『アイルランドの薔薇』石持浅海
登場人物が、舞台である「レイクサイド・ハウス」に集まってくる場面と事件が終わって、次々に去っていく場面は、アガサ・クリスティのミステリ映画を見ているような気がする描写でした。加えて作者の石持さんは、その後の人物達の動向まで、ていねいに描いています。事件はアイルランドの複雑な政治事情が背景にあるので開かれているのだけれど、閉ざされている状況を生みだしています。アイルランドの不幸な歴史が少し解説されていたのでその複雑さが少しわかりました。読み終えてみると、背景はいろいろあるにしろ、動機はありふれた(といってはなんですが)ところにあるのだなあと思いました。ハッピーエンド?なのかなあ。興味を持たれた方は↓こちらにもクリックをよろしくお願いします。