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ひよきちわーるど

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2006.04.15
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カテゴリ:短歌



杳い世のイクチオステガから

   われにきらめきて来るDNAの破片



                    井辻朱美




この人の歌も大好き。

この人の歌を読んでいると 地球何十億年にも及ぶ歴史を
まるで絵本のように 映画のフィルムのように眺めている気持ちになります。





「イクチオステガ」
3億6千年前、この種が水の中から陸上に上がってくれた故に
私たち人間は存在するのだな・・・と思うのです。

もともと生命は水の中で生まれたことを思えば
故郷とも言うべき水を離れて陸上に進出するということは
ある意味かなり危険なことではなかったかと思います。

もちろん彼らが 海からいきなり陸上に上がってきたわけではありません。




「イクチオステガ」からさかのぼること1億年。

最古の魚と言われている「アランダスピス」は
全長15センチほどの小さな、おとなしい生き物だったと考えられています。


・・・魚のね、進化の様子を見てみますととても面白いのですよ。
いろんな形態の魚が出現してくるのです。

「プテラスピス」など、頭の部分は甲羅に覆われているのに
胴体部分は鱗で覆われているのです。

川底にへばりついていた「ヘミキクラスピス」。

アゴを持ち、亀の甲羅のような頭を持つ「ボトリオレピス」。

そして やがて背骨を持つ「ケイロレピス」へと進化していくわけです。 
今、私たちが見る魚たちは全て この「ケイロレピス」の子孫だと言われています。



そしてもうひとつ重要なこと、
「ケイロレピス」の時代に 魚たちとは全く別の進化を遂げた生物がいたわけですね。

この「魚たちとは全く別の進化を遂げた」生物・・・「ユーステノプテロン」が
「イクチオステガ」はじめ私たち陸上動物の直接の祖先だといわれています。

この「ユーステノプテロン」 なんと肺をつくり出していたわけで
水中生活をしている段階から既に自分の体の中に肺をつくっていたのです。




最古の魚が出現して1億年。

その間に海から川に進出し 
腎臓を発達させ背骨をつくり 肺をつくり出し
最後の壁であった重力の壁を克服すべく「肋骨」をつくり
いよいよ「陸上」は目の前にあったわけです。




そして今から3億6千年前
とうとう水中から陸上へと進出することが出来たというわけです。

ついで長い時間を経て
陸上の主役は「バロサウルス」などと言った
恐竜へと引き継がれていくことになります。








「われにきらめきて来るDNAの破片」



「エデンの恐竜」(カール・セーガン著)のなかにおいて
私たち人間の中には 
これまで地球上に現れた全ての生物の脳が集積されているとあります。

魚、両生類、恐竜、哺乳類、猿人、原人・・・。
それら全ての脳が私たちの中に積み重なっているというのです。

今まで現れた生物たちの脳は何処にも行ってはいない。
ましてや消え去ったわけでもない。
それらは全て私たちの脳の深部に秘められている。

高い知能を有する部分も在れば、本能を司る部分もあり
それらがひとつとなって私たちの脳になっているというのです。







「地球の記憶」

おそらくは何千ページを使ったとしても語り尽くせぬほどの記憶を
私たち人間は その内部に隠し持っているのかもしれません。








海という藍に揺らるる

   長大な椎骨のさき進化の星くず




                    井辻朱美






















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Last updated  2015.10.27 09:03:12
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