|
テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:教育
先日の日記に書いたとおり、香港人の浅はかさ、理解力の低さは致命的だと思う。
もちろん私が知らないだけで賢い人はいるところにはいるのだろう。 特に中国(香港)では理屈の通らない非科学的な迷信が家族の中で綿々と受け継がれているわけで、こういう話は香港人と結婚されている日本人からも、半分まじ、半分笑い話としてよく聞かされる。 誰が考えてもおかしいと思うような迷信、習慣に、疑問を抱くことなく受け入れてしまえるのは香港の教育が薄っぺらだからかもしれない。 私はうちのスタッフの8歳になる息子の宿題、ワークブックを通して香港の小学校教育を垣間見ることができるのだが、やっている内容は特に日本と変わりなく、ひょっとしたらもっと複雑かもしれない。とにかく教科書を見ていても理解しにくい内容のものもある。 そして一番の問題は、教える言語が日本のように一つではないということだ。 香港では中文学校、英文学校と二つにわかれており、英文学校があるのはイギリスの植民地だった名残で、以前は英文学校に通わせることで英語が身につき、子供の将来がひらけると誰もが信じていた。 しかし、英文学校とは言え、教える先生は香港人で、教科書がいくら英語で書かれていてもその内容を広東語で説明するため、結局英語が中途半端なまま大きくなるといった感じで、そんなことをするぐらいなら母語で教えた方が定着するのでは?という疑問が生まれ、いつしか教育省の方針もかわり数年前には英文学校の多くが中文学校に変わらざるを得ない状況に追い込まれた。この時は多くの親たちが反対をしたけれど、実際母語で教えた方が理解度はずっと高まるに違いないと私は信じている。 それに香港人の英語力は年々落ちているらしいし… スタッフの息子ジミーは英文小学校に通っている。 算数、Scienceは英語の教科書(といっても参考書みたいな感じ)を使っており、生徒の英語レベルを無視した難しい新出単語がどの単元にもあらわれる。 だから新しい単元になると、重要な単語をピックアップして表にしたプリントが配られる。彼が今、英語の教科で習っているレベルと比べても格段に難しい内容だ。 ジミーの家庭では英語はほとんど使われない。特に父親はさっぱりというほど英語がわからないので、彼にとって英語とはこの先もほとんど使うことがない言語になりそうだ。 なので、英語の教科書で新しいことを習っても、先に書いたように説明は広東語でされるので、彼の頭の中には広東語の概念しか残らない。でもテストには英語で出るので彼が中途半端にしか理解していない場合は、うっかりミスを繰り返してしまうことにつながる。 例えば、「あなたは学校から帰ったらすぐに手を洗いますか?」という質問があって、Yes or Noのどちらかに丸をつけなければならないのだが、こんな問題は意味さえわかっていれば悩むようなものではない。でも彼はこういう問題でも英語が完璧に理解できていないので間違えるのだ。 まだP2だが、教科書に出てくる説明文の英語は簡単とはいえない。これからもどんどん難しくなっていくだろう。 香港人の多くがこのような教育を受けていたとして、ジミーと同じようにあいまいなまま理解して先に進んでしまうと、結局大人になった時に深く考えることができない人間になってしまうのかもしれない。 教育省が数年前心配したとおり、教育はやっぱり母語で行うのが一番だと思う。 もちろん英語も大切だけれど、英語なんて必要に感じた時に勉強しはじめても遅くないと思う。 特に、教科書があまり丁寧に作られていないと感じるので、ワークブックのような内容のシンプルなものを使うことをやめて、もっとしっかりとした香港人による香港人のための教科書を作る時期が来ているのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[教育] カテゴリの最新記事
|