペアン１９８８』海堂尊

  桜宮市、東城大学病院を舞台にした、２０年前のドラマ。若い高階先生と藤原婦長をはじめとしておなじみの登場人物が場を盛り上げてくれています。性格が悪かったり権力を使おうとしたり接待受けまくりだったりなかなか一筋縄ではいかないお医者さんたちですが自分の仕事にはプライドを持ちプロフェッショナルとして筋を通そうとしているそんな姿を感じました。暇をぬってしている夏休みの読書です。↓こちらもお訪ねください

  2008.07.29

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  『小説以外』恩田陸

  やはり本読みの方の読書体験て共通するものがあるんだなあ～と共感共感の連続で読みました。アガサ・クリスティの作品は私も読んだ端から忘れてしまう方で例えば『五匹の子豚』という題名をよく思い出すのですがどんな話だったか思い出せない『指輪物語』と『ナルニア国物語』と『ゲド戦記』以外のものを異世界ファンタジイとして認めない、というのにも、共感と同意の嵐。本に関わってのエッセイだと、時事にこだわっていないので古くならないのでいいね。ああもっと本を読みたいと思いました。↓こちらもお訪ねください

  2008.07.28

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  『ハリー・ポッターと死の秘宝』Ｊ．Ｋ．ローリング

  やはり自宅に届いたらそれまで読んでいた本を後回しにしてしまう魔力があったよハリー・ポッター。いろいろ書きたいのですがネタばれになってしまうので自主規制でもこれだけは。私が一番気にかけていたのはハリーでもロンでもハーマイオニーでもなく最後まで誰にも（一人を除く）心を開かなかったあの人のことなのですがほとんど想像していたとおりの事情で作者と気が合うな～とか思いつつ（え？みんな予想してた？）泣けた・・・（完全にそのあたりは主役を喰っていたと思う）とどめは下巻５５７ページに出てきた名前・・・涙なしに読めようか・・・このときはハリーを見直した（あれ？）そしてホグワーツには、あの人の肖像画もしっかり飾られたのだろうな～と思って生前と変わりない口を利いているんだろうな～とか妄想しています。しかしこの物語は児童書の範疇に入れていいのかな？たくさんの人が死ぬし・・・死なせすぎ第１章の「夕食だ」のところなんかちょっとね・・・。（初めて第１巻を読んだ人がもう充分大きくなっているからいいのかな）でも死んだ人がよみがえるなどという愚かしい展開がなくてよかった～（作者が日本人だったらそうしてたかも）↓こちらもお訪ねください

  2008.07.27

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  夏休みの読書はこれでバッチリ？

  本屋で見て５秒もかからずに買おうと決めた本　　楽天から昨日届いた本　　　明日届く予定？どれから読もうかと迷ってしまう活字中毒者に↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.07.22

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  『生き物たちのエレガントな数学』上村文隆

  いろいろ考えながら読んでいるのでまだ途中なのですが・・・自然の中にある不思議な数学をわかりやすく説いています。と言っても計算式とか出てくるとわからなくなりますが「フィボナッチ数列」というものが自然界には常識のようにあるのだなあ、と思って感心しました。自分の植物を見る目が変わりつつあります。木の枝の分かれ方を観察してみたり・・・松ぼっくりを拾って、おしりのほうを見てみたり・・・教室の外に生えている、ひまわりの葉っぱの付き方なんかもじっくり見てみたりして・・・○分の○角形？ひまわりは、種がつくのが楽しみになりました。なっているかな？フィボナッチ数列。生き物たちのエレガントな数学子どもたちにこんな不思議も伝えられたらいいな～。（自分の中でこなれて言葉にするまでには時間がかかりそうだけどね）たまにはこんなものも読んで頭の体操をしている先生に↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.07.06

