ひよきちわーるど

不思議なもので
子どもができると　多くのことについて伝えたくなる。

次世代に何かを伝えようとする
本能のようなものだろうか。




「文化」というと、何やら大仰な感じを受けるけれども
何のことはない、
ごくごく平凡な「日常」のことである。




幼いころ、私は週末になると祖母の家に遊びに行き
そこで様々なことを吸収した。



畑に行き　里芋の葉を見
そこに集まる露を見て

世の中には何と美しいものがあるのだろうと思った。





祖母の本棚には
生け花、焼きもの、短歌の本。

分からないなりにも
アニメやテレビとは全く違う世界のあることを知り
そのおもしろさに目を瞠った。




おみそ汁をつくる時のおだしのとり方。

いりこの頭とおなかの部分を除去すること、
そしてその理由。

お湯の中のいりこを取り出すときのタイミング。





玉葱のいため方。

目玉焼きの作り方。




道路に打ち水をすることの気持ちよさ。



賢い倹約の仕方。





１０歳の時に吸収した様々なことが
今の私を支えてくれている。








娘には
伝えられる全てのことを伝えていきたい。

そして自分の頭で考え　
自分で決めることのできる女性になってほしいと思う。





女性として習得すべきたくさんのこと。

「女性として習得すべき」なんて書くと
お怒りになる方もいらっしゃるかもしれないけれど

でも、それでも
女性であるからこそ　心得ておくべき事は多くある。






私は、
自分の娘であるみゆきちが
いつか家庭を持ち　我が子をきちんと育て上げるところまで
見届けたいと思っている。


娘に伝えるべき事が多くありすぎて

これから毎日口頭で伝えたとしても、
伝えきれるだろうかと不安になったり

ちゃんと覚えていてくれるだろうかと
疑問に思ったり

試行錯誤の日々である。






家事一般のこと、

人とのつきあい方、

身を守る方法。



そして

心を豊かにする芸術。




平和を愛する心。

平和というものは誰かがもたらしてくれるものでは決してなく
常に監視し、自分の手で守っていくべきものであること。


信仰を全うする心。

誰が何と言おうと
この信仰を生涯にわたってたもち続ける心。









どうやったら　あなたが幸せに生きていけるか

生を全うできるか






親として
できることは限られている。


けれど
あなたをこの世に送り出した人間として
できる限りのことをしていきたいと思う。