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ひよきちわーるど

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2008.12.19
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カテゴリ:着物
先日、今年最後のお茶のお稽古が行われた。

ここしばらくは多忙であったのと、体調不良により
お着物でのお稽古ができていなかったのだけれど
今年最後だから・・・と思い、なんとか頑張って着物を着付け、教室に。


着物でのお稽古も、ようやく1年である。
最初の頃は一体どうやって着付けてよいものやら・・
本を見ながらの全くの独学であった。

帯をよいしょ、と背中に押し上げる時にも腕が攣り(笑)
帯板ってどんなふうに使うんだっけ・・・と途方に暮れたり
着付けるのにも小一時間ほどかかる始末であった。


でも、着付け教室に通うほどの気力、余裕もなく
何もないところからひとつずつ、自力で積みあげるのが好きな性格でもあるので
ああでもない、こうでもないとひとりごちながらのこの一年。

社中の先輩の皆さまにたくさんのことを教えて頂き
そしてまた、私自身もわからないところを臆することなく伺い
本当に、皆さまにお力を頂きながらの一年であったように思う。



このたびの体調不良により、着物を着るのにも体力が必要であることを痛感。
夏の絽や紗の着物であれば、その軽さ故それほど身体に負担もかからないのだけれど
これが袷のものともなると重みもかかり、想像以上の負荷となる。

やはり、1にも2にも体力なのだ(涙)。
ひよきち、頑張りますです。




社中の先輩ともお話ししたことではあるけれど
着物は、暖かい。

肌着を纏い、その上に長襦袢、そしてお着物。
重ね着をするのだから当たり前のことかもしれないけれど
それでも、感動的な暖かさである。

洋服の時に必要なコートが要らない。
ふわりと羽織る道行きがあれば十分である。

そして何より、腰を傷めやすい人にもうってつけ。
腰にしっかりと巻き付ける帯がコルセットの代わりをしてくれる。
おかげで少々腰の痛む日でも、着物を着付ければ難なく過ごすことも可能である。



そしてまた、少し矛盾するようではあるけれど、着物は涼しい。
夏など、着物のことを考えるだけで気が遠くなりそうではあるけれど
実際に纏ってみると、涼しいのである。

胸元から袖口から風が入り込み
一時の清涼感を味わうことができる。

一日中冷房の効いた屋内にいるときや電車内にいるときには化繊の着物を纏う。
そうすれば、過酷な冷房から身を守ることもできる。




着物のどういうところが好きかと問われれば・・・一体何と答えたものだろう。
着付けの最後に帯締めをきゅっと締め、背筋のピンと伸びる瞬間も好きであるし
コーディネートを考えることも好き。

ほんの少しだけ季節の先取りをして
この季節で言えば・・・お正月に備え 箪笥の奥から
宝尽くしの帯や松竹の帯を取り出してくるのも好き。




どちらかと言えば、訪問着や付下げなどよそ行きの着物よりも
おうちの中で過ごすような、さりげない何でもない着物が好き。

そのままお風呂掃除だってお皿洗いだって何でもできるような
そんな手軽なものが好きである。

今は子育て、仕事で毎日バタバタしており
はっきり言って着物を纏う暇などない状況。
お茶のお稽古があるからこそ、無理矢理着ている(笑)。

着物を着てゆったり・・というのは、自身が60代70代になり
子育てや仕事など、女性としてやるべき事をやり終えた上での
残された人生でのご褒美の時間・・・・そんなふうに考えている。

60代まであと20年。
その時の事を考えて、娘に残しておくべき着物はそのまま大切にしまい
自分の代で使い切るべき着物には手を加え
丈を思い切り短くし袖口を縫いつぼめ、上っ張りに作り直そうと思っている。

来るべき60代にはその上っ張りをふわりと纏い
孫娘と楽しい時間を過ごすことができればいいな・・・などと秘かに目論んでいる。




母親とは不思議なもので、自分のお稽古用のお着物にはそうこだわりもなく
他人様に不愉快な思いをさせなければそれでよし、と思っているのだけれど
将来娘が纏う着物、帯となると、もう一生懸命である(笑)。

大体において
車にはお守りのような物は一切置かず
(お守りが守ってくれるなどとは露ほども思ってはいない)
迷信などもそう信じることもせず
自分自身、おそらくは非常に合理的な面も持っていると思うのだけれど

一体、どうしたことだろう(笑)
着物の鱗紋を見ては「ああ、これは魔除けの意味を持つものだ」と頼もしく思い
宝尽くしの柄を見ては「我が子に幸あれ」と願いを託し
娘が他家に嫁いでも困らないよう、あれこれと心を砕きながらのお着物選びとなる。

娘が13歳の時ですらこうなのであるから、
娘が成人し婚約あいととのい、いざ本格的な嫁入り支度となれば
どれほどの神経を使うことだろう、と。

ましてや娘の出産、孫の初参り。
その時まで、這ってでも元気でいなければ・・・と。



それを思えば(このことは数年前の日記にも書いたことではあるけれど)
実家の母が私の娘のために、麻の葉模様の産着を買ってくれたことが思い出される。

こうやって代々の母は
我が子、そして孫の安全を祈り続けてきてくれたのだと。



着物は我が国の伝統衣裳、民族衣装ではあるけれど
それと同時に、多くの母が我が子のために心を砕き続けてきた
大切な証である とも思う。












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Last updated  2015.03.22 00:29:10
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