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カテゴリ:生と死
一昨年の12月、手術を終え十数時間しか経っていない時に 執刀医から聞かされた言葉。 そしてその翌年の1月初旬、 再発する危険のあること、 そして他の癌ならよかったのに・・・と あなたのは非常にたちが悪い、と、 さらに春には 再発したら治療法は無し、余命は数年とのこと。 どの言葉も、ひとりでいるときに伺ったもの。 家族はそばにいなかった。 その言葉を伺ったとき 正直言って・・・誰のことを言っているのかピンとこなかった。 まるで居間でテレビを見ているような、そんな気持ち。 診察室を出て 病院を出て 神戸の街を少し、彷徨った。 強くあろうとする自分と、弱い自分と 楽観的な自分、悲観的な自分、 感情的になる自分も冷静に物事を見つめようとする自分も。 本当に・・・僅かな時間の間に 様々な「自分」が湧き起こった。 自宅に戻り仏前に。 祈りながらこれからのことを考える。 執刀医から本当のことをしっかりと教えていただいたことは 私にとって幸せだった。 「本当のこと」を知ったときから、何もかも始まる。 ・・・本当に人生は有限なのだと思った。 死は前からやってくるものではないという言葉にも、今なら共感できる。 死は「さあ、来るぞ、来るぞ」と大声で言いながら 自分の目の前にやってくるものではない。 こちらが一心に前しか見ていないとき 後ろから 音もなく近付く。 そして「あなたの番が来ましたよ」と言わんばかりに 背を軽く叩く。 矛盾するようではあるけれど 生は有限であることを自覚すると同時に 三世のいのちについても深く考えることが出来るようになった。 ああ、そうか、私は生まれてくるたびごとに (もしかしたら)短命で終わるタイプだったのかもしれないと。 過去世もそうだったのかな、と。 そう思ったときに、今世でその繰り返しを断ち切らねば、と。 シナリオを劇的に変えてゆくための信仰ではないかと あらたに決心をすることも出来た。 ・・・・そう思った時に 改めて いのちは永遠であることを実感。 今世での「○○○○という名を持った私」は 確かに有限ではあるけれども 生死を越えたいのち・・・「我」は永遠に続く。 それこそ「不死」である。 過去世の自分が一体何歳まで生き延びたか それは分からないのだけれど 過去世の自分から今世の自分に対し、 「人生は思ってる以上に短い。より良く生きよ」と 呼びかけていたのかも知れない。 その、過去の自分からのメッセージを 今になってようやく受けとることが出来た・・・・そんな思いでいる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.01.26 10:20:05
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