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  『千里眼の復讐』松岡圭祐

  やはり、友里佐知子以上の凶敵は美由紀の周囲には存在しない。と思える凶悪ぶりでした。さすがです、友里さん。恐いです。でも、必ず最後には、美由紀ちゃんが・・・と信頼を寄せているのである意味安心しつつ（？）この分厚い文庫でも一日で一気に読めてしまいます。地下トンネルに閉じこめられてからがとても長くてひゃ～、いつ出られるんだ～とか二重三重の包囲網にもう胸が締め付けられるほどの緊張感で読んでいました。斧にチェンソーはホラーだしもうじきあかちゃんが産まれそうな妊婦さんがしっかり守られていたのがとてもよかったです。まだ友里佐知子は出てくるようです。クラシックシリーズも小学館文庫版から遠く離れてきているようです。三つ目の千里眼ワールドです。自衛隊をこき使わない美由紀はやっぱりいいな～映画の影響でまだ友里佐知子は黒木瞳～な読者に↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.07.05

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  『ぬしさまへ』畠中恵

  仁吉の話と栄吉の話と松之助の話と若だんな一太郎に降りかかった出来事の話。大きな感動があるわけでもないし淡々と読めてしまうのですがなんだかしみじみとした後にほろ苦さがちょっと残る感じです。ぬしさまへええと、クラシックシリーズだけど「完全新作」というのに引かれて松岡圭祐『千里眼の復讐』を買ったのはいいのですが友里佐知子再登場に恐ろしくて、なかなか本を開けない読者に↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.07.01

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  『ＭＡＺＥ』恩田陸

  アジアの西の果て、白い荒野に立つ「豆腐」（？）その入り口から中に入って、戻ってこなかった人間が数多くいると伝えられている。人々から「存在しない場所」とされている地。その謎を探るべく、４人の人間たちがその地にやってきた。果たして不思議な「豆腐」の正体とは？恩田さん特有の幻想的でこわい雰囲気あふれる作品です。途中で披露される仮説と閉じこめられた状況はかなりこわいものがありました。ここに出てくる恵弥という人物は前に『クレオパトラの夢』という作品で読んだのですが（『ＭＡＺＥ』が先行作品です）おばさん言葉を使っているのでだまされてしまいますがあなどれないので、油断しないように読みましょう。恩田さんファンの方もそうでない方も↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.06.29

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  『クドリャフカの順番』米澤穂信

  『愚者のエンドロール』と一緒に並んでいたのを買ってきたのでシリーズ続いています。待望の文化祭が始まったが、奉太郎たち古典部では、文集を作りすぎるという問題が発生。そして、文化祭まっただ中の校内では、奇妙な盗難事件が相次いだ。古典部は文集を売り切ることができるのか？また、盗難事件の真相は？というわけで、古典部の第３弾です。今回は古典部４名がそれぞれの立場から語ってくれるので、それぞれのキャラクターがさらによくわかっておもしろいです。奉太郎の姉も帰国していて、ちょっとですが重要な手がかりを残してくれます。（すごい姉だよ）今作の高校生は、携帯電話を持っています。『愚者』で持ってなかったのがいつの間に？ちなみに平成１７年（２００５年）初出。時代の流れだね。こんなことにこだわっていた読者に↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.06.26

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  『愚者のエンドロール』米澤穂信

  ここに出てくる高校生は、まだ携帯を持っていないのかな？初出２００２年か。文化祭に出品されるビデオ映画の視聴を頼まれた古典部。その担当の女生徒がリタイヤ。古典部の面々と折木奉太郎は結末を探すことに。どうして千反田えるちゃんが愚者なんだろう？とタロットに詳しくない読者は思いました。「女帝」はさすがです。副題、そういうわけか。と一人で納得。興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。今日は月曜だというのに出張が２つ重なり、一日のものが終わったとたんに次へと移動。急ぎすぎて疲れたゾ。それにしても湿気と気温の高いのは眠くなるね・・・↓こちらもよろしく

  2008.06.23

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  『氷菓』米澤穂信

  姉に勧められて「古典部」に入部した折木奉太郎は、ことあるごとに、日常に起きた謎を解くことになる。そしてそのうちに、古典部の文集「氷菓」に秘められた、３３年前の出来事の謎を解くことに。やっぱり荒れた高校では、ミステリは成り立たないよな～と思った・・・男子高校生というのは、こういう会話をするものなのね？とも思った・・・男性が書いているのだから、確かだよね？それはさておき、殺人とかはないのですがこの謎ときを知りたい～という好奇心を、とてもかき立ててくれるミステリでした。作中、「斗争」を「とうそう」と読めてしまった私今の高校生との間に世代間ギャップを感じてしまったよ・・・興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。

