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ひよきちわーるど

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2006.04.11
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カテゴリ:季節の美

ともに陥つる睡りの中の花みずき

    きみ問わばわれはやさしさをこそ


                 永田和宏






車を運転していると
街路樹が花水木であることに気付く。

夢見るように咲く花だなと思う。




花は白が好きな私ではあるけれど この花水木に関しては別。
淡い優しいピンクが好き。

陽に透けて空に向かう姿を見ていると
初々しさを感じる。






花水木と聞いてすぐに浮かぶのは
学生時代を過ごした八王子の街である。

19になったばかりの春。
それまで1年間過ごした女子寮を出て
私は八王子市内に1人住むようになった。

大学の規定により
2年生からは皆、寮を出なければならなかったのだ。



創立者の意向により女子寮では自炊生活。
みな多忙な生活の中、何とか時間を捻り出しては
狭い台所でお料理に立ち向かって(笑)いた。

そのおかげで1人暮らしを初めてからも
自炊することになんの不安もなかったのだけれど
それまで50人近い寮生とにぎやかに暮らしていた生活から
一転してたった1人の生活である。

不安で淋しくてならなかった。






1人暮らしを始めてからは 当然のことながら大学に通うにしても
何をするにしても交通機関を利用しなければならない。

寮生活をしていた頃のように 大学の教室から徒歩5分・・・などという
そんな環境ではなくなったのである。



八王子市内に住むようになったとはいえ、
当時私が住んでいたのは市内のはずれの高尾という町だった。

電車とバスを乗り継いで
大学へは1時間から1時間半ほどの道のり。

毎日毎日電車とバスに揺られ 自宅と大学との往復の日々だった。




・・・そんな私の目の前に拡がっていたのは
八王子駅前の花水木の通り。

春になると白やピンクの花水木が可憐に咲き
ともすれば不安になりがちだった私の心を慰めてくれた。







今でもこの花水木を見ると
1人暮らしを始めたばかりの頃の自分を鮮やかに思い出す。



優しい色に咲く花水木

そのそばを通り過ぎる人々

車の音 

頬を撫でる風




もう21年も昔のことなのに
思い起こすたび 胸があたたかくなる。

















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Last updated  2015.10.27 09:07:36
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