新アニメをつくろう(13) 「構想」から「概要」へ 起承転結
1起:がんばれ息子よ 主人公は、建築会社のサラリーマン。彼の悩みは、小学生四年の息子が学校での 生活に対応できず、教師から普通の教室では、無理だという話があったのだ。 何とかして欲しい!担任教師に託すが、息子は、ひどい、いじめに合っていて、 それを煽っている張本人が、この教師だったのだ。 それも、この教師にとっては、他の子供から笑いをとるためのジョークにしか 過ぎなかった。 息子を、なんとかしてもらいたい。息子は、少し周りとコミュニケーションが、 とれないだけなんだ。 直接、教師の家を尋ねることにした主人公。教師の家から、女性が出てくる。 (奥さんかな?) 主人公に気付いて、青ざめる女性。そのまま、擦れ違う二人。 ホッとして、そのまま,足早に立ち去ろうとする女性に 「息子をよろしく頼みます!」 ずっこける女性。教師本人が女装していたのだ。2承:町内会 ある有力者の家で、町内会の会合があった。町内会担当地区での、コミュニケー ションが目的の立食パーティで、親子で出席することになっていた。 しかし、町内会とは、名ばかりで、その家の母親が出来のいい娘と、財力を見せ びらかしたいのだ。 娘がピアノを演奏している間、ずっと自慢話だ。 娘は、ピアノの天才であること。その天才を育てた自分の優れた教育方針。 金をかけた自慢のガーデニング。 さすがに、疲れるものだか、誰もが、この家の主人に世話になっているため。 話を合わせている。 また、主人公にとって、商談中のお得意様だった。娘を褒め、家を褒め、庭を褒め、 いい所を見せようとするとするが、息子が大失敗を演じてしまう。 息子が、自慢のガーデニングを踏み荒らしてしまったのだ。 天才ピアニストの母親の悲鳴が上がる。 子の失敗を、謝らせようとする主人公。 しかし、今日の息子は異常だった。主人公の手を振りほどこうと暴れだしたのだ。 父親に逆らうなど初めてのことだ。 取り乱す、主人公。逃げようとする息子を捕まえ、カッとなって叫ぶ。 「父さんがいないと何もできないくせに、言うことを聞きなさい!」 泣き出す息子。 しかし、一番、ショックを受けたのは、主人公だった。 「がんばれ」「あきらめるな」「お前はやる気になれば、何でもできる」 そういっていた自分が、なぜこんなことを・・・ほんとうは、心の片隅で、 そう思っていたのか。 子供に声をかけようとしたが、子供を抱いた妻が、すごい形相でにらんでいた。 この家の主人に、部屋に来るよう、呼び出された主人公。妻と息子もいっしょだ。 内容は、主人公の、子供に対する叱り方だった。 「彼は、まだそれが悪いことだとは分からないだけだ」「やがて、分別はつく」 「こどもを信じてあげなさい」「怒るだけが、教育ではないよ」 「君は商談のときも、そうだが、自信がなさすぎるのだ」 だが、部屋に入る親子を見て、顔色を変えた子供たちがいた。 「おい、どうする」「まずいよ」「バレたんだぜ」 そのうちの1人は、主人公の息子 をいじめていた中心人物だった。 「まずいな・・・親父こわいんだぜ」 なんと、その子は、この家の子供だった。 すごすごと、家に帰る主人公たち。他の親たちの視線が痛かった。 主人公が、帰った後で、3人の子供たちが、おそるおそる部屋に入ってきた。 母自慢の庭に、主人公の息子を放り込んだのは、確かに自分たちだが、ちょっと ふざけあっただけだというのだ。 だか、すぐに、ばれる事になる。妹が、兄たちは、いじめの常習犯であることを、 父親に告げるのだ。 張り飛ばされる兄、しかし、父親の怒りは、良いことしたと得意そうな妹にも向け られた。 その、いじめを黙ってみていた、お前も兄たちと同じだと、怒鳴られる。 大声で、泣いている子供たち。唖然としている他の親子たちに、有力者が、尋ねる。 「彼の息子を、いじめたもの、それを知っていたものは他にいるのかね。」 おどろく親たち。なんとそこにいる、子供たち全てだった。 「なんてことだ。すぐ、謝りに行こう。」3転:本心 夕方、主人公の家の前に長蛇の列ができる。 皆、主人公の息子をいじめた、見ぬふりをしていた子供と、その親たちだった。 