ハンドメイドのある暮らし
子どもの洋服をつくり続けてもう何年だろう。今ではもう、こどもの服を作ることは暮らしの一部となっています。『この頃大きくなってきたな、そろそろサイズアップして作らないと』『あ!ズボンのヒザが破れてる!直さなくては!』『春になったら可愛いワンピースが欲しい♪』季節が変わる毎に作るものがあります。布を見せると、こども達は、1枚の布を目にして目をキラキラとさせています。『可愛い生地!素敵!!何になるの?!』こども達は知っているのです。1枚の布から洋服が出来上がること。各工程を経て、少しずつできあがること。そこに愛情が込められて完成していくこと。出来上がるまでのワクワク感、完成したときの喜び。こうして手に入れた洋服は、かけがえのない洋服になります。たとえちょっぴり縫い目が歪んでいても、失敗したところがあったとしてもこれ以上にない特別な洋服になるのです。つくる私にとっては、こども達の嬉しそうなキラキラした目が特別なプレゼントのようです。興奮して試着するこどもを見ると、嬉しくなります。さらにその服を着て出かけると、こども達が誇らしそうに着ています。失敗している服でも、誇らしげ。特別なんですね、きっと。出来合いの惣菜を買うのではなく、料理を作るように、出来合いの洋服を買うのではなく、ハンドメイドする。完成するまでは少し時間がかかるけれど、その間も楽しくワクワクできる。『この生地で何を作ろうか?』『この服の形にはどんな生地が合うかな?』また新しいワクワクを求めて、私は次に作るものを妄想する。この時間が実に幸せなのです。