  2008.06.08

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  『ツレがうつになりまして』細川貂々

  今日ではなくしばらく前に読んだのですが自分の本ではなくクラスの保護者の方が最近おちこんでいて心配だという話を保健の先生にしたらこの本を貸してくれました。（そんな大変ではないと思うのですが）旦那さんが鬱病になってからの経過をさらりとマンガにしてくださっていますが内実は泣くことも多かったんだろうなあとも思ったりして私も最近は土日どっぷりと休むと月曜日の朝とか「なんか家にいたいな～」と一瞬思ったりすることもなきにしもあらずでいろいろ考えてしまう年になっちゃってるなあとしみじみし・・・年とってる証拠？鬱病に関して心構えはもしかしたらできたかもしれない興味を持たれた方は↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.06.07

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  『鑑識・米沢の事件簿～幻の女房～』ハセベバクシンオー

  「相棒」シリーズの人気（？）キャラクター、オタクな鑑識課員、米沢が活躍するお話です。サブキャラさんメインの外伝というかスピンオフ作品というのもわりと好きなのだ。これは「相棒・劇場版」から話が続いているので、映画を見ておくと、より楽しめるのだろうとは思いますが、（そうかあの裏でこういう事件もあったのか、みたいな感じで）劇場版はどうせテレビで半年後とか一年後にやるだろうからそっちを楽しみにしています。最近は、ドラマや小説などに出てくるオタク系のキャラクターは主人公達が活躍するための重要なカギを示してくれるなかなかおいしい立場になっていますよね。ぜひオタクのみなさんは、世界平和のために縁の下の力持ちになってください（？）それにしても、「天下り」システムのくだらなさにあきれます。米沢の別れた女房というのはきっとずっとドラマのなかでの「ネタ」になっていくんだろうな、と思いました。「相棒」ファンのみなさんはぜひ、↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.05.31

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  『ヒミコの夏』鯨統一郎

  雑誌記者の永田は、水田の真ん中で、記憶をなくした一人の少女と出会う。植物の感情を感じることができるというその少女は、「ヒミコが日本を滅ぼす」と告げる。「ヒミコ」は新種の米。その謎と、背後に潜む陰謀とは。知る人ぞ知る、「日本農業新聞」に連載されたミステリだそうです。そう言えば昔実家でとっていたなあ、と記憶が。農業新聞というだけあって、異色の題材ですがハラハラドキドキ感もあってなかなか読ませてくれました。米作りは、日本人のアイデンティティ。自給率１００％は、絶対に堅持しないとね。ただでさえ、輸入している小麦とか大豆とかの高騰で日本の食料危機感が高まってきているのでぜひ、米の有効活用を考えてほしいです。興味を持たれた方は↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.05.25

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  『新世界より　上・下』貴志祐介

  ＳＦですよね。千年くらい先の未来だし、「呪力」というものの起こりは念動力ということなので。作者の執拗なまでのディテールに凝った設定と描写にどっぷりとつき合ってまだ続くのかい、この戦いとおいかけっこは・・・という感じで気が抜けなくてけっこう疲れました。この世界の生き物たちの描写を読んでいるとこれでもかというくらいの人間の醜さを感じます。その中で、突出した呪力があるというわけでもないけれど、何を知ってもぶれない主人公のおかげで希望がつながっていると思えてよかったです。石田衣良さんも未来を描いた小説『ブルータワー』を書いていましたが（その感想はこちら）やはり今の人間世界は一度崩壊するのかしら・・・なんてね心の強さ想像力その有り様を考えました。ところでこの新世界では「夫婦別姓」そんなところに反応している読者でした。分厚い本２冊ですが興味を持たれた方は↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.05.18

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  『君の望む死に方』石持浅海

  作者が「事件が起きるまで」の話と明言しておりますので事件は起こってしまうのですが・・・『扉は閉ざされたまま』の関係者がここでも登場し、見事に計画者（？）の意図をはずしていってしまいます。上の本を読んだことのある人はこの本も同じような展開ということでお分かりになるかと思います。探偵役？は、いわゆるふつうの探偵役ではないのでその人が指摘する最後のだめ押しがなんと言ったらよいか。こういう結末は、ちょっとすっきりしないなぁ・・・でもしっかり読んでしまいました。興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。

