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カテゴリ:お局真紀子の素敵な毎日☆家族編
りんごとポコチャン、部屋の片付けをしていた。
ピアノの上に土のようなものが落ちている。 震災後、落ちているのに気づいたので一度きれいに 掃除したのだが、また、落ちている。 壁の土が落ちているのだろう、と思ったらしい。 「おかあさん、おかあさん、これなに?」 ちりとりの上のその泥を見せに来た。 「え・・・これってネズミの糞じゃないの?」 つぶやく私にりんごもポコチャンもギャーっと 飛びのく。 場所を聞くと、換気扇の排気口の真下に落ちていたという。 「もしかしたら、排気口に何かでネズミが入り込んで 出られなくなっちゃったんじゃないの?」 「お父さん、呼んで来る!」とポコチャン。 背の高いお父さんが、ピアノの椅子に乗って 換気扇の蓋を開き、ファンを引き抜いた。 「う・・・わ・・なんかいるぞ!」 排気口を覗き込んだ夫が叫んだ。 夫:「ポコチャン、ちょっと見てみろ。何か、何かがある。」 我が家で2番目に背の高いポコチャン、椅子に乗って 背伸びしておそるおそる覗く ポ:「ホントだ!なんか、毛が生えてるよ!」 みんなして、私を手招きしている。 私が続いて椅子に乗って思いっきり背伸びしてそっと中を見る 確かに、チラっと毛の生えている丸っこいものが見えた。 私:「やっぱり、ネズミだよ。ネズミが入り込んで出られなくなったんだ。 もうかなり長いこといるはずだよ。ミイラになってるのかなぁ」 どうやって、このブツを出すか、が問題だ。このとき、ワッチは部活でいなかった。 夫:「4人でじゃんけんで決めよう。」 ポ:「りんごはまだ見てないよ。見てないりんごが出すべきだ。」 このポコチャンの建設的意見に、私も賛成!!!(なんていう親だ!?) こういうときのりんごの腹の据わり方は立派だ。 り:「じゃぁ、これはご褒美ものだね!」 どんなご褒美をねだるのか、ちょっと心配だが、勇気に免じて許そう。 り:「私ね、サーティーワンのアイスがいい。今なら、会員はレギュラー1個で キッズが1個もらえるんだ。」 あ、それくらいなら、どうぞどうぞ。 ということで、長いお箸と大きなビニール袋を持ってりんごは ピアノの椅子に乗る。夫が横で支えている。 りんごは、排気口からその毛のあるものを引きずり出して ビニール袋に入れた。 夫:「とりあえず庭で袋から出してみたら?」 そう言われてりんごは庭に下りた。 そして、自分の武勇伝を友人に自慢しようと写メを構えた。 私は部屋の中で窓をしめたまま、その様子を眺めていた。 袋から落とそうとするりんご。何か、モタモタしている。 気になったので、私が窓辺に近寄ると、その、 毛むくじゃらのピンポンが、パシッパシッと開いて 30cmほどにもな拡がって飛んでいった。 コウモリだったのだ。しかも、排気口を巣にして出入りしていた ようなのだ。 ちゃんと確かめずにいたら、あのままビニール袋の口を締めて ゴミに出すところだった。 「私、排気口からコウモリを引っ張り出しただけじゃなくて そのコウモリを助けたんだよね!」 うれしそうにりんごは叫ぶ。 「やったぁー!私は、バットガールだ!」 正義の味方、「イケメン・バットガール」の誕生だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年11月30日 06時33分41秒
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