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カテゴリ:短歌
水行けるもののごとくに 咲きすさび 九月尽日 つきくさの青 山中智恵子 「月草」の名の由来は多くあるようだけれど 月草は 人の心の移りやすさを例えた花であり それがあたかも 時とともに姿を変えゆく月のようであるから だから「月草」だと。 数多ある由来の中では この話が一番心に残っている。 濃い緑の中で咲く露草の蒼。 時折 はっとする。 「あなた、ここに咲いていたの?」と 声をかけてみたいのだけれど 少しうなだれて物思いに沈むさまを見ていると そうするのもためらわれるほど。 露草の園芸種である「オオボウシバナ」からは 友禅染の下絵に使われる「青紙」が作られる。 この青紙で描かれた下絵は 水にぬれるととすぐに流れ落ちてしまう。 また、露草で染めた衣は すぐに色あせてしまうとのこと。 鴨頭草に 衣色どり摺らめども うつらふ色と言ふが苦しさ 万葉集 巻7 1339 自分には心に決めた人がいるのだけれど あの人はすぐに心変わりする人だから やめておきなさいと人は言う。 「かなしさ」ではなく 「苦しさ」となっているだけに 余計に胸に残る。 「かなしさ」には 自分を客観視する余裕が感じられるけれど そして どこか この恋に対するあきらめの気持ちも見てとれるのだけれど 「苦しさ」となると 前にも進めず 諦めることもできず 恋を遂げようとする心と この恋を諦めようとする心と その間で揺れ続ける・・・そんな風にも思える。 この歌を詠った人に 問うてみたい。 道の辺に咲くこの露草の花を見て あなたはどんなことを思っていたの このきれいな空色は 目には映っていなかったの この色が 心にまで届かないほど 辛い恋をしていたの お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.01.01 23:28:59
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