10年以上診療してきたパーキンソン病の患者さんが亡くなられました。
長期に診てきた患者さんが亡くなられた時には、診察室だけでは知り得ない生活を知ることができる機会でもあり、時間が許せば通夜に出席しています。
この患者さんは、診察室に入ってくる時には、笑顔で両手を合わせて挨拶され、常に感謝の心を示されていました。
70歳前半で、パーキンソン病を発症されて、運動機能・ADLの低下が進行していました。
施設でショートステイ中に食べ物が詰まって救急搬送されたようですが、死亡されました。
86歳でしたが、その前日に患者さん自身が長女と共に受診されて、やはり笑顔で挨拶されていました。この時に私が付き添いの娘さんに、もう何が起こるかわからないのでその時の覚悟はしておいた方がよいでしょうと、パーキンソン病の末期状態であることを話していました。
この患者さんが、通夜でクリスチャンの洗礼を受けておられることが分かりました。
喪主の長女の挨拶で、通院中に出血性胃潰瘍をして高度の貧血になったり、前立腺がんがあったことなど話されて、教会の方、キリスト教の信者の方たち、施設の方たちにも感謝されていました。
開業以来、数人のパーキンソン病患者さんを見送ってきましたが、やはり長く診てきた方がいなくなるのは寂しいものです。