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カテゴリ:行列のできる店
新橋駅ビル地下の飲み屋街は昼は閉まっている一角がある。
そこで3,4年前までそこに行列のできる店があった。稲庭うどん専門店「七蔵」である。 行きつけのイタメシ屋のオーナーシェフと「七蔵」の話題で盛り上がった。 やや小太りな七蔵のご主人はなかなかの男前である。 イタメシ屋のシェフの話を再現しよう。 ただ5年前のことだから記憶が定かでない部分があるのでそこはご容赦を。 七蔵はサラリーマン時代、結構な女好きだったんだ。 そんな中あの事件は起こったんだ。 飲み友達の山中湖別荘にみんなが集まった。 そこに七蔵は彼女を連れてきたんだ。 わイワイガヤガヤ盛り上がった。 そこに七蔵の奥さんが乗り込んできたんだ。 一転、別荘は修羅場となった。 七蔵には娘がいた。子煩悩だった。 結局、別れ話となった。 七蔵には膨大な養育費を払わなければならなかった。 でも彼は誠実だった。 長年勤めた会社を辞め、その退職金で慰謝料を払った。 でも、50を過ぎた男に仕事は何もなかった。 彼の取柄は、飲みに誘われたら断らない人のよさだった。 だから、料理人やシェフの飲み友達も多かった。 みんなが心底心配した。 七蔵を囲んで料理人が真剣に七蔵の仕事を考えた。 歳が歳だから独立しかないな。 でも、七蔵は料理がからきしだめだった。 食いっぱなしがないのはやり食いもの屋。 腕がなくてもできる食べ物屋。 しかも設備投資が少ない。 食材の仕入れがない。 競争が少ない。 みんなが出した結論。 それが乾麺でしかも高価な、稲庭うどん専門店。 乾麺なので仕入れの心配がない。 ただ、メニューを多くしたら儲からない。 単品メニューでいこう。 ただ、お客を虜にする魅力がなければならない。 そうだ、年間ざる稲庭うどんの単品にしよう。 ただ、つゆはこだわらなければならない。 そこで料理人たちが知恵を出し合って今の鴨ダシこまだれを完成してくれた。 これだけでは、お客に飽きられる。 だから、マグロの漬け丼とイクラ丼の小どんぶりを300円で作った。 そして、だし汁分を売り切った閉める。 そんな七蔵のビジネスモデルが出来上がった。 お金がなかったので、新橋の駅ビルの地下の小さなカウンターだけの 飲み屋を居抜きで借りた。 やってみたら、行列が絶えない人気店となった。 どうです。凄い話でしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.18 18:18:17
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