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カテゴリ:季節の美
今日、姫路に行きました。 姫路にはお気に入りの場所があるのです。 そう、歴史博物館の前の並木道。 ここは楓などの色鮮やかな木々は少なく むしろ落ち着いた色合いの木々が立ち並んでいる。 だから好き。 風が吹くと ぱらぱらと音を立てて木の葉が舞う。 ざーっと音を立てて木の葉が散る。 白雪だと 柔らかに風にのって地面に舞い降りてくるけれど 晩秋の木の葉は強い風にあおられて一直線に降り注ぐ。 秋も深くなると デジカメを片手に山の中に入って いろんな木の写真を撮ったりするけれど やはり一番多く写真におさまるのは 色鮮やかな楓かな。 そして漆、櫨。 美しい色合いの葉を見ると 心に灯がともったようで そして 自分の心も朱に染まっていくようで。 けれど 写真におさめるのも忘れ ただただ心が吸いよせられるのは 黄色い透明感のある葉。 実家の庭には大きな欅の木があって 秋になると 金色の葉が降り続いた。 欅はその枝を四方に伸ばし そしてその枝の先は 大空にとけ込んでいく。 葉の形もその色も大層慎ましやかで 私はその欅が一番好きだった。 何故だろう。 鮮やかな紅葉にも心惹かれるのだけれど それらを眺めている時にはただただ圧倒され 自分の心をふり返る余裕すらない。 けれど 黄色に色づく木々の葉に触れている時には 秋の静けさが心にしみとおる。 写真におさめるのも忘れ ただその木を見上げている。 道を歩き続ければ 風が時折音を立てて吹きすぎていく。 そして 風と一緒に舞う木々の葉。 その落ち葉降る中に 車を運転する人たち 携帯を見ながら歩く人々。 そんな中 横を見れば 私と同じように降りゆく木々の葉を見つめる人。 言葉もなくその人を見上げ その人も私を見て ふと笑いかける。 この美しい季節の中、 木々の葉を見て同じように美しいと感じたとしても あなたと私の美しさの感じ方は きっと微妙に違うのだ。 そう、同じ花を見て美しいと感じたとしても その感じ方は ひとりひとり少しずつ違っている。 違っていて当然なのだけれど そして少しも淋しく感じる必要はないのだけれど でも、こんな人恋しい季節には その少しの違いさえも淋しい、と思う。 夜を迎え 人通りもなくなるこの暗闇の中 あの木々の葉は 今のこの時にも散り続けているのだろうか。 秋に 金色に色づく木々の葉たち。 秋の静けさをその身にたたえ 声もなく そこに佇んでいる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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