ほんだらかんだらと仲間たち

昨日、三春の滝桜を見に行った。

朝、５時半に家を出発し、滝桜駐車場まであと２ｋｍという
ところに、６時に着いた。

ここで渋滞が始まっていた。

この２ｋｍに３０分かかった。
駐車場入り口から実際に駐車場に車を停めるまで、また
１０分ほどかかった。

駐車場から滝桜まで歩く。
最初に滝桜を見に来たときは、木の目の前まで
車で近づけた。が、年々、整備が進み、最近は
まるで神社の参道のような賑わいだ。

しかし、この桜も、人が喜んで、大勢で見に来て
くれることがわかるのだろう。老木にもかかわらず
以前よりも美しく艶っぽく誇らしく、花を咲かせている。

何度見ても、素晴らしい。

この木、樹齢千年、と言われている。
紫式部が源氏物語を書いているころ、若木として
このみちのくの山奥で、ひっそりと育っていたのだ。

時の流れに思いを馳せてしまう。

周囲をじっくり巡り、小高い丘に登って上からも
この名木を眺める。

朝７時なのに、ものすごい人・人・人。
駐車場に向かう車の列もものすごいものになっている。
今日だけで、いったい何人の人がこの桜を見に来るのだろう・・・？

帰り道、いろいろなお店を覗いたり、おからドーナツや
三春名物・三角揚げを食べたりした。

駐車場に近いところの広場では、椅子とテーブルが
いくつか置かれている。

テーブルが一つ空いていたので、私が場所取りで
座っていた。
夫と子供たちは、露店を覗きながら買い物している。

お年寄りと、付き添った男性が近づいてきた。

「この椅子、空いていますか？」

お年寄りが、歩くのに疲れて、ちょっと休みたい、
その間にお店で食べるものを買って来る、ということだった。

もちろん、空いている椅子なので、座ってもらう。

お年寄りは、私の横に座って、話しかけてきた。

「こんな年寄りは、もう、ついてきたら若い人の迷惑になるね。」

にこやかに話す。息子さんとお嫁さんに連れてきてもらった、という
のだ。

「歩くのに迷惑だ、と言ったんだけど、連れてってやる、て言うもんだから。」

うれしそうに、息子さんとお嫁さんを指差す。
おばあさん、幸せなんだね。

「孫も中学まで。それまでは、ばあちゃん・ばあちゃんって
くっついてきたけど、今じゃ、ばあちゃんの買うものは気に入らない
から、来なくなっちゃったよ。」

おばあさんは続ける。

「孫もね、中学まで。中学までだよ。」
何度も繰り返す。

そうですね、と何度も私も相槌を打つ。

ちょうど、そのとき、私の子供と夫が買い物をして戻ってきた。

ぺこり、とおばあさんに頭を下げる子どもたち。

おばあさん、子どもたちを見て、ニコニコしながら

「お宅は、まだ、ほら、こんなに小さいから一緒に来てくれるんだよ。
でも、それも中学・中学までだよ。それからは、一緒には来なくなるよ。」

・・・でも、ポコチャン、すでに高校生。それでも私たちと一緒に
お出かけするのを喜んでいる。

が、まぁ、年寄りの世間話だから、ふんふん、と聞き流しておこう。

「お宅も、ほら、孫と息子さんに連れてきてもらうから、いいよね。」

・・・・・？

「お宅、まだ、年金はもらってないんでしょ？」

・・・・・？　　！！！

「こうやって、息子さんや孫ちゃんに大事にされて、幸せだね。」
「私も、嫁さんにも大事にされて、本当に幸せだよ。」

横で聞いていたポコチャン、一瞬顔を引きつらせたが
知らん顔していてくれた。

遅い結婚で、子供ができたのも遅かったから、
とくに末っ子ワッチの母親年代で言うと、若い
母親と比べると祖母年代であることは、
それは、認める。

しかし

４歳年上の夫の母親に間違われるとは！

この前の、舅の弟嫁と間違われたことと合わせて

ショック

老木ながら美しく艶っぽい滝桜の地での
笑い話でした。

トホホ・・・