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ひよきちわーるど

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2006.04.01
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カテゴリ:娘に

娘がスカートを翻し 部屋の中でターンする。

そのたびに 
桜で染めたその布はふわりと舞う。

自然の素材で染めた布はこんなにも美しかったのかと思う。




あのとき、自分の予想に反して桜色とはならず
淡いベージュに染め上がってしまった布を見て
私自身、微かに溜息などついていたのだけれど

そばでその布を見ていた娘は
「きれいな色。
 お母さん、これで私のスカートを作って。」と言ってくれた。




ひとつの色を見て 片や溜息をつき
そして片や「きれいな色」とつぶやく。

親子であったとしても 
色のとらえ方は微妙に違ってくるのだなと思った。





・・・それから私の悪戦苦闘は始まったのだけれど(笑)
どんな風に縫ったら着心地がよくなるか
どんなデザインにしたら娘が喜んでくれるだろうか
毎日あれこれと考えを巡らす日が続いた。




そして ようやく出来上がった娘のスカート。

薄ものの布であるので 
これからさらに暖かくならなければ着られないのだろうけれど
そのスカートを着てお出かけするのが 今からちょっぴり楽しみだ。






娘が「お母さん、またスカート作ってね!」と言ってくる。

ふふ、次に作るスカートのデザインね、
もうちゃんと考えているのよって 私もいたずらっぽく笑う。



そう、今度作るものは
蓼藍で染めたシルクのワンピースだ。

蓼藍の生葉染めでシルクを染め
その布でワンピースを作ってみようと思っている。





生葉染めで染めた絹は真っ青な色。

決して濃くはないのだけれど
天空の色をそのままうつしとった色。


その絹でワンピースを作り
そのワンピースの上にさらに
透明感のあるオーガンジーを重ねようと思っている。

そう、「桜の襲」のように。









娘に。

あなたはいつだって 私の元に豊かなものを運んできてくれる。



染色があまりにうまくいかず
その染めの方法の難しさに音を上げそうになった時
あなたは「この色きれい!」と言ってくれたね。

その言葉にどれほど勇気づけられたことだろう。





あなたがまだ赤ちゃんだった頃
育児の大変さに押しつぶされそうになっていたママに
「にこっ」と笑いかけてくれたね。



ペーパードライバーから抜け出そうと
冷や汗を掻きながら運転していたママに
あなたは「ママなら大丈夫。」と言って励ましてくれた。

そう励ましながら あなたは後部座席にちょこんと座り
5月の青い空を見上げて「鯉のぼり」を歌っていた。

その幼い歌声を聴きながら こんなに不器用なママなのに 
それでも娘は私を「母」として信頼してくれているのだと
強くならねばと自分に言い聞かせた。







あなたがいたから
ママはもっと強くなろうと思った。

優しくなろうと思った。


あなたのためにと頑張ってきたことが
培おうとした強さ優しさが 
今では私の人生を豊かなものにしてくれている。








みいちゃん

外を見渡せば 春の花でいっぱい。

明るい菜の花も 黄色のたんぽぽも
風に揺れるチューリップも

あなたを待っているよ。




そしてあなたが これから少しずつ大きくなっていく中で
もっと多くの花々に出会うのだろうね。

山吹 連翹 躑躅の花。
馬酔木 からたち 合歓の花。








夕暮れ時には 空を見上げてごらん。

黄砂の中で見るお日様はどこか白くて
不思議な感じがして。

晴れ渡った日の夕暮れは
ほんのり桜色で。 








そして もう少し暖かくなって
あなたが上着を羽織らなくても良くなった頃

もう一度 
夕焼け空を見上げてごらんなさい。






石楠花いろをした優しい淡い夕空が

あなたの前に広がっている。




















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Last updated  2015.10.27 09:49:09
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