ほっちーまうす誕生(2)
保育器に入れられたほっちーは枯れ枝のような腕と足をしていた。本当にこの子は育つのだろうか。障害はないだろうか。色々な事が頭をよぎった。未熟児は吸う力が弱いため、口からおっぱいや哺乳瓶でミルクを飲むことができない。そのため、鼻から胃にかけてチューブを通し、ミルクを流し込む。正常に生まれた赤ちゃんは、1日10mlずつ、ミルクの量が増えていくのだが、未熟児は、胃が小さいため、すぐに吐いてしまう。だから、吐かない程度の量を1mlずつ調整し飲ませていくため、ちっとも量が増えない。それに比例して、体重も増えない。母親が絞った母乳をあげると体重の増えが良いみたいだが、私は、妊娠中毒症のせいで、腎臓が馬鹿になっていたため、薬を飲み続けていたから、当然母乳は禁止。絞っては捨てていた。他のお母さん方が赤ちゃんをあやしながらおっぱいをあげている横で、痛い思いをして搾った乳を捨てるときの惨めさは一生忘れられないと思う。しかも、栄養がいっぱい詰まった初乳(黄色い母乳)をあげられない辛さといったら…初乳をあげられなかった私が選んだミルクは森永の「はぐくみ」。初乳に多く含まれるという「ラクトフェリン」が入っていたからだ。このミルクには本当にお世話になったなぁ。フォローアップもこのシリーズだったし…