カテゴリ:人生
庭に柿の木があって、 毎年甘くてたくさんの実をつけてた。 ボスと子供、 みんなでもいでは ズボンでゴシゴシ・・ 服の袖でゴシゴシ・・ 皮ごとペロリ
してたもんです。
今年は初めて実がつかず・・
ココロがどんよりしています。
初めてなんです、実が成らないの。
去年のアメシロの影響だとか 柿の木の周期だとか みんな優しく原因を追究してくれてます。
みんな、 私が柿を食べたかったからガッカリしてるんじゃないって事、 ちゃんと知ってるんだ。 ありがたい。
ありがとう。
秋の風はそろそろ本格的に冷たくなって それでも私は夕暮れ時、 ウッドデッキに腰を下ろし 柿の木と ポプラの木と 空と 雲を毎日眺めます。
雨の日でも 軒下に出て やはり 見つめます。
季節の風の匂いを感じたり 雲の流れを追ったり 空と雲のコントラストに驚いたり 葉と葉の擦れる音に耳を傾けたり 雉の親子の会話を盗み聞きしたりね。
ボスと私 そんな事をして毎日暮らしてた。
いつも手を握って ホッペにキスをして 肩にもたれかかってね。
そんな時間がとっても好きだった。
贅沢で温かい時間だった。
私が 今でも毎日庭に出るのは きっとまだ あの時間を懐かしんでるのかもしれないし 小さくても どこかに あの時間を探してしまっているのかもしれない。
柿の木が実をつけなかった今年の秋。 私の傍らからボスが消えたように わたしの思い出の写真から また一つ 大事なパーツが消えた気がして またポツンとしてしまう自分がいます。
毎年私の写真から 大事なパーツが一つずつ消えたとしたら 最後には 何が残るんだろう。
空?
雲?
風?
それとも私?
『ママ~風邪ひくからもう中、入らんと~』
いつも 子供たちが優しく現実に引き戻してくれる。
鳥になれたら、なんて考えてた私は 風になれたら、なんて考えてた私は 可愛い声に目覚めさせられ、 人間の母親に戻って やっぱり笑っている、今日も明日も。
やっぱりありがとうしかない。
カラスがお家へ帰る時間には 私もお家に帰ります。
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