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2012年10月20日
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東京でOLをしていたころ、職場には協力会社の人が常駐していた。

私のグループにも、若い男の子が入ってきた。
この彼、ジャニーズ事務所に所属してもおかしくないほどの
ハンサムボーイ。
今で言うところの「イケメン」。

性格が親しみやすく、いつも笑顔の子だった。
しかし、極端に人見知りだった。

常駐が決まり、私の横の席に決まったときも
1週間以上、ほとんど誰ともしゃべらず
よほどの無口かまじめな子だと思っていたが、
慣れてくると親しみやすいのがわかった。

極端に人見知りで、朝の挨拶すら顔を真っ赤にして
口ごもりながら入ってきたMR.ハンサム。

渡辺くんとは正反対の性格だったので、
周囲のOLとしては、あるときは渡辺くんを、
また別のときはこのMR.ハンサムを、と
TPOにあわせていじる相手を使い分けていた。
(どういう会社だ?!)

このMR.ハンサムがあるとき、仕事中に鼻歌を歌った。

「タンタンターン、タンタンターン(ミミミ、ミミミの音で)、」

そして、その続きを促すように私に振り向いたので、
まじめな私はここで鼻歌の続きを歌っちゃいけない、と
思いつつ、

「タカタカタンタンタン(ミファミレドシラ)」

と、青い山脈のイントロを歌った。すると、
MR.ハンサムは驚いた顔をして、

「長尾さん!長尾さんて年寄りなんですね!
ここは、普通
『タンタンターンタタ-ン(ミソドーレミー)』
で、ジングルベルでしょう?!」

と言う。そして、ゲラゲラ笑う。
このあと、その場にいなかったOLに次々に
聞いては、からかって面白がっていた。
(ジングルベルを歌ったほうには、青い山脈を返して
それらしいことを言っていたようだが、何といったのかは
忘れた)

マシン室で隣に座って作業しているときに急に

「ごー」

と私に声をかけてきた。意味がわからず

「えー?」

と返事をすると、真剣に驚いていた。

MR.ハンサム:
「何で、『ごー』の返事が『えー』だって知ってるんですか?」

私: 「えっ?何、それ?」

MR.ハンサム:
「あ、偶然っすか・・・。びっくりした。
実は、僕の高校では、『ゴメン』『ええよ』を略して
『ごー』『えー』って言ってたんっすよ。」

知るか、そんなこと!

社屋の隣にローソンがあったので、出勤前や昼休み、休憩時などに
気分転換にローソンに買い物に行くことがある。
商品に貼られている値段札で盛り上がったことがあった。

「商品に直接貼られている値段札で今まで見た中で一番高額なのってどれくらい?」

もちろん、前に置かれている値段プレートや、商品タグはダメである。
商品に直接貼られた、シール状の値段札のことだ。

「マツタケのパックに貼られた8,000円くらいかなぁ」
などなど、みんなで結構盛り上がった。

「じゃ、逆に一番小額は?」

チロルチョコなど、小額すぎて、値段札が個別に貼られることが
なかったので、せいぜい50円くらいしか見たことがない、
ということだった。

私は思いついた。

「じゃ、これから一週間で、実際に商品に貼られている値段シールで
一番安いのを見つけてもってきたら、その人に夕食で吉宗の茶碗蒸しを
ご馳走してあげる。」

吉宗は、銀座にある長崎料理屋で、ここの茶碗蒸しがこのころ
私たちOLのお気に入りだったのだ。

期日に、みんながそれぞれ値段シールを持ってきた。
(こういうことになると、全員、期日をちゃんと守る)

「探すと案外、あるもんなんだね」
小額シールを見つけるために、わざわざ駄菓子屋や個人商店を
はしごしたナオコは、自信たっぷりに10円のシールを見せた。

「これ以上小額はないよね。」

最後に、MR.ハンサムの番。

「これ、OKっすか?」
おずおずと出した手には、シールがあった。

「¥1」

もう、この瞬間、決定だ。よく聞くと、

「毎日、結構探したけど、案外見つけられなかったので、
隣のローソンの店員さんに頼んで、わざわざ
これ(¥1シール)を作ってもらったんです。」

あの、人見知りのこの子がそこまでした!!!
それだけでも胴上げものの行動である。

「あ、もちろん、いいよいいよ。小額シールを
もってこい、って言っただけで、商品に貼られている
かどうかは、決めてなかったから。」

ということで、週末、OL数名+MR.ハンサムで
吉宗に行って茶碗蒸しを食べた。

普段、ほとんど顔をあわせたこともないOLたちと
一緒にMR.ハンサムは吉宗に入った。
見知らぬOLたちに囲まれてMR.ハンサムは
とても照れていた。

茶碗蒸しを頼もうとすると、
「茶碗蒸しはあまり食べ応えがないから、ほかのに
してもいいですか?」
と言う。みんなで一斉に
「ダメ!」
といわれ、おとなしく茶碗蒸しを注文する。

出てきた茶碗蒸しに、MR.ハンサム、目を見張ったまま
反応もできないようだった。

しばらくして、彼は常駐期間が過ぎ、自分の会社に戻った。
入れ替わりにやってきた、彼の上司に当たる男性が
あるとき、同じ作業グループの女子全員を
夕食に誘ってくれた。

「ここは、わが社では穴場的存在です。
みんなで行くときは、最近は毎回ここです。」

と連れられたのは、やはり、吉宗だった。

自社に戻ったMR.ハンサムは、シャイのイメージが
がらりと変わり、ほとんど宴会部長に成長していたという。

宴会の幹事に指名されると、それまではほとんど
辞表を提出せんばかりの表情だったのが、
最近では、顔を輝かせて場所を選定し、
しかも、2次会のカラオケまでセッティングする
用意のよさだとか。

「本当に、御社のおかげで、技術者としては優秀だった
彼が、人とコミュニケーションがとれるようになりました。
これで、リーダーとして人と折衝することもできます。」

どうも、あの¥1シール以来、人格がかわってしまったらしい。
それが彼にとってよかったか悪かったか、私はその後
彼に会っていないのでわからない。





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最終更新日  2012年10月21日 06時16分26秒
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