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カテゴリ:季節の美
そろそろ西日本でも初雪の報が。 あさって日曜日から月曜日にかけてかなり冷え込むようですけれども ここ太平洋側でも もしかしたら初雪が降りてくれるかな?と心待ちにしているのです。 朝まだき人より先といそぎても なほ跡惜しき野辺の白雪 藤原為氏 雪国出身の人と南国出身の人とでは雪に対する感覚が違ってくるのでしょうね。 大学の寮に入っておりました頃 雪が降りますと 皆外に出て空を見上げておりました。 その、外に出てくる人を見ておりましたら皆南国の出身者だったのですね。 「雪だ・・・」と呟き 後は無言で暗い空を見上げるのです。 降りてくる雪を見つめながら 雪は決して丸い形で降りてくるのではないこと、 まるで欠片のようなかたちであること、 雨のように一直線に降ってくるわけではなく風にあおられながら舞い降りること。 ・・・そのようなことを初めて知りまして ただ言葉もなく空を見つめるのでした。 雪が降る夜は本当に静かなのですね。 雪が全ての音を吸収してくれるのでしょうか。 朝 戸をあけて出てみますと雪が一面に降り積もり どきどきしながら見つめていたものでした。 そう、この真っ白な自然のキャンパスに何かを描いてみたいと思う気持ちと この美しい世界をそのままにしておきたいという気持ちと。 その時にね、思ったのです。 どうして私たち人間には羽がないのだろうと。 もしも背中に羽があったならば この美しい世界を壊すことなく移動できるのにと。 この雪の中を移動するには どうしても自分の足跡をつけなければならなくなるわけでしょう? それがいやだったのです。 その美しい世界をそのままにしておきたかった。 雪国で育った人は 降り来る雪に数々の思い出を呼び起こし 雪を見ずに育った人は 天から降りてくる白い雪に 仄かに戸惑う。 ・・・・そんな静かな世界の訪れるのも きっともうすぐです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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