高知市内で大規模に牛を飼っている人がいる
この冬、高知県内で募集したニュージランドツアーに参加したが、そのツアーに、牛を飼っていると言う夫婦が参加して居た。 約一週間の旅で、時々その夫婦と食事等で一緒のテーブルになるので、段々と、その牛飼いのニュースが入って来た。 或るパーキングで、フィリピン女性と、その夫婦が抱き合って、笑って挨拶していた。其処で興味が湧いたから、以後は積極的に色々と聞いて見た。 飼って居る牛も乳牛だそうで、私の予想に反し、600頭も飼っていると言ったのに、驚いた。しかも200頭は、宮崎県で飼っているようで、高知では400頭なのだそうだ。 この規模になると、大変だろうと思う。もう毎日の仕事は息子夫婦が遣っているそうだが、矢張り動物だから、口があり、365日毎日毎日、盆や正月も無く、休みなく食べ、乳を出すから、休み無く世話をする必要がある。 そんな事で、フィリッピンからの出稼ぎ(研修と言っていたが)の労働力が頼りだそうで、フィリピンに時々行って、若者を雇っているそうだ。しかも寮を作って、生活費は全部無料にして、最低賃金を払っていると言っていた。 これは大変な優遇である。何故なら最低賃金でも、殆どを貯金出来るから、フィリピンに結構な金額で送金できるだろう。 そして、其処で働いた人が、今はニュージランドで働いて居るので、連絡して、パーキングで逢ったそうだ。 そのように、辞めた後でも連絡が出来る間柄と言う事で、結構真面な経営素質のある農家なのだ。そんな中、奥さんが言っていたが、「息子夫婦は、厳しくて、研修生を泣かせたり、ガックリさせるので、それをなだめる役目を遣っている」と言っていた。 そして400頭もいるから、高知県でも一番大きい「ひまわり乳業」の4分の1は我が家の牛乳だと言っていた。 そして、その場所なのだが、高知市の針木(はりき)と言う場所だとは聞いていた。針木は梨の産地で、100メーター位の低い山が並んでいる高知市の西の隅である。 だから、沢山の牛を飼う以上、近所に他人が住んで居ない絶好の見晴らしの良い場所だろうと推測していた。 そして、数日前、高知市に行った帰り、少々時間が余った。丁度、針木を通過する時だったので、半年前のニュージランド旅行を思い出し、その牛飼いの場所を見たいと思って、低い山を車で登って行った。 ホンの数十メートルを登ると、早くも牛舎が見えた。ええ?こんな人家の近くで、400頭もの規模で牛を飼えるのかと、不思議に思った。 これは、大変な事なのです。家畜を大量に飼うと、近所に人が居ない山の中なら良いが、近所の人と一緒に生活するには、並大抵の努力では、仲良く生活は出来ない運命なのだ。 理由は、匂いと、蠅と水の汚れとか、色々な問題がある。それをクリアーするのは、物凄い努力が必要なのだ。 皆様は、オーストラリアと言うと、広い国と言うイメージしか無いでしょうが、実は蠅の国なのです。牛や羊を大量に飼うと、糞をするから蠅が発生するのです。理由は分かるよね。 牛の出す糞と小便は、恐らく人間の10人~20人分にはなるだろう。つまり牛400頭だと、人間4~8000人の屎尿が出るのだ。 これを、毎日毎日処理しないと、蠅が湧くし、匂いが風下に流れ行くし、川を汚すし、大変な問題を発生させるのです。 勿論、商売である牛乳は、毎日数十トン以上絞って、冷蔵状態で、ひまわり牛乳に納めて居るのだ。 近所に人家が建っているのを見て、この経営者は凄いと感銘を受けました。そう言えば、牛の糞を発酵させ、優良な堆肥にして、希望者がトラックで貰いに来ると、シャベルカーで、積んで上げると言っていた。勿論無料です。つまりそんな事を遣ってでも、糞の処理に力を入れているのです。 恐らく、毎日毎日、牛舎の床を清掃し、匂いを消し、糞と小便を集め、糞と小便を分離して、処置しているのだ。実際の作業がどんなものか、私には分からないが、並大抵の作業では無いだろう。 まあ、ニュージランドには大勢で行ったし、もう半年も過ぎたから、向こうも私もお互いに顔を覚えていないだろうから、牛舎を遠くから見ただけで、寄らなかった。 200~300坪位の牛舎が5~6棟並んでいた。こちら側の壁のある建物は倉庫だろう。 また、別の所にもこのように牛舎が3つ程並んでいた。