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カテゴリ:お局真紀子の素敵な毎日☆OL編
東京でのOL時代、私は、無愛想で優秀な後輩の渡辺くん、
かわいくて若干天然系のナオコとともに、心から尊敬できる 上司がいました。 この上司、私より1歳年上でしたが、専門学校卒でしたので、 私が入社したときにはすでにバリバリのグループリーダー。 例外的に早く出世をした人です。 当時、朝のお茶を出すのは女子社員の役目。 仕事中に何か飲みたくなったら、たとえ部長でも 自分で作りに行く、という当時の日本の会社では 比較的進歩的な会社でしたが、朝のお茶と、 前日のカップ洗い、トイレや給湯所のタオル洗いは 女子社員だけが順番に担当していました。 毎朝、だいたい誰が何を飲むかは決まっていたので、 ほとんどの人には何も聞かず、飲み物を準備をしていました。 ただ、ごくわずかの先輩は、ときどき飲み物を変えるので そういう先輩にだけは、何を飲むのか聞いて準備していました。 くだんの上司は、毎朝、ブラックコーヒーを飲む人でした。 ですので、ごくたまにしか、何を飲むか聞く必要はありません。 あるいは、どうしてもほかが飲みたいときには自分から 言ってきてくれる上司でしたので、実際にはこちらから 聞くことなどほとんどなかったのです。 が、私は毎朝、飲み物をときどき変える先輩に聞くついでに その上司にも、何を飲むか聞いていました。 私: 「何を飲まれますか?」 上司:「コーヒー」 私: 「何を入れましょうか?」 上司:「何も入れない。」 翌日 私: 「何を飲まれますか?」 上司:「コーヒー」 私: 「何を入れましょうか?」 上司:「何も入れない。」 翌日・・・そのまた翌日・・・ そんなことが2週間ほど続いたあと、とうとう、上司が しびれを切らして言いました。 上司:「毎朝、同じものを頼むんだから、いちいち聞かなくていいよ。」 私: 「わかりました。で?」 上司:「何も入れない。」 私: 「わかりました。」 給湯室に行き、みんなの分の飲み物を準備して、 それぞれの席に配りました。 もちろん、上司の席にも、配って歩きました。 上司:「ありがとう・・・」 上司:「なっがおさぁ~~ん!何も入ってないよ~!」 上司の叫び声。 私は平然と上司の横に戻り、答えました。 「先ほど、『何も入れない』とおっしゃいましたので」 そう、私は、上司にカップだけを置いて横を通り過ぎたのです。 周囲は、すでに就業時間に入っているのでまじめな 顔はしていますが、吹き出しそうになっていました。 上司:「悪かった。コーヒーだけ、入れてきて。」 私: 「わかりました。」 給湯室に上司のカップを持って行き、コーヒーを入れて戻りました。 上司:「ありがとう・・・」 上司:「なっがおさぁ~~ん!コーヒーしか入ってないよ~!」 上司の叫び声。 私は平然と上司の横に戻り、答えました。 「先ほど、『コーヒーだけ』とおっしゃいましたので」 とうとう、気難しい課長まで、吹き出しました。 上司:「悪かった。コーヒーとお湯を入れてきてください。」 そう、私は、上司のカップに、コーヒーの粉だけ入れて 上司に渡したのでした。 この、たった1回のいたずらのために、私は数週間、 上司の不興を買うことも恐れず、しつこくしつこく 飲み物のメニューを聞き続けたのです。 翌日から、上司は私に必ず、自分から声をかけるようになりました。 上司:「長尾さん、悪いけど、僕には、コーヒーの粉とお湯をお願いします。」 私: 「わかりました。」 先般、「家政婦のミタ」という番組が非常に高い視聴率で話題になっていた。 が、あの様子を見ていて、私は20年以上も前に、この雰囲気で上司と 毎朝の会話をしていました。 上司にいたずらを仕掛けるために、表情を消していたのです。 (仕事の指示などのときには、普通に話していましたが) いたずらを仕掛けるときの鉄則: 絶対に笑わないこと。 一回しかきかないいたずらには、完璧な下準備を要すること。 そして、二度と同じ手(同類も)は使わないこと。 こんなことばかり書くと、東京でのOL時代って冗談ばっかり やってたような気がしてきました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年10月17日 11時12分47秒
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