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ひよきちわーるど

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2010.10.15
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カテゴリ:my friend

この秋は、とうとう白萩を見ることなく終わってしまった。

紅萩はいたるところに咲き、すぐ目に付くのだけれど
白萩にだけは出逢うことができなかった。


徒歩で数分の所に、毎年白萩の咲くお宅があり
今年も楽しみにしていたのだけど
どうわけだか 今年は紅萩が花を咲かせていた。


・・・そこには確か白萩が植わっていたはずですが・・と
そのお宅の方に問うてみたいのだけれど

まさか、見ず知らずの方に唐突にお訊きするわけにもいかず
どうしてだろうと独り呟きつつ
少し淋しい気持ちを抱えてもいる。



前の年まで白萩を咲かせていた苗木が
突然、その色を変えたりすることがあるのだろうか。

・・・・そのようなことは今までに聞いたこともなく
一体どこに訊いたらよいものかもわからない。





・・・白萩の花を見るといつも思い出す人がいる。

その人とは大学時代、同じ寮に住んでおり
明るく活発で、本当に優しい人だった。


同じ時期に吉川英治の三国志を読了し、
一体この物語の中で誰が一番好きなのか、を語り合い

私は関羽を好ましく思っていたのだけれど
その友人は劉備玄徳のことを好きだといい、
その理由として 人としての深い優しさを挙げていた。





・・・私の21歳の誕生日の前日、
友人が「ちっちの部屋に遊びに行っていい?」と訊いてきた。

特に用事もなかったので「いいよ」と返事をしたのだけれど

友人は私の部屋に遊びに来る前に一言、
「ええか? 私がちっちの部屋に行く時にはな
 誰も部屋に来させたらあかんで」

2人で一緒に過ごしたいからな、と
いたずらっぽく笑った顔を今も覚えている。



そして部屋に入ってくるなり
「ちっち~! 誕生日おめでとう~~!」と笑顔で。

いや、その、つまり(笑)、
誕生日は明日なんだけど・・・ということでお互いに笑いあい
その夜は2人、遅くまで様々なことを語り合った。




その友人が言ってくれた言葉が今も胸にある。

友人に言わせると、私という人間は、
つよく生きてゆけるのだろうかと思わせるような
そんなタイプに見えるのだそうで

けれど長くつきあっていると どこにあってもたとえ1人でも
きちんと生きてゆける人だと気付くのだ、と。

花にたとえれば白萩だ と。




萩は実に生命力豊かな植物であり
荒れ地にあってもしっかりと根付き
そこから枝を伸ばしていく。

毎年花の終わる頃に根元からばっさり剪定をするけれど
翌年には芽を出し、2メートルほどの高さにまで生長する。




友人に言われるまで、私は白萩のことを知らずにいた。

おそらく目にはとまっていただろうけれど余りに目立たぬ花で
記憶に残っていなかった。




どこにあっても強く生きていく花、
その花に似ていると言ってくれた友人。

その言葉は今も私の胸の奥にあり
支えとなっている。





・・・この夏も友人から電話がかかってきた。

本当に嬉しかった。

お互い40代の半ばであり
友人は3人のお子さまのお母さん、

きっと優しい、愛情深いお母さんなのだと思う。



ちょっと照れながら

「大学時代にね、こんなに純粋な人がいるのだろうかって
 ずっと思っていたんだよ」と言うと

電話の向こうで友人ははにかむように笑っていた。





○○、本当にありがとう。

お互い出逢ったのが18歳の時だったけれど
今度生まれてくるときには、もっと早く逢いたいね。


今は東京と兵庫とに離れてしまっているけど
本当は、ずっと一緒にいたかった。






あなたが伝えてくれた言葉

温かな笑顔

いつも、いつも、私の心の中にある。





秋も深まり 白萩の花はもう散ってしまったけれど


あなたが贈ってくれた心の花は

ずっと 私の中に咲き続けている。















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Last updated  2015.03.12 08:58:06
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