798613 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ひよきちわーるど

ひよきちわーるど

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2006.11.17
XML
カテゴリ:娘に

年の瀬も押しせまって参りましたが
この時期になりますと決まって体調を崩してしまいます。

もしやと思い実家の母に電話をしてみますと
やはり母も同じく体調を崩し臥せっているとのこと。

こういうときばかりは親子だな、なんて思ってしまいます(笑)。




母はあまりの体の丈夫な人ではありませんでしたから
この年末の時期になりますと、必ずと言ってよいほど体調を崩し寝込んでおりました。

ひよが中学生の頃など 母のかわりにお正月のおせちを作っておりましてね
やる気は十分なのですけれども、何せ技術がついていかないものですから
何とも風変わりなおせちが完成・・・ということもよくありました(笑)。

え・・・甚だ余談ではありますが「数の子」を煮ますと、どうなるか御存知?
真っ白になってぷりぷりになっちゃうんです(T‐T)

・・母が「もしや数の子を煮てはいないだろうか」と不安に思い寝床から出てきましたら
案の定、真っ白になったぷりぷり数の子を力無く見つめる私がいたそうで(笑)。








・・この時期になりますと思い出すことがあります。

ちょうど14年前のことでした。
私自身3ヶ月後に結婚を控え、慌ただしい毎日を過ごしていたのですけれども
着物を誂えなければということで1人、呉服屋さんに足を運んだのですね。

本当は母と一緒に行きたかったのですが 
この寒い時期に母に無理をさせてはいけないと思い
1人、呉服屋さんに行くことにしたのでした。


学生時代に呉服屋さんでアルバイトをしておりましたので予想はついていたのですが
やはり1人でいくものではないですね(笑)。

着物のことをよく知らぬ若い女性が1人で呉服屋に足を運びましても
店員さんの対応の、まあ素っ気ないこと。
まあ、そういうことになるだろうと予想はしていたのですけれども。

もうひと組、親子で来店なさった方のところには
2人の店員さんが「いらっしゃいませ」と笑顔で駆けつけていましてね。



・・もしも私が呉服屋さんで仕事をすることがあるとしましたら
来店した人に、こんなふうに淋しい思いは絶対にさせまいと思いました。

誰だって、1人で来たくて来ているわけではないと思うのです。
何らかの事情があって1人で来店せざるをえなくなり、
ちょっと戸惑いながらお店の暖簾をくぐっていると思うのです。






今、私には11歳の娘がおりますけれども 遠い将来彼女が嫁ぐことになりましたとき
どんなに無理をしてでも娘と一緒に呉服屋さんに行きたいと思います。
娘には、私と同じ心細さを味わってほしくないのです。

いざ嫁ぐことが決まり それから慌てて着物の準備をしたとしましても
納得のいくお支度が出来るとも思えません。
ですので、今から着物に対する様々な知識を蓄え、多くの着物に触れ
大切なその時に備えたいと思っています。





・・・今 我が家の桐箪笥の中には薄紫の着物が眠っております。
最初に出逢いました思い出のある訪問着です。
この着物を見ます度にある1人の方を思い起こすのです。


結婚前何軒かの呉服屋さんを訪ね そのうちの一軒に入りましたとき
1人の方が笑顔で「いらっしゃいませ」と声をかけてくださいました。

私は、これから数ヶ月の後に嫁ぐこと、
そして今日は訪問着を購入しようと思っていることなどをその方に告げました。

その方は私をじっとご覧になり
「あなたにはこの着物が似合うと思いますよ。」と言って
お店の奥から薄紫の訪問着を持ってきて下さいました。

そしてその訪問着に合う帯も一緒に選んでくださり
どの帯が一番よいだろうかと 2人でいろいろとお話しながら
楽しい時間を過ごすことが出来たのです。



・・・その方は1人で来店していた私に対し、
おそらくは何らかの事情を察してくださったのでしょう。

一言「私をお母さんだと思って何でも相談してくださいね。」と仰いました。

その一言が心に響き 
私はあやうく涙を落としそうになったのです。






娘が嫁ぐことになりましたとき 
出来ることならば母の私が一緒に呉服屋さんに行きたいのですが

もしも万一にでもそれが不可能だった場合
14年前私を助けてくださった方がいらしたように
我が娘を助けてくれる人がいてくださいますように・・・と願わずにはいられません。








着物につきましては私自身、まだまだ知らないことばかりですので
まずは9年後の成人式のお振り袖のことから調べ始め
ついで訪問着、留め袖、色留め袖・・・と時間をかけて調べていきたいと思います。

9年後の20歳の時にはどんな女性に成長していることだろうと
そして嫁ぐ時には・・30代、40代の時には・・・と
思いはまだ見ぬ先へと広がります。





おそらくは私自身、60代、70代の娘を見ることは出来ないでしょう。
ですが、それでもその時の娘の姿を想像し
60歳、70歳の娘に似合うような着物を用意しておきたいと思うのです。

今からそんな50年先、60年先のことをあれこれ思い煩うなど
確かにおかしいことかもしれません。






これから長い時間が流れて 
いつか私もこの世の者ではなくなるでしょう。


年老いた娘がその着物を羽織るとき
私の心もその羽織る着物と一緒になって 娘を包んであげたいと思うのです。















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015.08.21 23:26:08
コメント(0) | コメントを書く
[娘に] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X