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ひよきちわーるど

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2005.11.26
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カテゴリ:生と死

言ひたきのあらむ限りを散りつくし

         裸となれる木か光りあふ



                 小野興二郎








冬木立が好きである。

淋しがりやのくせして
冬の木々が一番好き。






金色の葉が風にあおられ次々に降りしきる中
その中に佇むのも好き。






降ってくる葉の一枚一枚が
木々たちの抱える「想い」のようで


あなたたちは一体何を伝えたいの?と

葉を降らすその姿で
私たちに何を伝えようとしているの?と

問いたくなってくる。









冬の木立を見ていると 
まるで私たち人間のようだと思う。

地下茎で繋がっている植物はいざ知らず
あの木々たちは 一本一本自分の力で立っている。





冬の木々はその身に何も纏わず
全てを散りつくし そこに立つ。



春夏秋と輝く季節を生きて

やがて迎える冬枯れの時。









けれど それが「終わり」ではない。

裸になったその身に
次のあらたな生への力を秘める。

そして やがて来るべき春には
柔らかな淡い緑の芽をいっせいにふかせていく。










冬の冷たい空気の中 薄闇があたりを包み
長い夜がやってくる頃

そんな時刻に木々を眺めていると

この暗く広い宇宙の中
1人で生まれ たった1人で死んでいかなければならない
自分自身を感じる。






逝くときに どんなに多くの人々に見守られたとしても
死の門をくぐるのは自分一人なのである。

生死という大きな流れの中を
一人でくぐっていかなければならない。







だからこそ 今 生きているこの時に
自身の内部を強固なものにしていきたいと思う。

人ではない。自分である。

まわりがどう生きようが
自分の生き方を模索し続け ひたむきに生きるだけである。

生きていく中で他者への深い共感を持ち
人の思いに敏感であり続けたい。











冬の木立は私に教えてくれる。






自分の足で立て と。

自分の生を全うせよと。





死を迎えても

生命それ自体に終わりはないのだと。
















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Last updated  2015.12.21 23:39:41
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