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ひよきちわーるど

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2005.07.10
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カテゴリ:パパに
え・・・夫婦というものは
似通っている方がうまくいくのでしょうか、
それとも全く違うタイプ同士の方がうまくいくのでしょうか。

謎ですね。








・・・・うちですか?

全く違うタイプです。

ええ、見事に b(T‐T)








この前、夫と一緒に史跡に参りましてね。

彼はいつだって元気いっぱいで
ずんずん歩いていく訳なんです。

ええ、後ろなんかちっとも見やしません(笑)。

自分の愛する妻が 今、どんな風に自分のあとをついてきているか
ほとんど気にかけないのですね。






「パパ・・・。歩くの速すぎる・・・。」と
ぜいぜい言いながら訴えますと

「おお!そうやったな!」と
涼やかに笑いかけてくれるわけなんです。






笑いかける割には
そのまま またさっさと歩いていくわけなのですがね(笑)。











ひよは 初めての史跡に参ります時には
由来ですとか、説明板などを見るように致します。

歴史ビギナーはビギナーなりに
いろいろなことを吸収しようと考えている訳なんですね。



古墳などに行ったときには ふっと目を閉じ
古代に想いを馳せるんです。













・・・・夫ですか?

そういう史跡関連に行きましたときには
ほとんど私のそばにはおりません。

自分の好奇心の赴くまま
あちこちに行っている訳なんです。











・・・この前 姫路の「好古園」に一緒に参りましてね。

とてもきれいな場所なんです。
日本庭園になっておりまして。







こういう静かな場所でやね
今までのこととか
今、考えていること、相手に望むことなど

なんか、こう、ほら
夫婦ならではの「甘いささやき」というか

そういうのを期待していた訳なんですね。

(誰ですか。笑っているのは!)






そいでもって
美しい花などを見ながら

「あの花、本当にきれいね。」などと言いつつ
2人で微笑みあうというかね。










・・・頃合いもよく
2人の目の前には 美しい大賀ハス。



大賀ハスですよ!
ロマン溢れるではないですか!

悠久の時の流れを感じつつ
夫と このハスについてしばし語らった訳なんです。



気のせいか、彼は私の話を聞きながら
「うんうん。」と やたら素直にうなずいてはいたのですが。










そのあと、白い塀に囲まれた静かな通りを歩いていたんです。

「ね、向こうから お侍さんがひょっこり出てきそうね。」などと
私は夫に話しかけていたのですが

気のせいでしょうか
彼、「心ここにあらず」なんですね。

ちょっとだけ 返事が生返事なのです。



・・・・彼のことです。
きっとお侍さんのことについて
あれこれ想像を巡らしているのだろうな・・・と思っていたのですが、








突然、彼が大きな声で

「おったー!」と叫んだわけで。















彼が一目散に駆け寄ったその先には小さな溝。

ちょろちょろと水の流れている小さな溝。







その流れの中に 彼は木の枝を差し入れつつ
こう叫んだんです。






「亀や! やっぱ亀おったで!」













・・・・。

彼が誇らしげに言うには
こういうところの溝には 絶対に何か生き物が生息しているはずで

亀か 小さな魚がおるはずや、と。





獲物を探しやすいように
途中の庭園にて 落ちていた木の枝を拾っていたのだと。










亀を必死になって追い回している
そんな彼の後ろ姿を見つめながら

私はずっと昔の
ある光景を思い出していた訳なんです。











そう、あれは忘れもしない 平成5年3月31日のこと。

私たちは新婚旅行で沖縄に行っていたんです。

そこで何処かの植物園に行きましてね。

植物好きのひよとしましては
ひとつひとつの植物をじっくりと見ていたい訳なのですが
彼はさっきから 何やらそわそわしているんです。








ちょっと落ち着きのない夫を見ながら
「どうしたのかな?」と思っていたのです。

そのうち 彼は
人気のないところにひよを連れて行こうとするんですね。

何やら真剣な面持ちなんです。







こ、ここでやね
乙女ちっくな(違)ひよとしてはですね

こう、何と言いましょうか

今まで5年もの遠距離恋愛の末、ようやく彼と一緒にいられるようになったわけでして
彼の一挙手一投足 とても大切なものに思えたんです。







あんな遠かった彼が 今、自分と同じ場所にいて

結婚してまだ3日目、
こんな顔で笑う人だったんだとか
こんな寝顔なんだとか

こんな風に歯磨きする人なんだな・・・とか、

もうとにかく 見るもの全てが新鮮だったわけですね。





そんな時に あなた、彼が真剣な面持ちでやね

「・・ちょっとこっちにおいで」とささやきながら
私を静かな場所に連れて行こうとするんです。






も、もしかして 愛する彼が 
「君をずっとずっと大事にするよ」などと

優しい言葉をかけてくれるのではないかと
仄かに胸がときめいた訳なんです。








彼は私の手を握り締め
どんどん植物園の奥の方へ奥の方へと歩いていくんですね。

愛の言葉を囁くのに
そんな人気のないところに連れて行こうとするのだろうか。

彼は何とシャイな人なのだろうと
あたしゃ勝手に 胸をときめかせていたわけでして。










そんな新婚まもない妻に
彼は優しく こう囁いた訳なんです。














「あそこに鳥の雛がおるやろ?
 
 せやからな、
 ○○ちゃんは ここからその雛を追い立ててくれへんか?」














・・・・もっと彼の手元を見ておくべきでした。

彼の両手には とっておきのカメラ。






彼は嬉しそうに
「鳥の雛な、写真に撮るねん!」と

もう、今にも私に
「はやいとこ 雛を追い立ててくれ」と言いたげな表情。










新婚まもない妻がやね

ほんの数秒前まで
どきどき小さな胸をときめかせていた妻がやね

あなた 池の端で背なを丸め
生い茂った草の陰に隠れて
鳥の雛の様子をじっとうかがう訳ですよ。






いいですか。
あたしゃ鳥類の研究に来ているわけではない。

新婚旅行ですよ
新婚旅行!










うかがうだけならまだしも

一体どんな顔して
どんな態勢で

雛を追い立てろと言うのだ!












・・・・
あれから12年。

ひよにとりまして
「雛」「追い立てる」などという言葉は禁句(笑)なわけですね。







ひとつの場所に行っても、
私たち夫婦というのは
こんなにも見る視点、興味のあるものが見事に違ってくるわけなんです。








・・・そんなこんなで 無事好古園を見終えた彼が
出口に張り出されていた「大賀ハス」の記事を見てこう叫ぶんです。




「え!大賀ハスか! 好古園にあるんか?」


「すごいやんか!」













私が大賀ハスを目の前にして
あれほどまでに熱弁をふるったというのに

(しかも君のために!)

君は一体
何を見ていたというのだ(笑)!










亀の行方など
亀に任せておきたまえ(怒)。





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Last updated  2017.07.31 10:40:28
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