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2010年04月30日
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カテゴリ:
綾部恒雄, 大林太良, 米山俊直編 1982『文化人類学入門リーディングス』(アカデミア出版会)を読了。

ここに収録されていなかったら読むことのなかっただろう、今でも輝きを失っていない古典的論文を読める本。個人的に、面白かったのは次の3つ。

* ロバート・ハイネ=ゲルデルン 1956 「東南アジアにおける国家と王権の観念」
* ヴィルヘルム・E・ミュールマン 1956 「民族間関係と民族学」
* エヴァンス=プリチャード 1929 「呪術の形態と機能」

それぞれの論文に解説があったのもよかった。
編者の個性がそれぞれ出てて面白かったし。
論文集も、作家の著作集みたいに、編者のひとつの「作品」といえるのかも。


↓↓読書メモ↓↓

* ロバート・ハイネ=ゲルデルン 「東南アジアにおける国家と王権の観念」

1、大宇宙と小宇宙/2、国家と宇宙との間の関係/3、帝国の呪的中心としての首都/4、アンコール・トムの構図/5、ビルマの首都/6、王、王宮、政府の宇宙的役割/7、即位式への影響/8、宇宙的国家と神王/9、諸伝統の残留

p.65
これ(神器の呪的性格)が頂点に達しているのはセレベスのブギ族とマカッサル族の間に普及している奇妙な観念であって、それによれば、君臨しているのはじつは神器なのであって、王侯はただ神器の名においてのみ国家を統治しているのである。

p.67
われわれは、ビルマ人の観念によれば、王と王宮とがいかに不可分のものであるかをみてきた。須弥山を表わし、かつ王国の呪的中心をなす王宮なしには、いかなる王国も存在できなかったし、また王、つまり「黄金の王宮の主人」は、何よりも王宮を所有することのよって王だったのである。

・・・こういうアジアの王権観が、ギアツの『ヌガラ』につながっていって、日本の王朝研究なんかにも影響を与えたとか。


* ヴィルヘルム・E・ミュールマン 1956 「民族間関係と民族学」

p.77
社会的諸編制をそのほぼ完全な事例集の中で概観すると、ほどなくある社会学的帰結に到達する。それは、「民族学」は「民族」となんら関係がない、という矛盾した表現でいい表すことがでいる。(中略)つまり、「民族」は概念として、本質的に西洋史の、そして西洋史だけの成果なのである。この概念の基本的定義部分のほとんどが未開民族にあてはまらない。

p.78
ロシア人研究者、S・M・シロコゴフのような批判力のある民族学者たちは、すでに何年も前に民族の概念を民族誌から締め出し、「エトニー単位」(ethnische Einheiten)という柔軟性のある概念に切り換えることに踏み切った。私自身は「エトノス Ethnos」あるいは「エトニーEthnie」を使用し、それでもって、当該の人びとが自身が意識し、望んでいるところの確定しうる最大の独立した単位を意味させている。したがって一つのエトニーはホルドでもクランでも部族でも、さらにはカーストでもありうる。実際のところ、エトニーは、集合的志向性を洞察しようとすることによって経験的にのみ確立できるのである。

p.80
社会は「閉鎖的体系」であるというトインビーの主張は、民族学的には誤りである。民族学者は「エトニー」を複数においてのみ考える。民族学者の対象はエトニー間の諸関係と諸関連であり、それら諸関係においてみえてくる規則性と類型的行動経過である。民族学者にとって個々のエトニーは閉鎖的体系ではなく開放的体系なのである。

p.86
不変で一貫しているのは集団でもエトニーでも、もちろん「伝統継承隊」でもない。不変(あるいはかなり不変)なのは、引き寄せ、編入併合する力を持つ制度(養子制、庇護所、居留外人など)である。あるいはこういった方がよい。エトニー的形成体においては、永続性をもち、形態に永続性を付与するのは、社会的統合をおこなう制度であって、(存在しない)共通の起源とか人口学的なもの、あるいは「人種」ではない。


・・・「エトニー」概念って、エトノスのことなのかな?↑このへんの考え方は今でも十分有効なのでは・・・と思うんだけど。

今、エトノスって概念は使用されているのかしら??そういえば、最近あんまりきかないなー。






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Last updated  2010年05月02日 12時20分01秒
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