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ひよきちわーるど

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2009.06.30
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カテゴリ:白洲正子氏

白州正子氏の文章に出会ってからというもの
何かが、自分の中で変わりつつあるのを感じます。

上手く言えないのですが・・・
文章をとらえる感覚が違ってきたように思うのです。



以前は 美しい文章を読むのが好きでした。
流れるような文体、
そして文章の最後の部分がすとん、と収まるべきところに収まるその感覚。

美しい文章に触れることによって得られるその感覚を
こよなく愛してもいたのですが
最近は少しずつ変わってきているように思うのです。



白州正子氏の文体は、流麗というタイプではないように思われます。
しかし、人の心を掴んではなさない。
いつまでも心に残る。

西行の歌によせる氏の文章はまさに圧巻。
どこをどう書けば、氏の文章の素晴らしさを伝えられるのか分からないけれど
(いや、おそらく伝えることなどできない)

ここはもう、どうぞ氏の著作をご自分でお読みになってください、と
申し上げるしかないように思うのです。





先日、氏の「きもの美」を読んでいて
思わず、落涙してしまった箇所がありました。

氏の底知れぬ魅力のひとつは
この、あたたかみにあるのではないか、と。



ほんの少しだけ ここに抜粋してみたいと思います。


「若いお嬢さんなど、きものから帯、じゅばんから草履に至る、
 あらゆるものを揃えてくれと持ち込まれることもある。

 そういう方達にこそ、私は親切にしてあげたいといつも思います。
 自分もかつては、何も知らない若い娘だった。
 
 そう思うと、ほっとくことができなくなるのです。」


                    白州正子著 「きもの美」




・・・この文章に触れたとき、改めて
白州さんは10年も前にこの世を去ってしまわれたのだと

私たちは なんとかけがえのない人を失ってしまったことだろうと

今更ながらに思われたのでした。









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Last updated  2015.03.21 00:33:02
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