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カテゴリ:行列のできる店
今の「七蔵」は広い。
新橋駅前ビル1号館の二階。木をフンダンにつかったおしゃれな構え。 昼は相変わらず稲庭うどん専門店だが、夜は創作料理居酒屋に変身。 目玉は和牛ローストビーフ。 真っ赤な和牛にとろとろのソースがかかっている。 何しろジュシーなのである。 口に含むとほのかな甘み。やわらかい肉の旨み。 そしてじわーっと肉汁が口中に広がる。 ほかの料理も手が込んで美味い。 以前私がよく使っていた七蔵は地下の飲み屋街にあった。 元祖、行列のできる店である。 それも半端じゃない。 11時15分を過ぎると長蛇の列。 昼間の新橋駅ビル地下の飲み屋横丁はどこも店が閉まっている。 ただ一箇所人の列。 L字型のカウンターに十人ほどしか座れない。 中では小太りだが男前の親父が稲庭うどんをひたすら茹でている。 メニューは三つ。 稲庭うどん大・中・小。小で700円。 極めてシンプルだ。 これにサイドの小どんぶりが二つ。 イクラ丼にマグロの漬け丼。 これがまた美味い。 これに自家製白菜の麹漬けのとり放題。 これは本当に美味い漬物である。いくらでもいける。 それにあさりした稲庭うどんにあうのである。 この浅漬けだけでご飯を食べたいぐらいだ。 本体の稲庭うどんは、冬でもざるうどんのみである。 メニューは一切代わらない。 これぞ不動の4番打者。 お客に一切媚びない。親父も愛想がない。 だが、つけ汁は格別である。 ゴマ味なのだがコクがある。 何回も通い続けての秘法を聞きだした。 まず鰹でベースの出汁をとる。 鴨を骨ごと叩いてコクのあるスープを作る。 鴨肉を使おうなどという貧乏根性はない。 肉からだしを出し切るのだ。肉は捨てる。 鴨の臭みを消すため、セロリをいれてだしをとるのがミソ。 それにゴマのペーストと塩で味付けをする。 最後の仕上げは、まろやかさを出すために豆乳をいれる。 あまり煮過ぎるとダマができるので直前にあわせる。 あそらくざっとこんな具合で作っているのだと料理人みつおか は想像する。 それに季節の香味野菜を微塵切りにして薬味を利かせる。 今の季節はふきである。 ふきの苦味が、コクのあるスープを引きたててくれるのだ。 なにしろこのスープは美味い。 あっさりつるつるの稲庭うどんにぴったりあうのである。 竹のざるに山盛りに盛られたうどんがみるみる少なくなっていく。 箸休めには、あの自家製漬物。パリパリ・・・・ 30分待っても食べたくなるのでだ。 午後2時を過ぎると本日は閉店である。 ただこの隠れ家は今は2階に移動してしまった。 さあ、皆さんは昔の「七蔵派」?、それとも今の「七蔵派」? さあ、どっちの料理 しょう???? 元祖行列のできる店である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.16 09:57:26
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