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カテゴリ:季節の美
風邪をひいてしまい ここ数日間、体調は優れなかった。 今もまだ本調子ではないけれど やるべきことは山積しており ゆっくりすることなどできない状態ではある。 昨日は熱も上がり どうにもお昼ご飯を作ることさえできず 申しわけのないことではあるけれど 夫に車に乗せてもらい、お昼ご飯を買いに外に出た。 車の助手席ではシートを思いきり後ろに倒し シートに座る・・・というよりも車の中で横になって眠る状態。 そんな状態だと、当然の事ながら 窓から見えるのは空と雲だけ。 しばらく ぼーっと 蒼い空とゆく雲とを見上げていた。 ・・・見上げる中に、冬木立があった。 常緑樹と違い 色づいた葉を惜しげもなく散らし あとは細い枝をさらすだけの裸木となる。 若い頃は落葉樹よりもむしろ常緑樹に・・・ 変わらぬ常盤木に心惹かれていたのだけれど やはり私自身年を重ねてきたからだろうか 今では 葉を落とす落葉樹に惹かれる。 葉を全て落とさなければ とても 長く厳しいこの冬に耐えられない。 耐えられぬからといって この地より彼の地に移ることも許されない。 生きるこの場所で耐えゆくための知恵をしぼり やがて行き着いたのが 自分の身を包む葉を全て削ぎ落とすということだったのだろうか。 夏にはあれほどまでに生い茂る葉を 惜しげもなく風に散らしてゆく。 何もそこまでと思うほど全ての葉を、である。 そうしなければこの冬を超えてゆくことなどできないのだと、 そうしなければならぬほど 自分たちにとって冬は長く厳しいものなのだと。 ・・・・痛々しいほどの木立の姿は 厳しい時を乗り超えてゆくための潔い決意の表れと 今ではそう感じ取れるようになってきた。 だからこそ、 落葉樹に想いを寄せるようになったのかも知れない。 とうに立冬も過ぎ 日中の時間もますます短くなってきている。 けれど冬至を過ぎれば 一陽来復。 日脚は少しずつ伸び、光もつよさを増してゆく。 「東」という文字は 木の枝の間から太陽を仰ぎ見る、まさにその形なのだと どなたかに伺ったことがある。 太陽に限らず、その細い枝の間からこぼれるように光る星 音もなく昇る月。 冬木立の間から透けて見えるそれらの光を 私は仄かに愛おしむ。 冬の最中 自身を守るもの何ひとつとしてなく ただ 凛と立ちつくす裸木。 常盤木のような 並外れたつよさは持たぬけれど ひたむきに生きるその姿に つよく 惹かれる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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