人生はアッと言う間に終わる
私は今64歳で、到って元気だから、95歳ぐらいまでは生きると確信しているし、92~3までは元気で他人の世話にならないと思っている。それはそれで良いのだが、計算すると後30年ある。30年もあると思うか、30年しか無いと思うかで、今後の生きかたも左右される。30年と言うと15年の2倍である。私が会社を辞め、この高知の過疎地に入植して早くも14年が経過した。つまり高知に入植してからの期間の僅か2倍しか、これからは体が動かないと言うことで、最近何となく、人生は短いなアと、感じているようになった。人生は瞬きをするぐらいしか無いようである。こんなに短い人生なら、遣りたい事は何でも遣って置かないと、生まれて来た意味が半減してしまう。だけど、今生まれた赤ちゃんが30歳になる期間と思うと、大変長いような気がする。つまり、赤ちゃんが30歳になるまでの時間と、60歳から90歳になるまでの時間は、物理的には同じ長さでも、かなり違うように感じるのだ。その卑近な例として、私には琴が挙げられる。私は60の還暦を記念して、琴の練習を始めたのだが、4年も遣って、やっと女房と簡単な合奏が出来るようになった。それもホントにいとも簡単な楽譜だけである。もし、中学生ぐらいで琴を始めたら、4年もやると、凄く上達している筈だから年齢による時間差は大きいのかも知れない。歳を取れば何を遣っても習熟に時間が掛かる年齢の30年だと思うと、だから結構短いのかも知れない。そんな短い人生なのに、安定とか安全とかを最優先する若い人が多いのも少々気になるし、定年後、覇気が無くなるのも勿体無いように感じる。これからの貴重な人生を、有意義に生きたいものである。