テーマ:近代化遺産を歩く(146)
カテゴリ:近代化遺産・検見川送信所
11/9 に告知した検見川送信所ミニ見学会を行いました。
このブログの常連である上海在住のソフィアさんが里帰りされるということで、内々の会を行おうと考えたのですが、「どうせなら」と緊急ミニ見学会を行うことにしました。 1時半、JR新検見川に集合。1時45分すぎに徒歩で移動し、2時ごろから見学。 参加者からは一様に「なんとか残したい」との声が上がった 台風が関東地方を襲った10月27日とは違い、時々、日差しが差し込むといった天候。気温は13度でした。 発起人である仲佐秀雄代表、花園シンさん、僕、一時帰国のソフィアさん、産業考古学会の方、千葉市内で建築事務所を営んでいる建築士の方、地元在住の送信所OB、検見川小学校の教員の方、地元自治会役員の方、楽天ブログでお付き合いのある裏猫あ~さん、近代建築探訪MLのメンバーの方、河童画人さんの総勢14人。 裏猫あ~さんの記事 「知的欲求を満たしましょう」 僕はビデオを担当しましたので、デジカメでは12枚しか撮っていません。 検見川送信所 正面玄関 建築士のYさんは一見して、「全体的な強度は大丈夫だと思いますが、屋根部分の状態が深刻ですね」といいます。 上写真でも、上部に外壁が剥離して、鉄筋が露出している部分があります。これを専門用語で「爆裂」というそうです。 【爆裂】 鉄筋コンクリート造の建物の鉄筋が腐食して膨張し、鉄筋を覆っていたコンクリートにひび割れを生じさせ、ついにはコンクリートを脱落させてしまう現象 この爆裂は天井部分から水が浸水が原因。内部から入った水が鉄筋を腐食させ、やがて膨張したため、壁を剥離させたのだろう、ということです。 パラペット部分の爆裂が激しいのは、屋根の防水に問題があるから、とおっしゃっていました。確かに、爆裂は建物の上部に集中しています。 コンクリートはそもそも雷おこしのようなもので、水を染み込みやすく、定期的に防水処理を施してやらないと、防水能力が薄れていく、ということでした。 雷おこし 浅草祭 【パラペット】 1)陸屋根(水平な屋根)の周囲を取り囲むように設置された低い壁。 2)店舗の屋上や、店舗の正面の上方に取り付ける壁。 このままほっておくと、人為的に壊す前に崩壊する可能性もあるようです。思った以上に時間はないのかもしれません。 屋上部分には蔦が降り、木が生えている箇所もある 屋上部分に緑や木が生えているのも、あまりよくないということです。ただ、屋上の状態については、建物の外から伺い知ることはできません。 建物全体の強度は大丈夫そうなので、現状を修復するには1億円程度、建物として、利活用するにはもっとかかるだろうという話でした。もっとも、実際に建物の内部に入ってみないと、判断はつかないようです。 ちなみに、解体には6000万円程度かかるといわれています。 また、外壁に関しては「リシン掻き落とし」とも「寒水石洗い仕上げ」とも聞いていましたが、Yさんによれば、モルタルではないか、ということ。細かな石が見えるのは、外壁のモルタルが長年に渡って、はがれていった結果ではないか、と話されていました。(何が正しいのかは、僕には分かりませんが) これらの話は専門家でなければ分からないことで、非常に参考になりました。 見学会後は場所を変えて、懇親会を行いましたが、10月27日の第1回イベント以上に濃い内容になりました。 <続く> 日本初の国際放送を行うなど日本の通信に大きな貢献をした近代化遺産・検見川送信所が取り壊しの危機にあります。これを保存、再生できないかを考えるプロジェクトです。 賛同してくださる方は以下のソースを貼り付けてください。 <a href="http://moleskine.air-nifty.com/photos/kemigawamusen/" target="_blank"><img src="http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/47/0000060947/20/img2159e7f1zik6zj.jpeg" width="170" height="60" alt="musenhozon.jpg" border="0"></a> 「検見川送信所を知る会」では仲間を募っています。入会していただける方はこちらのメールフォームから「入会希望」と明記の上、 お名前(ふりがな): ご住所:〒 電話番号: メールアドレス: をお知らせください。 メールマガジン「検見川送信所J1AA通信」を購読していただける方は以下のURLからお申し込みください。 http://www.mag2.com/m/0000246340.html バックナンバーも読めます。 検見川送信所についてはここで過去記事をまとめています。 去年の日記は? 2006/11/17 隠れ家(小屋)作り(22)~ツーバイ工法&在来工法 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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