彼らが帰った後も、有力者の娘が何かいいたそうに、主人公の前に立っていた。 が、何もいわず帰っていった。 その晩、息子も妻も、口をきいてくれなかった。 泣き疲れて寝ている息子の机に、自分の似顔絵が置いてあった。 「はは、うまいな・・・いつのまに」 あきらかに、小学生のレベルを超えていた。 だが、主人公の「心」を鷲づかみにしたのは、絵のうまさではなく、 自分の顔の表情だった。 「おれは、この子の前で、こんな自信のない顔をしているのか?」 主人公は、一晩中、今までの息子のことを思い出していた。 生まれて体の弱かった息子に、学校の行事ばかりか、 近所の友達とも、遊ばせなかった。 息子をこんなにしたのは、他ならない自分自身だと気付く。 リビングで、頭を抱えたまま、朝を迎えた。 朝、有力者の娘が、また、ひとりで、家を尋ねてくる。 教師は、怖かったが勇気を振り絞って、いじめを煽っていた張本人だと主人公に話す。 すごい形相で、家を飛び出す主人公! 「あなた!!」と、妻。 「たいへん、先生を殺しちゃう」と、少女。 「ど、どうしよう・・・そうだわ!」 妻は電話をかける。 かけたのは、夫の会社だった。 「本日は休ませて・・・」 ずっこける少女。妻は取り乱しているのだ。 「私、お父さんを呼んでくる」と少女。 主人公、自分の息子を追い越してても、気付かない。「パパ?」 職員室 いじめを煽っていた教師に詰め寄る主人公。 「また、息子さんのことですか、私も、誠心誠意がんばっているんですがね。」 「このままでは、他の生徒に悪い影響が・・・」 鼻づらにパンチ 他の教師に、羽交い絞めにされながら、思いの全てをぶちまけることになる。 「息子は体が弱かったんだ。少し運動させるとすぐ熱を出した。」 「だから、何もさせなかった」 「いつの間にか、息子は自分が何もできないと思うようになってしまった。」 「ダメな父親だよ・・・まったく・・・・」 「しょうがないだろ。心配なんだもん。・・・心配で、心配で・・・」 「息子が・・・(もう声にならない)」 後ろで、その息子が聞いている。 「むすこが・・・かわいい、可愛くてしかたがないから・・・。それが・・ それが悪いことか!!!! 後から来ていた妻が、息子を後ろから抱きしめる。 有力者も、来ていた。娘が知らせたのだ。気がついた教頭が、駆け寄る。 「あの・・何事です」 何も言わず、娘の頭をなぜる有力者。 最初、殴られたことを、警察に訴えると叫んでいた教師だが、 有力者の影響力は、学校でも大きく、何もなかったことになった。 4結:運動会 なんとなく、同じ部屋にいる主人公と息子。息子は新聞紙に、何かヒーローものの 絵をかいている。 やがて、主人公が、その横に、おかあさん怪人を描く。(頭に角が生えている)。 クスッと笑う息子。 だんだんと、一心に二人で、絵を描き始める。 ご飯を食べなさいと妻。顔を上げた、ふたりの、鼻にクレヨンがついている。 運動会、相変わらず、運動が苦手の主人公の息子。 あらかさまに、息子をののしる教師(この前のことを根にもっている)。 またかと、うんざり顔の生徒たち。 このいじめ教師、ことなかれの学校方針で生き延びているのだ。 しかし、最近、息子は周りの声を余り気にしなくなっている。 じっと、クラスの応援旗を見比べている。 応援旗の絵は、息子のクラスのものが一番うまかった。 にんまりと誇らしげに笑う。 表彰式なのだが、それよりも、みんなの目が教師に向けられている。 みんな、クスクス笑っている。背中に、女装した教師の絵が、その背中に 貼り付けてあった。 息子とクラスメイトが、いっしょになって笑い合っている。 「おまえ、やるじゃん」いじめっ子だった少年が肩をたたく。 「あ・な・た」と妻。 ふりむく父親の鼻にクレヨンがついている。 息子を見ている顔が、誇らしげに笑う。 -終ーこんな、感じになりました。どうでしょう。まだ、「ジャンル」の要素は、入れてませんし、その後に「味付け」という作業がありますが大まかな、人間模様は変わりません。さて、次回は、「ジャンル」の要素を取り入れます。未来もの、ヒーローもの、超能力もの、変身もの、家族もの、冒険ものさて、どうなることやら・・・。