ひよきちわーるど

あの頃、まだおしめをしていた娘もいつの間にか受験生。

昨日も実力テストが終わったようで
「終わった～！」と叫びつつのご帰還。

この「終わった」という発言には２通りの意味が込められており
ひとつめは、文字通りテストが終わったという意味、
そしてもうひとつの意味は「もう、何もかもおしまいだ」との意味（笑）。

彼女によれば殊に数学が終わってしまっているようで
無理もない、そなたの母君もまた中学高校時代、
理数系の科目はとっくに終焉を迎えていた(/_;)



娘は女の子であるので、そうがむしゃらに
勉強に打ち込まなくても良いかなという思いはある。

はっきり言って、いわゆるお勉強が良くできて
そのおかげで上手く生きていけるのは高校３年生まで。

だからこそ、娘には
生きていく上での頭の良さをこそつかんでほしいと願っている。




自身を振り返れば（詰め込み式の）高校生活を経て
私立や国立、いくつかの大学を受験、何とか合格することも出来
両親の薦めもあって私立に進学。

その私立にて・・・本当に落ち込むことばかりが出来（涙）。



入学式の夜、同じ寮の人に
「今日の入学式の創立者祝辞の中に『一流の人材に』とあったけれど
　一流の人材の資質ってなんだと思う？」と問われ

・・・・ほとんど何も答えられなかった自分。


入学式初日からいきなりやられた、という感じだった。


いや、同室の人にやられたというのではなく（笑）
自分の考えの無さ、引き出しの無さ、

学校の教科書から離れてしまったら
自分の中には一体何が詰まっているのだという情けなさ。

その不甲斐なさにやられてしまった。




私の進学した大学は、エスカレーター式で中学高校からそのまま上がってきた組と
一般の入試を潜り抜けてきた組とで構成されていた。

エスカレーター式の学生達の
その考え方のなんと柔軟なこと、そして回転の速いこと。


それに引き替え　私たち一般入試組は
確かに重箱の隅ををつついたような問題に対しては
力を発揮することも出来たのだけれど

何と言ったらよいのだろう・・・
総合的なものの見方、物事の進め方、他者との関わり方等々

エスカレーター式、中学高校一貫教育の中で育ってきた学生の方が
本当の意味において優秀なのである。
圧倒的に。



・・・これらの現実を前にして
私は完全に打ちのめされてしまった。

生きていく上で、なんと私は無力だろうと。
そして本当に無知だ、と。



今の私が、娘に対し
生きていく上で頭の良い人になろう、と口癖のように言っているのは
この時の苦い経験があるから。

時間の管理、家事の切り盛り、人との交流の仕方。
その中で良書に親しみ、真っ当に生きる術を身につける。




・・・今では私立を薦めてくれた両親に最大に感謝している。
この大学で、私は人間として大切なことを学ぶことが出来た。

生涯の親友、そして伴侶にも出逢うことができた。



・・・数年前の日記にも書いたことではあるけれど
私立への進学を決めた際、
高校の先生方の大反対にあってしまった。

職員室にて２０人ほどの先生方に囲まれ
詰問、訊問である。


先生方は「よりにもよってあんな私立に行くことはない」と仰り
自分の人生を大事にしろ、とも仰った。



確かに、就職やその他のことを考えれば
国立の方が有利だと思う。

けれど、確かに有利ではあるけれど
即、幸せにつながるとは思えない。

幸せかどうかを決める鍵は
もっと他のところにある。




けれど、これがもし我が子が男の子であったなら
もう少し、教育方法も違っていたと思う。

（矛盾するようではあるけれど）やはり競争社会である。
その中で妻子を守っていくだけの底力を蓄えなければならない。

故に、進学塾に通い
競争力、学力を伸ばせるよう、十分に対策を練っていたと思う。




・・・今の娘の学力で考えれば
おそらくは○○高校だろうなあ・・・とおおよその見当はつく。

その高校での生活がどんなものなのか
少々心配な気もしてくる。

授業中は私語を慎もう、掃除はきちんとやろう、
行事にもすすんで協力しよう、という真っ当な高校生活であるならば
何処でもいいと思っている。




私たち親が、我が子の受験に際し
あれこれと気を揉むのはひとえに子どもの幸せを願うからこそ。



試験の結果に一喜一憂するも良し、
親子で二人三脚頑張るも良し、


全国の受験生、その親御さんに対し
「頑張りましょうぞ！」との気持ちで

とにかく　みんなが幸せの方向に
まっすぐに向かうことが出来ますように・・・と
そんな風に　願っている。