  2008.05.11

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  『しゃばけ』畠中恵

  江戸の回船問屋の若だんな・一太郎の周りにはなぜか幼少の頃からあやかし達が取り巻いている。その一太郎が殺人を目撃し、以来、薬種屋をねらった連続殺人が発生。一太郎はあやかし達とともに解決に乗り出す。体が弱い一太郎を取り巻いている人＆あやかしたちの超・過保護なこと。でもファンタジー大賞受賞作だけあって一太郎の出自とか運命？とかやはりファンタジックな展開ですね。江戸商人の粋な言葉遣いが楽しめました。よろしかったら↓こちらもお訪ねください。

  2008.05.11

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  『硝子のハンマー』貴志祐介

  セキュリティ万全の社長室で起きた、密室殺人事件。容疑者の弁護士と、防犯コンサルタントが、その謎に挑む。どうやって社長室に侵入したか、どうやって殺したか、を中心に、話が進みます。いろいろな方法を推理してもなかなか真相にたどり着けないところがもどかしい。でもやっと方法がひらめいたと思いきや、真犯人側の話になり、そこで詳しい方法や（これがあきれるほど緻密で、マニアック？）真の動機が語られます。犯人の周到さ・緻密さは大したものでその勉強熱心さを違う方に振り向けられれば闇金も何とかできたのでは・・・と思いました。闇金てしつこいね・・・日本推理作家協会賞受賞作。硝子のハンマー興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。

  2008.05.10

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  『毒草師　QED　AnotherStory』高田崇史

  QEDのシリーズに登場する、超変人・御名形史紋が探偵役？のお話です。傾向は、QEDの流れとほぼ同じですが語りは一人称と三人称が交互にあるのでけっこうくだけた印象があるかも。でもその軽さに隠れてドロドロです。毒にもならないと思っていた西田くんの話の方が、「ええっ」な展開になるし。「一つ目」が鍛冶関係の仕事の人たちにとって職業病のようなものだったというのは、ギリシャ神話からも証明されるというのがよくわかりました。ダイイングメッセージですがあれを「オ」と読むのはかなり苦しいと思うんですが・・・どう見てもあれは。でもそれはあまり重要なことではないのでどうでもいいか。毒草師のパート２も出るようです。興味を持たれた方は↓クリックをよろしくお願いします。

  2008.05.04

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  『孤独な交響曲』日本推理作家協会編

  全部で１０編のミステリ短編がおさめられています。逢坂剛「欠けた古茶碗」横山秀夫「第四の殺意」篠田節子「ヒーラー」伊坂幸太郎「死神の精度」畠中恵「思い出した」折原一「偶然」歌野晶午「転居先不明」田中啓文「時うどん」小川勝己「胡鬼板心中」小貫風樹「とむらい鉄道」もう読んだことのあるものが１編。３編はすっきりしたと思いましたがあとは「情念」とか「妄執」とかそんな言葉が頭に浮かぶようなものが多くありました。どろどろでした興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。

  2008.04.27

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  『ブルータワー』石田衣良

  石田衣良さんのＳＦです。こんな作品も書くんだ～と思いながら読みました。脳腫瘍で余命１～２ヶ月となった男性（４０代）が主人公。ある時ひどい頭痛がしたと思ったら、意識だけが２００年先の未来に飛ばされていた。彼が見た、２００年後の日本とは・・・そして、現代と未来を行き来するなかで主人公がしようとしたことは・・・新型インフルエンザによって、人類が滅びかけているというのが何やらリアルな気が。しかも科学者が遺伝子操作で作り出したものというのが、ありそうな話で、こわいなあと思いました。それにしても、ここまで差別のひどい未来、絶望的な状況をよく描いたと思います。二千メートル級の巨大な塔にひしめいて暮らす人間達。「９．１１」に影響されて書いた作品のようですが巨大なビルが林立する大都会に警告を発しているのかもしれませんね。都会では、「高さ」というのはある意味ステイタス？標高だったら負けていないけどな。未来でも「離婚届」というのがあったのが妙に庶民的でした。最後はハッピーで終わってよかったです。よろしければ↓こちらへもクリックをお願いします。

  2008.04.15

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