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カテゴリ:娘に
娘がまだお腹にいた頃 毎日せっせと毛糸でおくるみを編んでいた。 まだ男の子か女の子か分からなかったので 毛糸の色は黄色。 柔らかなひよこ色である。 毎日少しずつ編みながら、今、私は 自分の気持ちも一緒に編み込んでいるんだなあ・・・と思っていた。 今、手元にその時のおくるみがあるのだけれど 編み目もところどころ不揃いで お世辞にもあまり上手とは言えない(笑)。 だけど、宝物。 赤ちゃん、元気に生まれてきてね お腹の中は窮屈じゃない? どんなお顔をしているの? ・・・そんなことを思いながら 大事に編み続けていた。 しらぬひ筑紫の綿は身につけて いまだは著ねど暖かに見ゆ 万葉集 巻三 335 実は今日、園芸店にて綿の実を目にし そのほわほわ感に一目惚れ(笑)。 一瞬で、たちまちのうちに 万葉集の時代に戻ってしまったわけである。 ・・・この綿の実をほぐし、糸を撚って織り上げて 一枚のあたたかな布に仕上げ それを我が子に着せることができたなら・・・と。 どんな寒さが襲ってきても この一枚さえあれば 我が子が寒い思いをせずにすむ・・。 園芸店の軒先、ひとつの綿の実の鉢植えを前に 独り、妄想全開である(笑)。 大体にして、この平成の世、 お店に行けばもっと暖かな衣類などたくさんそろっている。 そんな世において、あなた、 何も綿の実を前にそんなこと考えなくても・・・と 自分で自分が可笑しくなってしまった。 でもね、万葉集の時代、この綿は本当に貴重なものであっただろうし 自分は寒い思いをしてもかまわない、 けれど我が子だけは何とかして・・・と願う母親の心が思われ 時がどんなに流れても 子を思う母の心には何の変わりもないことも思われて。 今、私が娘に何か編むとしたら どんな風に仕上げていくのだろう。 編みすすめていくたびに 娘の名を心で呼び 幸せであるように、病気をせぬようにと 願いとともに編み込んでいくのだと思う。 これから数十年後、娘がおばあちゃんになる頃には 私はもう、この世にいないけれど どうか私のかわりに 娘を包んでほしい と願いながら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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