「表現読み独演会」。「ビッグデータの正体」(講談社)
大崎のホテルの一室で行われた渡辺知明先生の「表現読み独演会」に出席。渡辺先生とは、6月5日発刊の「人間会議」で読書について対談したという関係。朗読には音読、朗読、表現読みという発展段階があり、表現読みは複雑、語り、そして趣のあるように読む最高段階にある。記号付けと語り口が大切。理解と表現としての朗読という考え方だ。会場には50名弱の人が入っており、互いに知り合いのようだった。始まる前と途中で渡辺先生と話をする。演目は以下の3つ。梶井基次郎の「路上」(散文詩。読者の心に訴える。)中島敦の「名人伝」(ユーモアのあるほら話。)太宰治の「義理」(西鶴の原作に書き足した作品。武士もの)体全体で読む。顔の表情で読む。速度の緩急をつける。強弱をつける。観客は引き込まれてまったく動かない。終了時には感嘆の声があがった。---------------「ビッグデータの正体」(講談社)を読了。ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変えるビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える 作者: ビクター・マイヤー=ショーンベルガー,ケネス・クキエ,斎藤栄一郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/05/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見るサブタイトルで「情報の産業革命が世界のすべてを変える」とあるが、その通りだと思った。著者はオックスフォード大学のインターネット研究所教授でビッグデータ分野の世界的第一人者のショーンベルガーと、英国「エコノミスト」誌のデータエディターのクキエ。今、起こっているビッグデータとそれを主導するデータサイエンティストについての流れと動きが一望できた。データサイエンティストは、関係とつながりの発見者ということになる。この分野でのプロジェクトリーダーとはどのような人だろうか?どの産業に特定していくのか?以下、私の問題意識に触れた部分をピックアップ。 「小規模ではなしえないことを大きな規模で実行し、新たな知の抽出や価値の創出によって、市場、組織、さらには市民と政府の関係などを変えること」。それがビッグデータである。 ビッグデータの醍醐味は、個々の情報の関係性をあぶりだす点にある。 「量は質さえも凌駕する」 因果関係ではなく相関関係 埋もれていた「つながり」 数年前からは、「データサイエンティスト」なる新しい職業が誕生しているそれは統計学専門家、ソフトウェアプログラマー、インフォグラフィックス(情報の視覚的表現)、デザイナー、さらには語り部として幅広い技能を備えた専門職である。、、データサイエンティストは今後、深刻な人出不足に陥るという。 ビッグデータのパイオニアたちは、活躍の場とは無縁の分野から入ってきた「門外漢」が多い。主にデータ分析、人工知能、数学、統計学といった分野の専門家だ。そのスキルを特定の産業に応用しているのである。 これからは数学や統計学、それにプログラミングとネットワークのちょとした知識が、「現代の読み書きそろばん」になる。